ここは 「人権教育のための国連10年」奈良県行動計画 第4章
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1998年7月7日作成


「人権教育のための国連10年」奈良県行動計画
第4章 あらゆる場を通じた人権教育の推進


1 家庭・地域社会における人権教育の推進
(1)基本認識
 人権を社会のなかに根付かせていくためには、家庭や地域社会において、お互いの人権を尊重し、豊かで生きがいのある生活を送ることができるようになることが重要です。
 これまで、家庭や地域社会における人権に関する学習活動は、教育・福祉等の場を中心として、個々の課題に即し展開されてきました。今後は、社会の変化に対応して、だれもが自己実現を図り、生き生きと生活できる生涯学習社会の実現を目指さなければなりません。
(2)現状と課題
ア、家庭における人権の学習
 家庭は、個人の人権を尊重し、生命の尊さを認識させ、基本的な社会性を身に付けさせるなど、子どもの人格形成に大きな役割を果たします。
 しかし、近年、核家族化、少子化といった家庭環境の変化に伴い、基本的な人格形成の場である家庭での教育機能が低下し、子育てや子どもとのかかわりに悩みや不安を持つ家族が増加するなど、新たな問題生じてきています。こうした家庭の状況を踏まえ、一人ひとりの人権を大切にする家庭教育ができるよう、支援する方策がより必要となっています。
イ、地域社会における人権の学習
 これまで地域社会においては、同和問題や女性問題、高齢者問題、障害者問題、外国人問題、いじめに関する問題などの人権問題の解決を図るための研修会や講演会が実施されてきました。また、公民館でも学級・講座として人権に関する学習が進められてきました。 県においても、各種イベントの開催や、リーフレット等の教材の作成、人権に関する学習が進められてきました。
 市町村においても、同和教育の推進体制が整えられ、人権や差別についての正しい理解、認識を育てる自主的な取り組みが進められています。
 しかし、必ずしも人権が現代社会における不可欠な課題として定着し得ず、学習が個人の知識にとどまったり、自己の生き方にかかわる問題として理解されていないといった面もみられます。また、学習内容が、地域や住民の現状や課題から離れていたり、画一的な展開となったり、または、国際的な視野が希薄であったりして、魅力的な学習になり得ていないケースも見られます。
 人権の確立は、私たち自身にとって大切な課題です。毎日の生活のなかから問題を見つけ、教育・啓発の内容として工夫し、効果的に推進することが必要です。
(3)具体的施策の方向
ア、家庭教育の充実
 子育てについてのセミナーの開催、子育て支援のための事業の実施、各種相談機関の相談機会の拡大や相談員の資質向上に努めます。また、男女共同参画社会の実現に向けた、家庭や地域づくりに関する情報等の提供に努めます。
イ、人権教育を進めるための指導体制の充実
 市町村が、地域の実情を踏まえ、関係機関や団体と連携して人権教育を推進できるよう、指導体制を充実するための指導者養成、各種資料の作成等を支援するとともに、国内外の取り組みに関する情報の提供や指導者の派遣に努めます。
ウ、さまざまな学習機会の提供
 いつでも、どこでも、だれもが参加できる学習機会の提供に努めます。そのため、これまで地域で取り組まれてきた子どもを対象とした活動、女性を対象とした活動、識字学級などの課題に即した活動など、さまざまな人権学習の取り組みを支援します。また、隣保館や公民館等の有効な活用を図るなど、多様な学習機会の提供にも努めます。
エ、有効な学習内容への支援
 地域社会における人権教育の推進に当たって、地域の生活課題を踏まえた学習プログラムの設定、学級・講座等での具体的な人権学習の内容の充実を図るとともに、学習内容や教材を作成するための情報の提供に努めます。特に、情報社会に対応した多様なメディアを利用した視聴覚教材、教育放送番組や視聴覚ライブラリーの整備・充実に努めます。
オ、地域が一体となった人権教育の推進
