八ヶ岳は花いっぱい!
(硫黄岳2760m 横岳2829m 赤岳2899m 阿弥陀岳2805m)
H15年6月27〜29日
参加 4名

1日目 茅野駅〜(タクシー)桜平〜オーレン小屋泊 (雨と強風のため)
前夜、夜行列車で奈良を発って塩尻乗換え、始発の列車で茅野駅に着く。埼玉からの友と一年ぶりの再会、手を振ってすぐに構内にあるBOXに登山届けを出しタクシーに乗り込む。桜平までの車中で改めてゆっくり友と挨拶をする。変わらない友の姿に、昨夏一緒に歩いた北アルプスがつい昨日のことのように蘇える。
外は小雨…
桜平では梅雨空に今を盛りとオレンジ濃いレンゲツツジが目に鮮やか。激しくはないけれどすぐに止みそうもない空模様に雨具、スパッツをつけて出発する。雨を得て真っ白になって流れ落ちる沢沿いを夏沢鉱泉を過ぎてオーレン小屋に着く。
雨は止まず、白いガスに覆われ上空では風がうなっているようで気にかかる。当初の予定では赤岳山頂小屋泊だったが、それはとうてい無理で、せめて硫黄山荘までと、引き返すことも十分考えて管理人さんにその旨をお願いして夏沢峠をめざす。
夏沢峠までは樹林の中で風もさほど気にはならないが、峠を越えるとやはり風が吹き荒れて体が振られ、時々立ち止まって風を避けないといけないようになり、止む無く引き返す。
オーレン小屋に戻り熱いコーヒーをいただきストーブを囲んで、濡れた衣服など乾かしながら、明日のコースを検討する。
天気予報、晴れを信じて明日は3時30分起床、4時出発。コースは修正して後半の権現、編笠はcutして、硫黄、横、赤、阿弥陀から御小屋尾根を下ることに決まる。
小屋では桧の香りいっぱいの総桧風呂に入り、夕食はすき焼きに手作りの梅酒飲み放題。4人の個室で、昨夜の寝不足と程よくアルコールが効いて早い就寝。
雨、風、なお止まず…。
コース&タイム
桜平 7:17―夏沢鉱泉 7:43―オーレン小屋 8:35―夏沢峠 9:10−(硫黄岳に向かうが9:45引き返す)―オーレン小屋 10:16 (泊)
2日目 オーレン小屋〜硫黄岳〜横岳〜赤岳〜阿弥陀岳〜御小屋尾根〜美濃戸口〜茅野
携帯電話のベルが3時30分をきっかり告げる。早朝出発も皆、慣れたものですぐふとんをたたみ、昨夜の内にパッキングしたザックを持って玄関に出る。まだ蒼暗い空、ガスもなく、風も無く静かで今日は予報どおりの晴れ!心はもう稜線上に、お花畑に、翔けている。
3時56分、ヘッドランプをつけて出発する。
夏沢峠から硫黄岳の丸い姿が見えてきて、白み始めた空にピンクに染まる雲がたなびいて八ヶ岳の朝が始まろうとしている。
真っ白の雲海が曙色に変わって、光があふれて、あふれて青く白い朝になる。そして私はこの朝一番の光に一日のエネルギーをもらう。


雲海に浮かぶ天狗岳、遠い御岳、乗鞍、穂高とアルプスの秀峰が雲間から顔を出す。
稜線はお花畑、色とりどりに咲き競う。キバナシャクナゲ、タカネシオガマ、イワウメ、イワヒゲ、ハクサンイチゲ等など。
大きなケルンに導かれて、不気味な色の爆裂火口壁を見て、丸くなだらかな硫黄岳山頂に立つ。
朝陽に映える南八ヶ岳がパノラマ、大スクリーンに映し出される。今日の行程、横岳、赤岳、阿弥陀岳が清清しい朝の光の中で青くまぶしく見える。


横岳への稜線は風の名所、高山植物の宝庫。時にはすさまじい、荒れ狂う風にもなるとか、今日は芳しい初夏の風が吹き渡り、小さなお花たちが揺れてたわむれて語らう。初めて出会った紫のウルップソウ、オヤマノエンドウ、チョウノスケソウ、コマクサ、ヤツガタケキスミレ、どのお花も可憐で清楚で愛らしい。岩かげはすべてお花に埋め尽くされているといっても過言ではない。(この大ダルミ付近はロープで保護されている)
Mさんお目当ての、私も楽しみのツクモクサは遅かったようで会えず。

大ダルミからの鎖やはしごの上りも、手をかけるその先には必ずお花が咲いていてうれしくなる。横岳山頂は岩の重なる狭いピーク、一息入れて赤岳に備える。
天を突く主峰、赤岳へと続く1本の道はため息の出そうな急斜面、ぐ〜んと高く、さらに勇ましく迫ってくる。
今日の最大の上り、山頂小屋まで気合を入れて上り始める。
キツイ上りも次々に繰り広げられる花ものがたりに飽きることなく、疲れもなく、天望荘を過ぎ山頂小屋のある北峰を過ぎ、岩しょうに一等三角点と祠のある南峰に着く。


昨日の雨、風と打って変わって青い空と白い雲はもうすっかり夏の空、360度のほしいままの展望に酔いしれる。
今回予定して行けなかった権現、西岳、編笠はとても気にかかり、雲に浮かぶ白峰三山、富士山、振り返れば北八ヶ岳、そして歩いてきた硫黄の大きな姿、岩の稜線、長く伸びる尾根、岩かげに咲くお花……。
フツフツと湧き上がる感動に時を忘れる時間が容赦なく過ぎて行く。サヨナラが言えなくて未練いっぱいの心を持て余す。
阿弥陀岳も天にそびえる鋭鋒、急な岩場を下降してハイマツの小さなピーク中岳を過ぎると今日の最後の上りが高く大きく立ちはだかる。
泣いても、笑っても最後の上り、心に刻むように振り返り、立ち止まり、花に語る。
上りきると山頂はまたも360度の大展望で、今日の足跡をじっくり辿って感無量になる。

今日踏んだ4峰にはありがとう!
未踏の峰々にはいつかきっと!
咲き乱れいつも心を潤してくれたお花たちにはまた会いましょう!
のメッセージをおいて山頂を後にする。
急なザレ場を過ぎると、シラビソ、ダケカンバなどの明るい樹林になり斜度も緩く、林の樹かげにはイチヤクソウ、ゴゼンタチバナ、スズラン、マイズルソウと最後まで花に彩られて、御小屋尾根を下る。
ハードな岩稜、天を突く峰々、広大な展望、岩かげのお花、静寂の森。
さまざまな表情を見せてくれた私の初めての八ヶ岳は、花に包まれて思い出多い一ページとなる。
コース&タイム
オーレン小屋 3:56―夏沢峠 4:18―硫黄岳 5:15―横岳 6:25〜6:40―地蔵尾根分岐 7:35―天望荘 7:40―赤岳 8:28―中岳 9:23―行者小屋分岐 9:35―阿弥陀岳 10:06〜10:30―美濃戸口 13:24―(バス)茅野