*院内に掲示しているポスターです*
■股関節形成不全症とは?

 
大型犬種で発生が多く見られる関節疾患です。早ければ6ヶ月令で股関節に痛みを訴えるようになります。多くは内科管理によって維持可能ですが重症例では手術が必要とされることもあります。世界的に見ても日本は股関節形成不全症を持っている犬が多く見られる国であり、その好発犬種であるラブラドールレトリバーでは約50%の犬が本疾患を持っているとの報告があります。

 7ヶ月令から9ヶ月令くらいのワンちゃんで、散歩中にヘタリこんだり、足を痛そうに引きずったり、腰を大きく振って歩くようになったら要注意です。
    
    <股関節の模型>  <正常な股関節のレントゲン>
■Penn Hip 法

■当院ではPenn Hip(ペンヒップ)いう診断方法を用いて4ヶ月令から股関節形成不全症を診断できます。Penn Hipとはアメリカで開発された特別なレントゲン診断方法で、Penn Hip協会の認定獣医師のみが実施できます200610月現在、奈良県でPenn Hip可能な動物病院は本院を含めて3院しかありません。


■一歳をすぎた年齢では通常のレントゲン写真でも判定可能です

<Penn Hip に用いる器具>
■日本国における好発犬種
  ・ ラブラドールレトリバー
  ・ ゴールデンレトリバー
  ・ ニューファンドランド
  ・ バーニーズマウンテンドッグ
  ・ ジャーマンシェパード

                       など

<股関節形成不全症のレントゲン写真>
■ 愛犬に出産させる前に・・・
 愛犬の子孫を残したいという気持ちは多くのペットオーナーが抱くものです。そして新しい仔犬たちが健康であることを望まない人はいません。
 愛犬に出産をさせるかどうか決める前に股関節形成不全症のリスクを確かめませんか?この病気のリスクは遺伝します。愛犬のリスクが高い場合には仔犬のリスクも高くなるのです。

■なぜPenn Hipが必要なのか
 4ヶ月令という極めて若い年齢で診断が可能なのはPenn Hipだけだからです。4ヶ月令という年齢ではまだ症状が現れていません。早い時期に愛犬にリスクがあるかどうかが分かれば早い時期から適切な飼育を行うことができます。適切な飼育管理によってリスクを持った犬の発症を予防し、また発症した場合にも軽症に抑えることができます。
 
     <6ヶ月令 フラットコーデットレトリバー>

■このワンちゃんは6ヶ月令で、レントゲン撮影当時は無症状でした。通常のレントゲン撮影では大腿骨頭と寛骨臼はきちんと接しています。一見股関節は正常です。同じワンちゃんをPenn Hipで撮影したのがしたの写真です。
    
 <股関節圧迫像>       <股関節牽引像>
■Penn Hip法解説
 右のレントゲン写真の圧迫像と牽引像を比較してください。圧迫像では青の点線(股関節のカップ)とオレンジの点線(大腿骨頭)はぴったりとつながっていますが右の牽引像ではカップと骨頭が離れてしまっています。股関節の優れたワンちゃんではこのように離れることはありません。
■Penn Hipで撮影すると左の股関節のゆるみが明らかになりました。大腿骨頭と寛骨臼が離れてしまっています。このワンちゃんは検査後に適切な管理をおこない、2才になった現在まで痛み無く歩いています。
遺伝疾患を減らす努力をしています 検査料金
 先進国といわれる国々の中で、日本国内で飼育されているワンちゃんたちは遺伝疾患を持つ割合が高いようです。それはこれまで遺伝疾患を減らすための努力を怠っていたことが原因と考えられます。股関節形成不全症は遺伝疾患の代表であり、当院ではこれを積極的に診断し、リスクが少ない良好な個体を繁殖に供するよう説明しています。
 日本国内のワンちゃんから少しでも遺伝疾患を減らすためには、ペットオーナー、繁殖家、獣医師の三者が協力して努力していくことが必要です。

  ・中型犬   15,000 円
         
(シェルティー、ボーダーコリーなど)
  ・大型犬   18,000 円
         
(ラブラドールレトリバー、バーニーズ
        G・シェパード、ゴールデンレトリバーなど)
  ・超大型犬  20,000 円〜
          
(ピレニーズ、ニューファンドランドなど)

*アメリカのPenn Hip協会への登録を希望された場合には別途1万円必要です


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