可視総合光線治療

可視光線療法とは?



 ●太陽のめぐみ
古来より私たちは太陽光線の治療効果を経験的に知っており日光浴は
病気治療の一つの手段となっていました。 近年では人体に及ぼす光の
影響についての科学的解明が進んでおり、例えば、くる病の原因が日
照不足であること(日照不足→ビタミンD不足→カルシウム不足→くる
病)や、ホルモン分泌への影響(月経や性衝動の減退)、自律神経や
精神活動への影響(日照時間が短い季節のうつ病症状など)はよく
知られたところです。
すなわち、人間は水(食物)や空気を必要とするのと同じく、元来、
光(太陽)を必要としているのです 


 ●可視総合光線 
太陽光線のように、赤外線、可視光線、紫外線の全ての波長を連続的に
含んだ光を「可視総合光線」と呼んでいます。光はそれぞれの波長ごとに
人体への効果が異なります。赤外線治療や紫外線治療など特定の波長
のみを取り出して治療に使う方法も広く使われていますが、人間に本来
備わっている自然治癒能力を増進させる目的においては可視総合光線が
最も適しているといえます。ここでとり上げる可視総合光線は、治療用カー
ボン電極をアーク放電させて得られるカーボンアーク光を光源としています。
カーボンアーク光は太陽光と同じ連続光でありながら、人体に有害と言わ
れる短波長の紫外線を含まない「人にやさしい光」です。
本治療法はカーボンアーク光を適切に人体に照射することにより、免疫力
を高めて人が本来持つ自然治癒能力を増進させ、健康増進や病気の症状
を回復・軽減させようとするものです。
光照射の作用メカニズムが科学的に解明されている傷病については万人
への効果が期待できるといえます。一方、個人の体質によって効果に差が
見られる場合もあります。このことは現代医学の主流を占める西洋医学に
おいても同じです。しかし、可視総合光線療法はさまざまな傷病でお悩み
の方々に一つの解決策を提供しているのは間違いありません。 


 ●5つの特徴

先に説明しましたように、可視総合光線では光の波長ごとにそれぞれ
違った作用効果を持っています。それに着目して、可視総合光線療法
の特長を大ぐくりにまとめて示します。
  (財)光線研究所 所長 医学博士 黒田一明著「可視総合光線療法 
                               理論と治験より抜粋」   

 @光化学作用  
光化学作用とは青〜紫外領域の波長を持つ光を照射したとき、生体内の
化学物質が別の化学物質に変換される作用をいいます。
その代表的な例としてはビタミンDの生成が挙げられます。 


   【ビタミンDの生成】

皮膚に存在する7−デヒドロコレステロールは紫外線を受けると
ビタミンDに変換されます。
ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収・代謝に基づく細胞機能の恒常性
を維持するために重要な働きをしています。ビタミンDは経口摂取も可能
ですが、光照射によって生成したビタミンDのほうが体内滞留時間が長く、
効果の持続性も強いことが知られています。
ビタミンD生成および関連するカルシウム代謝に関連して以下の効果が
期待されます。
 
   ・骨軟化症、骨粗しょう症、変形性関節症の治療と予防
   ・アトピー性皮膚炎、花粉症の治療と予防
   ・動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病の治療と予防
   ・くる病の治療と予防
   ・角化細胞の増殖抑制(尋常性感染、魚の目、たこ)の治療と予防
   ・インスリンの分泌調節(高血糖、糖尿病)の治療と予防
   ・免疫調節効果による種々の免疫異常性疾患の治療と予防
   ・副腎皮質ホルモンの分泌促進効果による筋力・運動機能の向上。
    虚弱体質の改善
   ・発がん抑制作用(がん、腫瘍) 


   【その他の効果】

皮膚に存在するヒスチジンは紫外線を受けるとヒスタミンやヒスタミン様物質に変換されます。
ヒスタミンには胃液や消化液の分泌、調節効果、末梢血管の拡張作用
(血圧上昇の抑制)があります。また、血中に増加した油性ビリルビン
は青色領域の光を受けると水溶性に変換されます。
これは新生児の重症黄疸の治療にも適用されています。 



 A殺菌作用 
紫外線はエネルギーの高い光でありそれ自体が殺菌作用を有しています
が、白血球を活性化(遊走能、食菌能の強化)する働きがあり感染防御
機能を増進する効果があります。

   殺菌作用に関連して以下のような効果が期待されます。
   ・風邪、気管支炎などの感染症の治療と予防
   ・外傷、手術創、やけどなど創傷部の治療
   ・アトピー性皮膚炎などの皮膚病における細菌の二次感染の予防
   ・扁桃炎、中耳炎などの感染の治療と予防
   ・ニキビの感染予防
   ・痔核、痔ろうの細菌感染の予防