 県や市町村、民間における社会教育施設、生涯学習施設、社会福祉施設等の有機的な連携を進め、人権教育に関する各種講座や学習情報の提供等の充実に努めるとともに、県民の自主的な学習活動の支援や、市民レベルの企画の活用などに努めます。
 そのため、PTA等の各種団体の独自の活動を奨励・支援するとともに、モデル地域の指定等を通して、互いの交流・連携を支援します。また、関係施設等を核とした社会教育関係団体との人権教育のための地域ネットワークづくりに努めます。

2 学校(園・所)における人権教育の推進
(1)基本認識
 学校(園・所)においては、幼児児童生徒個人の尊厳とその最善の利益の確保を最も大切にして教育が進められなければなりません。当然のことながら、子どもが学校教育の主役であり、子ども一人ひとりは、権利の主体であることをまず踏まえておく必要があります。そして学校におけるあらゆる教育活動を通して、幼児児童生徒に、自他の人権についての理解を深め、それを具体的な行動へとつなぐことのできる力を育てていくことが大切です。
(2)現状と課題
 これまで、就学前教育においては、人権を大切にする心の教育が図られ、また、小・中・高等学校においては、同和教育等について基本的な理解と解決のための主体的な実践力の育成が図られてきました。大学等においても、同和問題をはじめとする人権問題の講座が設けられるなど、人権に関する学習が進められてきました。
 しかし、いじめや不登校、差別事象の発生など、子どもの人権にかかわる課題が多く存在しています。また、子どもが、人権や差別についての正しい理解とそれに基づく行動力を十分に身に付けているとは言いがたい状況にあります。
 こうした状況から、学校においては、同和教育の成果を生かしながら、幼児児童生徒自らが人権について考え、生活のなかから問題を見つけ、それを解決しようとする力を養えるようにすることが大切です。また、国際化の進む現在にあって、多様な国籍、民族の人々の人権を大切にする意識を培うことも必要です。
 こうした取り組みを進めるため、教職員は、人権教育の推進に果たす役割の重要性を自覚し、自ら研修に努めるとともに、学校及び県・市町村教育委員会においても、研修の機会を計画的に確保する必要があります。
(3)具体的施策の方向
ア、すべての学校教育活動における人権教育の推進
 教科領域における人権学習はもちろん、学校のあらゆる教育活動において、幼児児童生徒の人権意識の育成に努めます。人権学習の指導に当たっては、生活の場をテーマとした体験・参加型学習を取り入れるなど、指導内容とその方法の改善・充実に努めます。また、一人ひとりの個性を認め、意欲を高める教育評価の創造に努めます。
イ、実践的研究を進めるための研究指定校と学習資料の提供
 人権教育を進めるために、これまでに構築されてきた研究体制を充実させ、実践的研究や調査研究を行う研究校等を指定するとともに、学校等における新たな教材の開発や各種資料の作成に努めます。
ウ、同和教育の成果を生かした人権教育の内容の充実
 同和教育のなかで培われた学習内容や手法を生かし、国籍、民族又は文化が異なる人々と共に生きるための多文化共生教育など、人権教育の内容の充実に努めます。また、すべての児童生徒の基礎学力の向上に努めるとともに、進路保障など、自己実現を支援します。
エ、教職員研修の計画的な推進
 教職員の意欲と関心を高め、指導者としての資質向上を図るため、本県の実情とさまざまな教育課題に応じた計画的な教職員研修を実施します。また、市町村や各学校における研修がさらに推進されるように、指導と支援に努めます。
オ、学校・家庭・地域社会の連携
 人権尊重の精神や態度は、幼いころの家庭教育に始まり、保育所・幼稚園、さらには小学校から高等学校にかけての教育、地域社会とのかかわりのなかで養われます。幼児児童生徒が、主体的・意欲的に人権について学習し、行動する力を培うため、開かれた学校という観点から見直しを図り、学校・家庭・地域社会が一体となった人権教育を推進します。
カ、大学等における人権教育の推進
 県立の大学・専門学校においては、人権に関する講義を充実するなど、人権教育の推進を図ります。その他の大学等においても、人権教育が進められるよう促します。

