「湯ごね」とは、熱湯を加えることによってそば粉のでんぷんを糊化(α化)して粘性を引き出す方法です
でんぷんは水に溶けても糊化しませんが、熱湯だとたちまち粘力を生じてお互いにくっつき合う性質を持っています。 |
末子(黒っぽい蕎麦粉)は、初めはつながりが良いのですが、時間をおくと味の劣化が激しく、ぼそぼその味になります
では、末粉(黒っぽい蕎麦粉)とは何なんでしょう?、、普通の粉は、臼でひいた後、篩にかけていきます。
70メッシュの篩いを通過した物は、粒が細かく色の白い粉が得られます。いわゆる更級粉といわれる物です。東京ではこの更級粉を使った白っぽい蕎麦が好まれます。上品な味わいですが、甘皮が取り除かれているために、そば本来の香りがあまりしません。
それをさらに60メッシュ、50メッシュ、40メッシュ、と言う風に篩にかけていき、最後に残る黒い末粉は、粘りけが強くこれを多く入れると、蕎麦がつながりやすくなるのですが、粉焼けをおこしやすく、時には酸化して赤っぽい色になります。
製粉業者はこの粉の配合を微妙に変えて、つながりの良いそば粉をつくり、十割そば用としてそば屋に売っているのです。
そう言うわけで
黒い(酸化すると赤っぽくなります)十割蕎麦を食べた人は、蕎麦好きでも、二八蕎麦(二割は、蕎麦をつなげるためにつなぎとして小麦粉を使っています)の方が美味しいと言う訳です。
営業秘密なのでお知らせするわけにはいかないのですが、千曲は独自の方法で、美味しい手打ち十割蕎麦を作り上げました。
また、
粉焼けを防ぐ工夫をした臼で(臼の周りに氷水を循環させて臼の回転による摩擦熱から粉の温度が上がるのを防ぎます。)粉の劣化を防ぐため、毎朝その日使う分だけ、自家製粉して蕎麦粉をつくっています。
一度、黒くない美味しい手打ち十割蕎麦を味わって下さい。