五竜(2814m)・鹿島槍(2889m)・爺ヶ岳(2669.8m)縦走
H15年 9月12〜15日
参加       5名

突然、大粒の雨と烈風!
夕立?くらいに思っていたのが一向に止まず、唸る風にあわやポールが折れるのではと思えるほど一晩中テントが煽られ「その時はどうするの?」「小屋に行くしかない」とそこまで覚悟していたのに、今思えば悪夢のような、眠れぬ一夜が明けると… …

真っ白の朝が明けます。
風にガスが飛んで鹿島槍に雲が流れて、剱岳、立山が目覚めて山々の朝の顔です。
岩肌を黒く光らせ立ちはだかる鹿島槍北峰、切れ落ちて見えない八峰キレット、青空に吊尾根がくっきりとその双耳峰を描き南峰を過ぎると一転して優しくなだらかな快適尾根です。アルプスの雲の上にいる、それを実感できる、壊れないようそっと持って帰りたい「時間」でした。

13日 遠見尾根は長〜い  (アルプス平〜遠見尾根〜五竜山荘)

山麓のとおみ駅はカラフルなコスモスと香りたつラベンダーに彩られ、高原の風が吹き抜けます。
始発のテレキャビンは8時15分、いつにないゆったりとした山行の朝です。

大遠見から鹿島槍

山頂駅アルプス平まで10分の空中散歩、きれいに整地され植え分けられたお花畑から出発します。(お花はもう終わっています)
超大型台風の影響か雲厚めの天気模様です。

地蔵の頭から樹林の中に入り長い遠見尾根の急登が始まります。鹿島槍の展望良しという小遠見山ではガスで展望なく見えたつもりなんて言いながらも実は頭の中もガスで真っ白です。

大遠見山に着く頃だんだんガスが流れて双耳峰美しい鹿島槍が真正面に浮かびます。
明日、あの稜線を歩くと思うと胸の高鳴りを感じるのです。何度も色んな山域から朝に夕に眺めた鹿島槍が目前です。



五竜・白岳
行く手には鋭角の白岳と重なるように五竜岳が見えてきて青い空になり、今度は暑くなります。暑いの寒いのとゼイタクな話です。

この尾根は結構階段が多く、私個人的には山道の階段は苦手です。

白岳を上りきって稜線に出た所で突風に出合い飛ばされそうになり、後ろのIさんがザックを支えてくれようやく踏みとどまりました。唐松岳の整然とした様を撮りたくてカメラをかまえるのですが風のため静止出来ずフラフラ、またザックを支えてもらってやっとカメラにおさめます。

白岳から左に下り五竜山荘に到着します。テント場は小屋西側の斜面で風当たりがきつそうです。
今夜はモダン焼きとサラダ。宴半ばから雨音がして夕立か?くらいに思っていたのがだんだん激しく風も強く暴風雨になり、ザックはツェルトに入れる積りがツェルトを張る期を逃してしまい、6人用テントに大きなザック6個を片側に並べ頭と足を交互にし何とか寝る態勢にはなったのですがテントがつぶれるのではと恐怖でした。多分殆ど寝ていなかったと思います。
明日はどうなるのでしょう? この風雨では絶対に行けないし、眠れぬ恐怖の一夜を過ごします。

コースタイム
アルプス平 8:25→地蔵の頭 8:43→ニノ背髪 9:33→中遠見 10:13→大遠見 10:48→西遠見 11:34→五竜山荘 13:35

14日 白い朝 (山荘〜五竜岳〜鹿島槍〜冷池山荘テント場)

4時半起床。ようやく雨はあがり、風もやや弱まって白い朝です。小屋の天気予報は晴れ時々霧、午前中一時雨。
五竜岳に向け出発します。山頂もガスの中です。山頂を後にしていよいよ後立山連峰の核心部とも言える岩峰の稜線を行きます。
砂礫の急斜面から岩場、鎖場、ロープと続くのですが、風がある分ガスが早く流れて雲が多いながらも切れ間には青い空が見え天気は間違いなく快方に向っています。
鹿島槍がヴェールを脱ぐようにくっきりと双耳峰を見せて、淡いブルーの空に立山連峰も目覚めます。