3 企業における人権教育の推進
(1)基本認識
 企業は、文化や社会生活の向上に大きな影響力を持っており、「豊かな社会づくりに貢献する」という社会的責任を担っています。また、企業に働く人自身も地域社会の一員であることから、企業とそこに働く人々は、差別のない職場づくりと人権を大切にした住みよい社会づくりに努め、地域社会と共存共栄することを大切にしなければなりません。
(2)現状と課題
 差別図書である「部落地名総監」を購入していた県内企業のあることが発覚したことを契機に、1977年(昭和52年)に、奈良県同和対策就職促進協議会を設置し、企業主及び公正採用選考人権啓発推進員(企業内同和問題研修推進員)を対象に研修会を実施してきました。また、1987年(昭和62年)には奈良県同和対策雇用センターを設置し、雇用指導員による企業に対する巡回指導を行うなど、人権についての啓発や指導に努めてきました。
 現在、企業においては、同和問題をはじめとした人権問題への取り組みとして、公正採用選考人権啓発推進員(企業内同和問題研修推進員)が中心となり、社内研修会の実施や人権啓発等の取り組みが進められています。また、市町村単位で、企業内同和教育推進協議会も組織されており、それぞれの市町村同和教育推進協議会と連携をしながら、同和問題の解決を目指した企業内啓発や就職の機会均等を図るための研修会の実施、研修教材の提供等の取り組みが行われています。
 しかしながら、依然として職場内での差別事象や採用選考時の統一応募用紙趣旨違反などが発生しており、企業における一層の人権教育の取り組みが必要となっています。
(3)具体的施策の方向
ア、企業内の推進体制の充実
 企業主が人権教育の重要性を理解し認識を深めるよう指導し、公正採用選考人権啓発推進員(企業内同和問題研修推進員)選任企業の増加に努めるとともに、同推進員が研修に取り組める体制が整備されるように指導していきます。また、企業としての社会的責任の自覚の高揚を図るため、研修会の開催や雇用指導員による巡回指導の充実にも努めます。
イ、企業内の人権教育の推進
 公正採用選考人権啓発推進員(企業内同和問題研修推進員)が社内研修を実施しやすいように、研修内容や方法等を指導するとともに、講師の紹介、研修教材としての啓発冊子等の作成・配布などの支援に努めます。また、推進員等に対する研修の充実も図ります。
ウ、企業相互による人権教育推進のための組織づくり
 奈良県同和対策就職促進協議会、市町村企業内同和教育推進協議会等との連携を図り、企業における人権教育の取り組みを促します。企業内同和教育推進協議会が未設置の町村に対しては、その設置を要請していきます。
エ、就職の機会均等の確保
 同和地区の人々や女性、高齢者、障害者、外国人、HIV感染者等、アイヌの人々、刑を終えて出所した人などすべての人々の就職の機会均等を確保するため、公正な採用選考システムの確立が図られるように、企業に対して指導・啓発を行います。

  4 特定の職業に従事する者に対する人権教育の推進
 次に掲げ者は、特に人権の擁護に努めなければならない職業に従事しており、研修等による人権教育を積極的に推進する必要があります。
(1)公務員
 全体の奉仕者である公務員は、憲法の基本理念の一つである基本的人権の尊重を行政施策を通じて具体化するという職務を担っています。一人ひとりが公務員としての自覚と使命感を持ち、常に人権を尊重して職務の遂行に努めなければなりません。このため、あらゆる人権問題に対する正しい理解と職務の遂行に努めなければなりません。このため、あらゆる人権問題に対する正しい理解と認識を深めるとともに、差別を見抜き差別を許さず、積極的に人権問題の解決に取り組む判断力と実践力を習得するための効果的な研修が必要です。
 県の職員研修では、新規採用者から管理・監督者に至るまでのすべての階層で、同和問題をはじめとする人権問題についての研修を段階的に実施していきます。特に、各職場での自主研修の活性化とリーダーの養成を目的とする職場研修や指導者養成研修においては、研修修了者が中心となって職場研修が行われるよう、討議、ディベート、現地研修等の参加型の研修技法を取り入れ、内容の充実を図っています。
