識字 その1(グロ−バル教育教材)
http://www5.kcn.ne.jp/~jkobi/npk+sik1.htm 
2000年3月2日 小尾二郎(Mr.2) 作成 
協力 美珠和文化研究会の会員 



ネパ−ル点描(グロ−バル教育教材)

識字その1


スライド教材を掲載したものです。画像はクリックで拡大します。
資料は2000年現在で入手できたものに基づいています。
撮影は1985年から1992年頃。


 


( 識字 1 )


np-si01s.jpg  ネパールの村で識字学級が行われています。真剣に黒板の文字を見つめる目です。ネパールの休日である土曜を除いて、識字学級は毎日行われています。仕事と夕食を終えた後、夜の7時から9時まで真剣に勉強しています。



( 識字 2 )


np-si02s.jpg  識字学級は建物の中だけではなく、屋外でも行われています。雨季には運営がしにくいです。もちろん、冬の寒い日でも星空の下で行われています。寒い季節には、夜露で教科書やノートが湿ります。



( 識字 3 )


np-si03s.jpg  ネパールで文字の読み書きに困っている人は、成人の3人に2人と言われています。日本の3%弱(推計300万人)から比べると、はるかに多いのが分かります。そのことがまず問題ですが、さらに文字の読み書きに困る人の社会的な偏りがあることが問題です。どの国でもそうですが、女性、農村、都市スラム、少数民族に文字の読み書きに困る人が多いです。



( 識字 4 )


np-si04s.jpg  屋外でのこの識字学級には、机やいすはありません。ノートを地面において文字の練習をしています。ネパールの村で識字に関する調査をしました。ある村では、文字の読み書きに困る人が約30%だったのに対して、その近くの村では約90%でした。ネパールには、カースト制と呼ばれる身分制が、法律でなくなったとは言え、現在も残っています。ネパールの農村部では、カーストごとにまとまって住むことが多いです。



( 識字 5 )


np-si05s.jpg  村によって文字の読み書きのできる人の割合が大きく違うのは、カーストによる影響があるかもしれません。ネパールに限らず、どこの国でも社会的な弱者に文字の読み書きのできない人の割合は高いです。黒板には、ネパール語の文字であるデバナガリー文字が書かれています。デバナガリー文字はインド北部で話されるヒンディー語にも使われています。
 子どもをひざにのせながら、文字の練習をしている父親です。



( 識字 6 )


np-si06s.jpg  一つのランプを頼りに多くの人々が、学習を進めていきます。電灯の下で勉強する日本と比べると、暗いです。しかし、文字を学ぶ機会があるということで、みんな懸命に学習しています。
 文字の読み書きの力は、衣、食、住、水、保健衛生、生計のための仕事とともに、BHNs(Basic Human Needs 基本的人間要請)の1つです。



( 識字 7 )


np-si07s.jpg  建物の中で行われている識字学級もあります。この建物は、村の集会所も兼ねています。村人が協力して建てたものです。識字教育は単に文字の読み書きができるようになる技術的なことだけではなく、村の開発をみんなで協力して行っていくことも、考えられるようになっています。これは、ブラジルの教育学者のパウロ・フレイレの理論によるものです。フレイレの理論は第3世界で広く実践されています。



( 識字 8 )


np-si08s.jpg  識字学級では、多くの女性が学んでいます。男の子は学校へ行っても女の子は家の用事のために行けないというのが、ネパールの中で見られます。これは、第3世界に共通に見られることです。ですから、文字の読み書きのできない人は、女性のほうが男性よりも多いです。識字教育を通じて女性が、自分がおかれている立場などの社会の矛盾に気づき、自ら行動していけるようになることが、社会構造を変え、地域開発をしていくのに重要なことです。



( 識字 9 )


np-si09s.jpg  識字学級では、学校に行けない子どもたちも学んでいます。ネパールでは、家の仕事の手伝いなどでなかなか毎日学校へ行けません。勉強が続けられなくなり、途中でやめてしまう子どもが多いです。同じ年の子どもの約90%が小学校に入学します。しかし、入学した子どもの中で卒業できたのは、入学者の30%にしかならなかったという調査結果があります。小学校へ行けなかったり途中でやめた子どもは、成人になっても文字の読み書きに困ります。識字問題は成人の問題であるとともに子どもの問題なのです。



( 識字 10 )


np-si10s.jpg  小学校での中途退学は、ネパールだけでなく、バングラデシュなど第3世界に共通の問題です。黒板で文字の読み方を練習しているところです。ネパール政府は、パウロ・フレイレの理論を元にした、識字教育用の教科書を作成しています。この村でもその教科書を使っています。フレイレの方法は、まず生活に関連の絵を見て、例えば「水」を意味する文字の学習では洗濯している横で飲み水をくんでいるなど、参加者がそこに見られる問題点を出して話し合います。自分たちの社会の問題を認識し、それが文字を学ぶ、より強い気持ちになるのです。








ネパ−ル点描・表頁J-arr-.gif J-arr+.gif識字 その2



奈良グロ−バル教育研究会 


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