★☆★ 癌 = 死 ★☆★              

 私は2000年の秋に悪性リンパ腫と、告知されました。それから3年ほどは、
「私の命、後どれぐらいなの?」と、自問自答する毎日が続いていました。
 私が癌患者になるまでは、『癌』という病気の名前を聞いただけで、『癌 = 死』と
心のどこかで、決めつけていました。
 それまでの私は、「あの人癌なんだって…。」と聞く度に、「ああ、可愛そう。」と
いった他人様に対しては、ただ単純に素直な哀れみの気持ちを、抱いていただけです。
それと同時に癌を患っている人たちを、同情の目で見るゆとりもありました。
 いざ、「癌」という病が自分のこととなると、初めは他人事のように聞こえて
いました。
 あのころの私は癌患者となったことを、素直に受け入れることが
出来ませんでした。きっと、現実のこととして受け入れることが、とっても怖かったの
だと思います。
 それよりも「私後どれぐらい生きれるの?」という、疑問の思いで頭の中が一杯
でした。
「私の体の中は、一体どうなってしまったのだろう?」という、目に見えない不安な
気持ちに襲われ、パニック状態が続いていました。
 2000年に発病してからは、毎年のように再発を繰り返していました。だからこそ、悪性リンパ腫の病気が怖かったのです。
 『癌 = 死』という言葉が、私の心から消えることはありませんでした。
 「もう、私には、この世での時間があまりないんだなぁ」とか、「どうせ、私の命は
助からないんだろう」と、後ろ向きなことばかり考えていました。
 そんな辛い思いを家族にも言えず、周りの親しい人たちにも打ち明けられず、
私の心の奥底の一番深い所に、ずっと閉じ込めて私の前を流れ過ぎて行く、
時間をただ坦々と見送っていました。
 年年検査する機械や、x線による検査や、電磁波を使った機械などが開発されて
きました。
それに血液検査することによって、いろんな体の内部のことがわかる
ようにもなりました。今では血液検査で、いろんな癌の腫瘍マーカーを調べることが、
可能になりました。その結果、癌細胞の進行状態もわかるようになりました。
 いろんな種類の癌に効き目のある、抗癌剤やそれ以外の薬も研究されています。
そして、抗ガン剤の副作用を、和らげるための、お薬も日夜開発されています。放射線
治療や外科手術なども、目覚ましい進歩を遂げています。
 最近では、血液の癌治療に、骨髄移植や末梢幹細胞移植などの治療も、数多く
試みられています。
 だけど、そんな医療現場でのスピードに私の心がついて行けず、躊躇することも
たびたびでした。
私が癌患者となって絶えず感じて来た事ですが、癌という病気に侵された多くの
患者さんたちが、心にも重い病を抱えてしまって、悩んでいることも確かな問題だと、
思います。
 近頃では、『癌 = 死』という言葉を忘れていることも多くなりましたが、現代
国民の3人に1人は、癌患者だということも事実であって、『癌』という病気が原因で、
死亡して行く患者さんたちの数も、減少することはありません。
 癌患者となってから7年足らず経った今でも、「私、後どれくらい生きれるの?」と
いう、疑問と不安な気持ちが私の心の中から、すっかり消えることはありません。
 これから先、『癌』にたいしての研究が進んで、『癌 = 死』というような時代に
ならない、明るい未来が訪れる事を、癌患者として心から切に希望しています。