 今後においても、時代の変化を考慮し、適宜研修内容の見直しを図り、体験・参加型学習を一層取り入れるなど、研修方法に工夫を加えつつ、体系的な職員研修を実施します。また、職員研修所における研修機材や教材を整備し、各職場での研修が活発に行われるよう積極的に貸し出すとともに、関係機関、民間団体が実施する講座への職員の参加や人権教育を推進する内部講師の養成に努めます。
(2)教職員
 教職員は、学校における教育活動を直接担い、幼児児童生徒の成長発達に大きな影響を与える立場にあり、本県における同和教育の推進に重要な役割を果たしてきました。その成果を生かし、人権を尊重した学校教育を実施するための知識や技術の向上に努めることはもとより、自分の生き方にかかわる課題として人権感覚の向上努める必要があります。また、教職に携わる者としての社会的な役割を自覚し、PTA活動や地域の取り組みに積極的に参加するなど人権が尊重される社会づくりにも貢献しなければなりません。
 そのため、県立教育研究所においては、校長・教頭同和教育研修講座をはじめ、5か年、10か年、15か年、20か年の節目の研修、同和教育実践講座など系統的な研修を実施し、教職員が人権に対する認識を深め、人権を尊重した学校教育を実践できるように努めています。また、県及び市町村教育委員会の関係課においても、それぞれの課題をテーマとした人権に関する研修会を設定し、実施しています。
 学校においては、現在、いじめなど幼児児童生徒の人権にかかわる教育課題が生じています。これらの課題の解決を図るとともに、同和教育の成果を生かしながら人権教育を推進するため、教職員の資質の一層の向上が求められています。そのため、カウンセリングマインド(相手の訴えをありのまま受け止め、その背後にある気持ちに耳を傾けていくという姿勢・態度)の育成を図るとともに、体験・参加型学習を取り入れた職場研修の実施等、研修の充実を図ります。また、関係機関や民間団体の研修との連携など、職員研修の充実に努めます。
(3)警察職員
 警察は、公共の安全と秩序の維持という責務の遂行のため、犯罪行為を行おうとする者に対し実力を行使して強制的に阻止するなど、国民の権利・自由を制限する活動を行うこともできます。この警察の権限行使は、あくまでも法律で定められた範囲内で、濫用することなく、かつ、必要な限度を越えないように行われなければなりません。
 警察活動に当たっては、被疑者の人権尊重について、警察学校での初任科教養時に憲法や刑事訴訟法などの講義を通じて学習しているのをはじめ、職場における日常的な教養を通じ身に付けるよう努めています。一方、被害者には、直接的な被害の回復や軽減を図るだけでなく、精神的な被害等の二次的被害をなくすように努めています。また、少年の非行防止、健全育成等の少年問題について、婦人少年補導員にカウンセリング研修を受講させるなど、相談体制の充実も図っています。
 今後とも、「警察職員の信条」に基づく職業倫理教養を徹底し、適切な市民応接の推進に努めるとともに、初任科教養における人権教育やボランティア体験研修の実施、警察学校及び職場においての職員全体の人権意識の高揚を図るための研修会の開催等、施策の推進に努めます。
(4)医療・保健関係者
 医師、歯科医師、薬剤師、看護婦・士、保健婦・士、その他医療技術者等あらゆる医療・保健従事者は、人々の健康と命を守ることを使命とし、さまざまな疾病の予防や治療、介護、相談業務を担っています。業務の遂行に当たっては、患者や要介護者の人権を尊重するとともに、プライバシーへの配慮や病歴等診療情報の保護に努めるなど、人権意識に根ざした行動が求められています。
 また、近年の科学・医療技術の発達に伴い、遺伝子治療や臓器移植などの高度先進医療においては、新たな人権問題が発生することも憂慮されます。
 このため、職員の採用時の研修や職場研修などで、接遇研修や同和問題など人権にかかわる研修を実施し、医療・保健従事者の人権意識の高揚に努めているほか、県立医科大学においては、生命倫理にかかわる問題を討議するため「医の倫理委員会」を設置し、治療研究等の実施計画を医学的・倫理的及び社会的な観点から審査するなど、生命の尊厳を守るよう努めています。
