写真集出版のご案内
Publication of Photograph



「序文」 葛城市長 山下和弥氏:

 「道」は地域と地域を結ぶもの。「道」は人と人をつなぐもの。「道」は過去から現在、そして未来へと続くもの。「竹内街道」は日本最古の官道にして、古より世界と山とを結び、多くの人々が往来するかけがえのない「道」。善きものも悪しきものも、ここを通ってもたらされ、そしていき去った。
 今回、椿本九美夫氏が自身の二作目となる写真集「竹内街道の四季」を出版されました。この中には椿本氏のフィルターを通した「竹内街道」を中心とした葛城市や周辺の情景が切り取られています。普段見過ごしている「わがまち」の思いがけないそこに見つける時、そこには心が温かくなるような出会いが待っています。「竹内街道」を通ってもたらされたもの、大事にしてきたもの、忘れ去られようとしているものとの再会を、どうぞお楽しみください。そして、その楽しみが、この写真集を手にとっておられるあなたに、椿本氏の間に続く「縁」という「道」になりますように。

定価: 2,800円+消費税

問い合わせ先: 東方出版 TEL06-6779-9571 FAX06-6779-9573、または椿本歯科医院 kumio@tsubakimoto-dental.com







「まえがき」:

 竹内街道は堺市の大小路から河内平野を東に向かい、松原市、羽曳野市、大阪府太子町を通り、竹内峠を越えて奈良県當麻町の長尾神社へ至る約30キロメートルの街道である。この街道は「日本書紀」に推古天皇21年(613)「難波より京に至る大道を置く」と記載された、我が国最古の国道である「大道」のルートと大部分が重なっている。飛鳥時代、中国や朝鮮半島のすぐれた技術や文化は、この街道を通じて難波(大阪)から飛鳥の京にへ伝えられ、我が国から大陸との交流をめざした遣隋使や遣唐使もこの街道を利用した。
 この街道の大阪府と奈良県の県境の北側に雄岳と雌岳からなる二上山がある。万葉のむかし「ふたかみやま」と呼ばれたこの山は、飛鳥の京からみて太陽が沈む西の果てにあることから死霊の鎮まる神聖な山であり、この山の向こうに極楽浄土の世界があると考えられたため、河内磯長の地に多くの墳墓が造られた。我が国最初のこの国道は、「外交の道」というほかに、飛鳥の京で政治をした人々の「葬送の道」でもあった。山麓の當麻寺について正確な記録は残されていないが、大和における最後の儀礼の場であったと思われる。
 このように栄えた街道も、都が奈良の平城京に遷されると衰えるが、自治都市・堺が栄えた中世末には、堺と大和を結ぶ「経済の道」として再び脚光をあび、江戸時代には西国巡礼や伊勢詣、山上参りの「宗教の道」としての意味をもつようになった。松尾芭蕉が訪れたのもこの時代の事であった。
 平成7年には国から「歴史国道」に選定され保存と整備が進められている。しかし、この歴史の里にも開発の波がおしよせ、のどかな田園風景や歴史の香りは徐々に失われつつある。幼少年期を竹内で暮らした司馬遼太郎氏はその著書「街道をゆく」で「葛城をあおぐ場所は、長尾村の北端であることがのぞましい」と述べている。現在そのような場所を見出す事は難しい。
 この写真集は最近10数年間における「竹内街道・當麻路」の一断面にすぎないが、ご高覧いただければ幸いである。

定価: 3,500円+消費税

問い合わせ先: 鞄本写真企画 TEL03-3551-2643 FAX03-3551-2370、または椿本歯科医院 kumio@tsubakimoto-dental.com




ホームページへ