どらやき。


Rozen Maiden -ローゼン メイデン- SS #1

―其処に芽生えるモノ―


ここは暗い…
暗い暗い「―――」の其処。
そこは果てしない闇の中、何もない、何も生まない。
けれど其処は私の全て…ここは私の全てを持つ。
私はただ、その時がくるのを待ち続ける。
待ち遠しい…望まない…複雑な思考。
それは頭の中を際限なく巡り続ける…
やがてそれが今の私に不要な事だと気付く。

今の私はただ、待てばいい。

何を待つか、漠然としているが全てを内包して言うならば ―イベント―…広すぎる言葉だが語弊はないだろう。
私達は一つの物事を成す為にのみ生み出された。
たった一つのモノの為にたった一つの我が身をもってたった一つの事を為す。

それは予め決められた事。

それをするという、それに参加するというのを大前提として私は生まれた。
生み出された、そして今もこうして居続ける。
だから、芽生えた意志は不要…目覚めた知識は無用。
肯定し続け、不満を持たず、不安を力に換え、私達はそこへと昇る。
もしも―何か―に気付いたら、何かを不満に感じたら…
そこから先は怖くて考えられないけど、

きっと……
きっと、私達は自分の存在を否定してしまう。

自分から、私がここにいる理由を壊してしまう…。
だから、余計な知識を持たなくていい…最低限の知識と最大限の力…。
それさえ離さなければいい…私達はある一つの為にできたモノ。
そのモノの意志に従って私達は生きる。

私達は―人形―…人ノ形ヲシタ物…

さぁ、絡繰りの担い手を求めよう。

さぁ、踊りのパートナーを求めよう。

さぁ、…私達の生きる意義を求めよう。

外の世界は私の全てを否定するかもしれない。
パートナーは私の世界を崩すかもしれない…
でも、私の担い手は新しい世界をくれるかもしれない。
だから、だから芽生える思いは捨てない。

いつか必要になるまで大切に、私の住処に閉まっておくの。

いつかそれは必要になるかもしれない…
私達の―証―が根本から崩れてしまうかもしれない。
私達が壊れるか、そのゲームが壊れるか。

どちらにしても同じ事。

羊が壊れようと、檻が壊れようと、その先に待つのは一人での活動のみ。
何かに従ってきた人形/ワタシタチには無理難題だ。
だから、今の内から蓄えるの。
巡り巡って考えて…無駄な思考は無駄と有益を重ね渦となる。
外の世界にでれた時…私は人の形をした物ではなく、 人の形をしたモノとして、いることを求めよう。

それが誰の意志かはわからない。

何故そうなのかも分からない。

あなたはあなたとしてあなたの為に動くようにと…
全ての矛盾すら抱きしめて、私が求めた者とともに、私は私の意志で参加する。

担い手よ、私の知識を動かしなさい。
私が動く為に、最大限の愛を注ぎなさい。
紅茶の血を流し、口づけの息吹を交わしなさい。
私の知識を動かしなさい、うごめく渦を停止させないで。
私は私の意志で其処に行くわ。
担い手よ、あなたに最後の選択肢をあげるわ。
私に意志をちょうだい、私に意義をちょうだい。
私の「私である理由」を、巻き続けて。
私が私で在る為に。

さあ、あなたの選択肢はふたつよ。


巻きますか? 巻きませんか?




―始まり…/終わり―







 

= あとがき =

えっと…初めてのローゼンメイデンです。
正直に言うと全然物語掴めてません…
つい最近も翠星石と蒼星石がわかんなくて随分
山田タイチョウに怒られました。。。

( `皿´)「違うわよ何を言ってるのこの豚!!」
( T□T)「ひぃぃ、ごめんなさいお姉様!!!」

……みたいに。(全然違います)
これから知識を詰め込んでいくので今回はこれにてご勘弁。


―葉桜。