餓 鬼 岳 2647m
(北アルプスの秘境)
H16年9月19〜20日
参加 2名

ダケカンバの黄葉が秋の始まりを静かに告げていました。
清流、滝、沢を離れると急登の連続、うっそうとした深い樹林、百曲がりの黄葉、
餓鬼岳は自然とまっすぐに向き合って心ゆくまで対話出来る、そんな山です。
名前の由来はガレ場が多いことからつけられたそうですが、初めて餓鬼の字を見た時は背筋がゾックとしたものでした。
名前からくるイメージとはまるで違う静かで、渋い山、北アの秘境とひそかに思っています。
私の好きな山の一つです。
20日 大町〜白沢登山口〜餓鬼岳小屋(泊)

白沢登山口から林道を少し進むと左手に登山道の標示があります。
沢沿いに小さな桟橋やはしごが付けられ流れを何度も横切りますがほとんど桟橋があるか桟道があって岩を飛んだりすることは無かったようです。水の流れが早く飛沫で岩も桟橋も道も濡れています。
何年か前に来た時より桟橋が新しくなっていたり、新たにつけられたり、よく整備されています。
その中でひときわ印象深い覚えのある桟橋に出会います。
前回いきなり足を滑らせて落ちて最後まで右足首が腫れていた橋です。
慎重に、今日は落ちません。

岩かげ、道にはたくさんのシラヒゲソウが咲いています。蕾の形が可愛いですね。
早朝の清流は冷気をふんだんにふりまき、しんしんと秋の訪れを肌に感じさせてくれます。
紅葉の滝、魚止めの滝を過ぎて最終水場につきます。ベンチがあり一息です。
この水場から沢を離れて急登が始まります。
緑濃い木から色付いた葉が見られ、やがてオレンジや黄色、赤に色相が変わり山頂に向かってすっかり秋の色をみなぎらせ心を癒してくれます。
息が切れる急登も季節の移ろいを楽しみながら・・・ですが・・・でも苦しい・・・きつい上りが続きます。今期初めて触れる秋がうれしいです。
ゴゼンタチバナは真っ赤な実、シラタマノキは白い実をたくさんつけてとてもかわいいです。
一面ダケカンバの黄葉、ジグザグの登りは百曲がりです。青い空が近づいてきました。

百曲がりから秋たけなわの山頂です。
餓鬼小屋まであと10分の表示!重い足でやっとたどり着いた小屋からは目の覚めるような、迫力ある剣ズリが裾をかのこ模様に染め分けそそり立っています。
思わず、わァーーーきれいーーー!
あとは言葉がありません。

小屋にザックを置いて空身で山頂へ、小屋から5分です。


山頂は360度の展望、先客の一人が先におりて2人じめです。裏銀座の山々がいっぱいに拡がり西側の燕岳方面はガスって、それを天を指す剣ズリがはっきり2分しています。
ブルーベリーに良く似たアサマブドウがたくさん実をつけて、つまんでみると柔らかく甘酸っぱいその果実は純粋に自然の味そのものです。
誰もいない山頂で自然の実を摘んだり(ごめんなさい)大きなアルプスを前にただ、ただ無心でいられるこの時間がたまらなく好きです。
秋の陽を背に受けて、私の後を音もなく静かに時が流れて行くのを感じていました。
冷たい秋風が体を吹きぬけました。
どの位の時がたったでしょうか?ふと我に返り「帰ろうか?」とどちらともなく言い出して。
コースタイム
白沢登山口 5:30→魚止めの滝 6:40→最終水場 7:15→大凪山 9:00→餓鬼岳小屋 12:00
登山口までのアクセス
京都ーー(夜行バス)ーー信濃大町ーー(タクシ)ーー白沢登山口
21日 小屋〜白沢登山口

小屋は連休の最終日で5人の宿泊ですが2人は個室だったので3人です。
夜中に風と雨音で何度か目覚め気になっていましたが、5時前起床、空模様はあまり芳しくありません。
風が音をたてて窓をたたいています。
小屋前から朝日を見ますが上空は暗雲に覆われどんどんガスがあがっています。

天気予報を確認します。午後はもっと悪くなり、さらに明日は雨の予報。
予定は今日唐沢岳をピストンして餓鬼岳小屋に連泊し、明日東沢乗越から中房温泉に下るはずだったのです。
唐沢岳へは前回も雨で行けず、2度目の計画でした。岩場の多い唐沢岳も明日の剣ズリから東沢岳への丸山新道も岩場、はしご、桟道と続きこれも私の好きなコースでした。
雨、風では無理を押して行くコースではないと判断して、このまま大町への下山を決めます。
小屋からタクシーを予約して心残りの下山でした。
昨日山頂から見た唐沢岳は手が届きそうだったのに、結果的には非常に遠い山になりました。
コースタイム
小屋 6:55→大凪山 8:30→最終水場 9:20→白沢登山口 10:55