 B生体リズムの調整 
可視光線は眼から網膜を経て、その刺激は脳の中心付近にある
松果体に作用し、メラトニン(松果体ホルモン)の分泌を調節します。
メラトニンは脳下垂体に作用し、生体リズム、からだの成熟、性腺の
周期的活動、高血圧、免疫機能、抗酸化作用など多くの機能に関与します。

   メラトニン分泌の改善に伴い以下のような効果が期待されます。
   ・時差ボケ、不眠症、季節性うつ病、痴呆症などの治療と予防
   ・メラトニンの降圧作用による高血圧の抑制
   ・メラトニンの脂質低下作用による心臓病の治療と予防
 


 C温熱作用

生体への浸透力の大きな長波長の可視線(赤色光線)と近赤外線は光線照射箇所の
血流を増加させ患部の血行を改善します。

   温熱作用により以下のような効果が期待されます。
   ・末梢神経の拡張による冷え性、ひび、あかぎれ、しもやけ、脱疽など
    の治療と予防
   ・冠状動脈の血行改善による心臓病の治療と予防
   ・末梢神経の拡張、心臓機能強化による高血圧症、低血圧症の
    治療と予防
   ・消化管の働きや消化機能の改善
   ・血行改善に伴う鎮痛作用(プロスタグランジンなどの痛み原因
    物質の除去作用)
   ・血行改善に伴う消炎作用




 D副作用の無い治療法

可視総合光線療法は適正な処置を行っている限り副作用がありません。
したがって、安心して他の治療法と併用できます。

   ※参考
   1 ガラス窓越しに机上に照る太陽光線中の紫外線量・・・20.0
   2 60ワットの電球を装用した電灯直下の紫外線量・・・10.0
   3 コウケントー(可視総合光線治療器)普通照射の紫外線量・・・6.0 
   以上の測定結果から無害であることがわかります。



《適応疾患》

○整形外科系疾患
 肩こり、頚肩腕症候群、頚部脊椎証、五十肩、脊椎疾患、腰椎症、変形性膝関節炎、関節リウマチ、
 変形性股関節症、三叉神経痛、坐骨神経痛、椎間板ヘルニア

○皮膚科系疾患
 帯状疱疹、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、水虫、褥創、円形脱毛症、ひょう疽、火傷、強皮症、水虫、
 にきび、凍傷、脂漏症、白斑、象皮病、蕁麻疹、無毛症

○眼科系疾患
 眼精疲労、飛蚊症、白内障、色盲、近視・遠視・乱視、結膜炎、角膜炎、夜肓症、ものもらい、 緑内障、
 黒内障、眼底腫瘍、涙のう炎

○耳鼻咽喉科系疾患
 中耳炎、難聴、アレルギー性鼻炎(花粉症)、口内炎、めまい、耳下腺炎、鼓膜炎、舌癌、蓄膿症、
 急性・慢性鼻炎

○歯科系疾患
 歯槽膿漏、歯痛

○腎臓・泌尿生殖器科系疾患
 夜間頻尿、前立腺肥大、膀胱炎、慢性腎不全(尿毒症)、慢性糸球体腎炎、腎石症(腎結石)、
 インポテンツ、睾丸炎、尿道炎

○産科系疾患
 つわり、胎児の発育、妊娠腎、子癇、無痛分娩、子宮外妊娠

○婦人科系疾患
 月経困難症、不妊症、更年期障害、子宮癌、外陰部炎症、子宮内膜炎、子宮筋腫、卵巣のう腫、
 卵管炎、子宮後屈・子宮癒着、月経不順

○小児科系疾患
 小児の健康(虚弱児)、扁桃炎、夜驚症、百日咳、蛔虫、遺尿症、小児麻痺、はしか

○精神科系疾患
 うつ病、老人の不眠症

○循環器系疾患
 下肢の血行障害、高血圧・低血圧、不整脈、交感神経緊張、心臓病、動脈瘤・静脈瘤

○消化器系疾患
 胃・十二指腸潰瘍、胃下垂・胃アトニー、胃炎、胃癌、便秘、過敏性腸症候群、慢性膵炎、膵臓癌、
 腹膜炎、肝臓病、胆石症、食道狭窄症

○呼吸器系疾患
 肺炎、気管支喘息、慢性気管支炎、風邪、肺気腫、肺尖カタル、肋膜炎、肺結核、肺化膿症

○脳・神経系疾患
 顔面神経麻痺、頭痛、脳卒中後遺症(手足の麻痺)、自律神経失調症

○内分泌・代謝異常
 糖尿病、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、痛風、高脂血症

○自己免疫疾患
 膠原病

○難病の光線治療
 原爆症、心房中隔欠損、猿島肝炎、カネミ油症、ハンド・シュルレル・クリスチャン病、 先天性外骨腫症、
 脳虫症、ネフローゼ症候群、腰椎カリエス

※参考文献
 ・「可視総合光線療法 〜 遺伝と光線」(黒田保次郎 著)
 ・「可視総合光線療法 〜 理論と治験」(黒田一明 著)





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