剱・立山連峰

「オーゥ!!!」「わぁー!!!」誰、言うともなく感嘆の声です。素晴らしい!!昨夜の暴風雨を思うと天と地?
雲に浮かんで、雲湧いて、ガスが流れて、フィルムを見るような動きのある展望です。雲厚め、というのもとても良いものです。再認識しました。
五竜から岩の悪場、はしご、ロープの岩峰をアップダウンし展望の良い北尾根の頭を通過して口ノ沢の最低鞍部に出ます。
振り返ると朝、ガスの中だった五竜岳が青い空に堂々とそのダイナイックな姿を現し、足跡を残してきた岩尾根が連なります。

北峰への上り行く手には鹿島槍北峰への岩稜が鋭く大きくそびえてチョットため息、でも気合を入れます。
鹿島槍は指呼の間ですがその前にコース中の最難所、八峰キレットがあります。
キレット小屋で一息いれ、岩場にとりつきます。急登、急下降、長いハシゴ、鎖が続き三点確保を忠実に守ります。




 キレット小屋

キレットはさすがに大きく深く切れ落ちて、覗くと背に冷たいものが走りますが、慎重に下り、岩壁を伝い無事通過です。
八峰キレットを下る
あとは苦しい最後の上りあるのみです。
吊り尾根分岐から北峰をピストン、続いて南峰へ、どこから見ても美しい北峰と南峰を結ぶ稜線です。
でももう上りは結構ですと足が言っています。









南峰を過ぎると一転して広々としてなだらかな明るい稜線の下りになります。後から「空気がうまい!!!」の声!
思いっきり深呼吸して、体中にこの美味しい空気をいっぱいみなぎらせたいと心底そう思います。

南峰を過ぎて




布引岳からは爺ヶ岳が大きく、その裾に赤い屋根の種池山荘が小さく見えて絵本の1ページを見るようです。
ずっと岩峰の急登や急下降、キレット越え、と岩を這ってよじ登るような緊張の縦走から、なだらかな、優しい下りになりきっと皆の気持ちもほのぼのとリラックスしていることでしょう。
ハイマツと赤い実をつけたナナカマドの灌木帯に入りお花畑を過ぎて、冷池山荘テント場につきます。
(冷池山荘は改築のため宿泊は出来ませんが、テントはOKです)
夕食はちらし寿司、麻婆ビーフン、お味噌汁、昨夜の寝不足を取り戻すべく早めに休みます。

コースタイム
山荘 6:15→五竜岳 7:08→北尾根の頭 9:10→口沢ノコル 9:30→キレット小屋 10:25⇔10:45→吊尾根分岐 12:10→鹿島槍北峰 12:16→南峰 13:05→布引山 14:03→テント場 14:55

15日 縦走を終えて (テント場〜爺ヶ岳〜種池山荘〜扇沢)

冷池テン場から

5時30分 日の出を見て出発します。
朝もやの中で剱、立山が浮かび、ブロッケン現象も見られてしばらく立ち止まって楽しみます。気温6度と風ではじっとしているとかなり寒いです。またガスが上がってきて爺ヶ岳は通過、種池山荘まで下りジャンボタクシーを予約します。(五竜テレキャビンの駐車場へ車回収のため 約¥12000)
懐かしい針の木岳雪渓とコマクサいっぱいだった大きな蓮華岳をずっと見ながら柏原新道を下ります。
3連休最後の日なのに、たくさんの登山者と出会い爺ヶ岳、鹿島槍の人気の程がうかがえます。

今夏、白馬〜唐松縦走とこの五竜〜爺の縦走が出来て後立山連峰は白馬〜針の木まで歩いたことになります。
そう思って見る稜線はまたひとしおの感慨があり愛着があり、私の宝物はどんどん増えていくのです。

コースタイム
テント場 5:30→冷池山荘 5:45→爺ヶ岳下 7:04→種池山荘 7:35⇔8:00→扇沢登山口 10:10

画像一部 軟弱さん提供