 今後においては、すべての保健・医療機関に従事する者が、人権の重要性をさらに認識し、患者の立場に立った適切な処置を図るよう、人権意識の高揚を図るためにカリキュラムを新たに加えるなど、関係機関・団体と連携し、研修の充実に努めます。医療現場においては、インフォームドコンセント(医療内容について十分な説明を受けた後での患者の同意・承認)の徹底を図るため、職場研修を充実するほか、人権意識高揚のための組織を設置又は拡充するよう働きかけます。
 県立医科大学、看護学校等医療関係者の養成機関で実施している人権に関する特別講義については、これを拡充するほか、医師の卒業教育として行われる臨床研修において人権意識の高揚に努めるなど、人権教育の推進を図ります。病気に対する社会的な偏見や差別をなくすため、県立医科大学の医療機能を活用したり、専門医等による公開講座を開催するなど、正しい知識の普及にも努めます。
(5)福祉関係者
 福祉事務所職員や民生委員・児童委員、身体障害者・精神薄弱者相談員、社会福祉施設職員、社会福祉協議会職員、ホームヘルパーその他社会福祉関係事業に従事する者は、高齢者や障害者をはじめさまざまな人々の生活相談や身体介護などに直接携わっています。そのため、職務の遂行に当たっては、人間の尊厳と個人の身上に関する秘密を守るなど、人権意識に立脚した判断力と行動力が求められます。
 こうした認識に立ち、民生委員・児童委員と保健所職員を対象にした同和問題研修会と同和保育研修会の実施をはじめ、社会福祉主事資格認定講習会や生活保護現業員研修会、ホームヘルパー現任研修会等のカリキュラムに同和問題研修を組み入れるなど、社会福祉関係事業従事者の人権意識の普及・高揚に努めています。
 今後、これらの研修会を、人権教育の視点からさらに充実させるとともに、社会福祉協議会等のホームヘルパー養成事業等に人権に関するカリキュラムを組み入れるよう指導するなど、人権教育の推進を図ります。市町村や社会福祉法人、福祉関係企業においても、社会福祉にかかわる業務に従事する者すべてが人権意識の高揚を図るため、各職場での人権教育が実施されるよう、助言・指導に努めます。
(6)消防職員
 消防職員は、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震の災害による被害を軽減するという、人権そのものの擁護を職務としており、緊急時はもとより、平時においても、社会の安寧秩序を保持し、公共の福祉の増進に努めなければなりません。
 市町村職員である消防職員の研修は、県消防学校と市町村で実施しています。県消防学校においては、採用後の初任科研修で同和問題研修を、役職研修や救助科等の専科教育で人権や倫理に関する研修をそれぞれカリキュラムとして組み入れてます。
 今後においては、県消防学校での人権についての学習機会の充実を図るとともに、市町村の取り組みも促していきます。
(7)マスメディア関係者
 情報化が進展する今日、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌等のマスメディアが社会情報の大部分を提供しており、人々の価値判断や意識形成に非常に大きな影響力を持っています。同和問題や女性問題、高齢者問題、障害者問題等をテーマとした記事や番組を独自に取り上げ、読者や視聴者の人権意識の高揚に役立つ取り組みが行われている一方、個人の名誉やプライバシーを侵害したり、あるいは、偏見や差別を助長しかねない報道も時には見受けられます。マスメディアは、人権を守る有効な啓発手段であると同時に、人権を侵害する危険性もはらんでいるといえます。
 マスメディアは正確な情報を国民に提供するという公共使命を踏まえ、人権尊重の視点に立脚した取材活動や紙面・番組の編集を行うように、社員及び関係者の人権教育を一層充実させる自主的な取り組みが期待されます。


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