白馬三山〜唐松岳縦走
H15年8月4〜7日
参加 4名

5日 猿倉〜白馬岳〜白馬山荘 (泊) |
コースタイム
猿倉P 5:25→白馬尻小屋 6:20→頂上宿舎 11:10→白馬山荘 11:40 (山頂ピストン30分)
大雪渓とお花畑と大きな白馬三山に大きな天狗の頭、岩稜のキレット不帰の嶮から端整な姿の唐松岳への縦走は私の中ではかなり気になる稜線でした。
夏山を考える時いつも思いながら実現ならず、今年こそと念願かなって2度目の白馬岳に臨みます。
平日とは言え、猿倉から入る人気の大雪渓は雪がもう白くないくらい大勢の人で踏まれています。
白馬尻小屋までのアプローチから大雪渓に取り付きますが7月末の豪雨でかなり崩れて中央はクレバスと化して水が流れています。雪渓上はまるで冷蔵庫の中で、歩くと暑いのだけれど休むとすぐに体が冷えて指先がとても冷たく手袋は離せません。
時々ゴォーという何かが崩れるような流れるような音が不気味に聞こえますが、遠くで雪が崩れ落ちて流れ落石もしているようです。これがもっと近かったり、どんどん近づいてきたら怖いでしょうね・・・ちょっと恐怖でした。
大雪渓を過ぎたところで大粒の雨に見舞われ急いで雨具、カバーなどをつけている間にもかなり濡れてしまいました。
小1時間ほどで雨は上がりあとは信じられないくらいのコバルトブルーの空になり、いったいあれは何だったの?
雪渓を過ぎるといよいよお花畑、シナノキンバイの黄色の斜面、おなじみのハクサンフウロ、テガタチドリ、イブキトラノオ、ミヤマオダマキなどなど大展開です。
頂上小屋付近も花盛りでこのあたりではウルップソウもたくさん見られます。
この後青空だったり、ガスがかかったりを繰り返します。
山荘で宿泊手続きを済ませて山頂へ、風が強いので先ほどの濡れた雨具を着て行くとうまく乾きそうです。
山頂までもずっとお花畑は続きますが保護のためロープがしっかり張られています。(何年か前に来た時は確かロープなどはなかった)
ガスのため展望なし、山頂に心残して、明日に期待して山荘へ戻ります。
小屋前の旭岳に深紅の夕陽がゆっくり落ちて、空いっぱいに茜色の余韻を残し一日が終わりを告げます。

6日 白馬山荘〜杓子岳〜白馬鑓〜天狗の頭〜不帰の嶮〜唐松岳〜唐松山荘 (泊)
コースタイム
山荘 5:45→杓子岳 7:05→鑓ヶ岳 8:25⇔8:45→天狗荘 9:23→天狗の頭 9:58→天狗の大下り 11:30→不帰の嶮一峰 11:43→ニ峰 12:45⇔13:00→唐松岳 13:35(休憩)→唐松山荘 14:08
杓子、鑓が朝日を受けて目覚めます。
昨日は見えなかった剱岳の雄姿、立山連峰がかなたに白く浮かんで、朝のパノラマの中へ出発します。
丸山を過ぎて杓子岳へのザレ場の上り、同じなら巻き道でなく稜線を歩きたいものと稜線伝いに山頂へ、運悪く山頂に着いた頃ガスになってしまい東側のスッパリ切れ落ちた絶壁を覗いて背筋がゾクッ!
誰かがこういう時ここへ1個石を落としたい誘惑にかられると言って失笑を買うのですが、それって悪魔のささやきにも似ていますね。
誘惑に負けてはいけません!!!
振り返れば風にガスが流れて少し首をかしげているような白馬岳、行く手にはおおきな鑓への上りが立ちはだかります。どこにもたくさんのお花が咲き本当に花の山を実感します。
鑓ヶ岳も360度の大展望のはずなのですが、どうも今日は山頂に立つとガスになるめぐり合わせのようです。雲の上に白馬の先が顔を出しシャッターチャンスを待ちますが叶いません。
山頂を後に岩屑のザクザクした道を下り、鑓温泉への道を分けます。
この分岐点の標示板に3:30分以降鑓温泉への下山禁止と書かれています。
お花の斜面を下って雪渓をトラバースして天狗平につきます。雪解けの美味しい水がふんだんに流れて喉をうるおします。
天狗の頭を上り天狗の大下りまでは緩やかな稜線で大きな白馬三山と難所不帰の嶮の間にあって最も気の抜けるところ、ピンクのコマクサが風に首をふるわせています。


そろそろこの縦走の核心部、天狗の大下りから不帰キレットにさしかかります。
大下りを慎重に下り、不帰の1峰で一息いれます。目前に2峰の岸壁が全く垂直にそそりたち、どこを上るの???って感じですが、よーく目を凝らすと大丈夫です。先客が小さく岩の間を縫って上っていますし途中休憩ポイントも見えています。連なる大きな岩峰の間にあって人間は小さな微々たる点にしか見えませんがそれでも人間の足でこの難所を1歩づつ越えることが出来るのですね。
小さな1歩の重みをズッシリと感じます。
ペンキマークもあり要所には鎖、はしごも整備され落ち着いて三点確保を守れば最難所といわれる2峰も怖くはありません。こんな急峻な岩場にもたくさんのお花が見られるのです。ゴツゴツの岩の間に咲く清楚で控えめのウスユキソウがひときわ印象的でした。
2峰は北と南の双耳峰になっています。この辺り天狗の頭以後は何の標識もありませんので、足跡を地図で確かめるしか出来ません。
少し下って3峰はもう唐松岳手前の3つの小さな岩峰(3峰のABCと言うらしい)です。
3峰を過ぎて唐松の山頂に立つと眼下に不帰のキレットが一目瞭然に広がり、これを越えて来たと思うとちょっと感激です。その先の白馬三山はガスって見えないのが残念ですが。
もうここを10分ほど下れば山荘なので心地よい風に吹かれて、気ままにゆっくりくつろぎます。私は鼻歌気分♪、メンバーの一人はウツラウツラしています。
長い縦走を終えあたりが夕闇に包まれてしまって、唐松岳に色を失った白い太陽が落ちて幻想の世界になります。
落日のシーンは何故かもの悲しい…です。
7日 唐松山荘〜八方尾根〜兎平
眠っているような雲海から朝一番の光があふれて今日は快晴。昨日の出発点白馬からの縦走路がはっきり手にとるように見えるのです。

朝陽に染まる不帰キレットが生々しく、誇らしげにその岩肌を光らせ、力強い堂々とした朝焼けの五竜岳に鹿島槍が重なり、遠見尾根がながく伸びて白い雲海の中へ消えていきます。
山が目覚めて静かな息吹を感じる時です。


八方尾根もお花の尾根です。次々にあらゆる花が競って咲き乱れ、もう秋の気配もそこここに感じられます。
蒼い八方池は白馬三山が写るところですが今日はさざ波がたって鮮明には写っていません。
この辺りはゴンドラを利用しての散策客、ファミリーが非常に多く、お花畑に歓喜の声しきりです。
木道で保護された周遊路を下りゴンドラに乗って八方へ、猿倉Pに駐車の車を回収して鄙びた露天風呂、お日向の湯で汗を流したら、もう白馬縦走路は時間にしてつい先程の事なのにとても遠くになってしまいました。