SUMMON NIGHT SS #04
その想いは吹雪のように…
その涙は嵐のように…
彼の者は立ちつくす。
悔い無く成した丘の上に、悔いに満ちた嵐の念に呑まれながら。
そこは戦が終わった野。
そこは虐殺が終わった野。
数十といた人達、無数の無念、無限の悲しみ。
それは「数」というには儚いもの。
無限に満ちる悲しみの数…
そしてそれは「無念」という一つの質。
黒霧渦巻く涙の荒野…嘆きと叫びの鎮魂歌。
これも果てしない歴史の一握り。
終焉に走る果てしなく続く歴史の寄り道…
ずっと、これを世界は繰り返してきた。
平和に眠り、戦に動き、冷たく停まる。世界が与えた人の業…
でもここは閉じこめられた世界の中、先の無い、投げっぱなしの現の世。
死者に語る口は無い、死者に与える狭間も無し。
其処で朽ちるなら、お前は其処の空気に散る。お前の肉は地に帰り、血は川に流れ去る。
身体は全て島に溶けてしまえ。
魂は不要だ…無念を抱いたお前は不要だ、送る場も、留まる場も与えない。
お前は不要だ、ならば先達と共に在りつづけろ。
天に昇ることは先達が許さない。お前はもう仲間、逃がさない…
仲間でこの島を満たそう…奴らの肉を地に埋め、血で川を流し、魂を捕まえろ。
この島は歪んだ楽園、濁った地獄。
「そう…ここは、地獄…これ以上落ちれない奈落の底」
だから…と私は納得する。
ここは虐殺の終わった場所。
誰が?/私が
誰を?/奴らを
どうしたの?
「奴らはここで死に続ける…それが彼女へ刹那程の贖罪になる」
彼女への贖罪…
それは表だった良いいわけ。
私が辛うじて私でいる為の「正当な言い分」
奴らは餌…私の餌。
私の、沸き上がる衝動をおさめる為の餌。
私の、私の、わたしの、ワタシの餌…黒色のモヤモヤが晴れないから、
モヤモヤが大切な何かを覆い尽くすから、
そうさせない為にワタシは奴らで代用する。
私が私の意志で動く為に…私は奴らを殺していく。
奴らは私に殺されなきゃ…私は「奴ら」を狙わなきゃ。
じゃないと…私は「人」を狙いだしてしまう…
「みんな」を……殺してしまう。
だから、殺さなきゃ。
奴らを殺さなきゃ
あいつらを追いかけて
追いついた奴から殺さなきゃ
だって奴らは敵だもの
奴らは「みんな」に危害を加える
だから殺さなきゃ
そうだよ、殺してもいいんだ
だって
奴らは「みんな」を悲しませる
「みんな」を不幸にするもの
だったら殺しても構わない
「みんなを護る為なんだから」
………
…………
……
「みんな」とは…誰だろう。
私に泣きついてきたあの子供は「誰」だろう。
私を襲ってくる人達は「奴ら」で
私が護りたい人達は「みんな」
私を襲ってこない人が「みんな」…?
…お か し い な
もう何人も殺したけど…襲ってきた奴は半分もいなかった。
何人かは怯えながら何かを言ってたなぁ…
あ れ … ?
私は「何」を殺そうとしてたんだっけ…
私は…「奴ら」を追いかけてたんだ。
追いかけてたんだ。
だから…私の走った先にいたのは「みんな奴ら」なんだ。
これは…おかしい?
あれ?
私は何を殺したんだっけ…
何を生かしたんだっけ…
誰を殺したんだっけ…
だ れ が い き て る ん だ っ け ?
頭が少し混乱してる。
ここ少し錆臭いから…
確かめようかな、何を殺したのか。
でも…
無理かも…だって、足下に浮いてる「コレ」、誰のかわかんないもん。
足下のピチャピチャする音がそろそろ耳障り。
この「色」も見飽きた…他の色が見たいけど、辺り一面コレばっか。
退屈な世界だ…自分で作っておいて何だけど…
でも、全部同じ色に塗り替えちゃった木は緑色と茶色だよね
川は水色がいいな
野原って緑色が定番だよね
村は彩り豊がいいなあ
残念…
ちょっと頭を落ち着けようかな。
いつか慣れるだろうけどこの臭いはまだきつい
頭が火照ってクラクラする
黒いモヤモヤがまた来そうだ
ああ、海岸に出よう
あそこなら涼しい風が吹く、色もきっとこれ以外があるはず
でも……海岸はどっちだろう。
全部同じでわかんないや
まぁ…いいか、いつかは慣れなきゃいけない臭いなんだ愚痴を言っても何にもならない。
どうせここは何処に行ってもこの臭いしかしないんだし。
どうせとごへ行っても
誰も愚痴を聞けないんだし
あ れ ?
私の今の言葉
な に か お か し い な …
〜T H E E N D 〜
2006年一つ目のお話です。
かといって元旦から暗い出来事があったわけじゃありませんよ!?
(おみくじ大吉でしたし♪)
一つの結果に対して報われてるか否か。
それを決めるのは結局本人の物事の置き方、考え方なんだと思うのです。
あなたにとっての正義は他者から見た悪なんだーみたいに。
宗教とかよく現れてますよねぇ。
…何が言いたいかというと
自分で考えてみて下さい。
こーいうのってマニュアルが無いから楽しいんですし。
(; ̄□ ̄)ノ「け、決して投げっぱなしとかじゃ無いですからね!?」
―葉桜
※彼女はガラスの割れる悲鳴のような音が好きだった。
その音を聞くためにはあらゆることをした。
もう一方で彼女はガラス細工も好きだった。
けれど欲しいモノのためには大切なモノを壊さなければならない。
そんな矛盾。
人は失うものを欲しがるという矛盾を抱え生きている。
なんだかSound Hrizonみたいな感じでもう年明けから葉桜は全開だなぁ(´ω`;;)
今回はちと演出効果?を追加してみた。
でも面倒だったんで次回からやめるかも(ぁ
―山田