3回、稲場は右中間方向のグランド外のガードレールを越える豪快なホームランを放った。いつも辻とともにホームラン後のパフォーマンスを練習していたが、興奮して頭が真っ白になったのか普通にホームイン。ベンチに戻っても興奮を収まらず、「マニーラミレスのバット最高!」などと連呼し続けた。今まで、山添グランドなどレフトが狭い右打者に優位なグランドが多かったためか、左打者の稲場にとってはホームランに恵まれることが少なかった。そんな稲場にとってこの日の1本は忘れられないホームランになったことは間違いない。
試合が終盤にさしかかった頃に辻が遅れて到着した。そして、登場して早々に「俺は怒っている!」と怒りをぶちまけた。事情を聞くと、今日の試合が当麻町農村グランドと勘違いしていたらしく、農村グランドに行っていたと言うのだ。しかも、間違いに気付いて健民グランドに向うも、グランドが込み入ったところにあるため道に迷ったらしく、さらに到着が遅れたらしい。気を取り直して打席に立つが、大事にしていた木製バットがまっぷたつに折れた。さんざんな1日になった辻。厄日とはまさにこういう1日を言うのかもしれない。