南八ヶ岳
赤岳2899m〜権現岳2715m〜西岳2398m〜編笠山2524m
H16年8月15日〜18日
参加 2名

(赤岳山頂から右前方権現、編笠。遠景南アルプス、左後方富士山)
登山口までのアクセス
京都→(夜行高速バス)→韮崎→(JR中央本線)→小淵沢→(タクシー)→美しの森たかね荘登山口
昨年この縦走計画は雨のため止む無くコースを変更して、赤岳から阿弥陀岳を経て御小屋尾根を下り、赤岳以南はずっと気になる山稜でした。では、今年は真教寺尾根から赤岳、権現岳、西岳のピストン、編笠山から観音平へと計画しました。真教寺尾根の最後の長い岩場、長いくさりの連続、権現へのキレット越えと個人的には大変好きなコースでした。
美しの森〜牛首山〜赤岳
八ヶ岳の魅力は山はもちろん緑豊かな裾野にも多いにあると思っています。笹原、カラマツ、ダケカンバ、四季それぞれの色があってその美しい森と対照的な主峰赤岳、横岳の荒々しい岩峰には心魅かれてやまないものがあります。
小淵沢からタクシーで美しの森を経てたかね荘横から入ります。(最寄駅は清里ですが、接続が悪かったのでタクシーを使う¥6410)
明るい笹原とカラマツの森は名に違わない緑いっぱいの美しい癒しの森そのものです。
早朝の小淵沢駅からもう富士山と一緒!北岳と一緒!天空に大きく聳える赤岳を目指します。
羽衣の池を過ぎ、カラマツ林の緩い上りは爽やかです。


スキー場を過ぎると富士山の展望が額絵のような賽の河原につきます。関西人は日常見慣れない富士山には格別の思いがあるようですが、たなびく雲に浮かぶ富士山は誰が何と言っても美形です。

樹林帯を抜けると急登が始まります。
眼下に緑深い真教寺尾根、雲の上には富士山が、対面には権現岳が、天を指す天狗尾根が、見上げれば赤岳、竜頭峰の岩肌がどんどん近づいて迫ってきます。空は高く八つはもう秋の雲です。
山頂まで真っ青の空に向かって岩場が続き、鎖が連続します。それ以外には何もない!これは少々緊張しました。


手も足も疲れてきましたが最後のがんばり大きな竜頭峰を右に回り込み、岩伝いにたどれば赤岳山頂です。
大勢の人で賑わっています。360度遮るもののない雲上のパノラマです。
山頂に立つと北から南へ八ヶ岳の全貌が一望です。その先には南アの大きな山が控えています。あまりの心地良さに昨夜の寝不足もあって山頂でゆっくりくつろいでしまいました。


今日は赤岳頂上小屋泊り、食堂からは富士山の展望があり、とても贅沢な夕食をいただきました。比較的空いていて一人一枚のお布団にもまだ余裕があり寒いのでお隣の毛布も借ります。大部屋で20人以上は一緒だったように思いましたが、珍しく誰もイビキがないと言う静かな一夜でした。
コースタイム
登山口 8:10→賽の河原 9:10→牛首山 10:13→扇山 10:42→赤岳 13:38(頂上小屋泊)
赤岳〜権現岳〜青年小屋〜西岳ピストン
朝、窓の外は真っ白、窓をたたく風、天気予報は曇りのち雨で出来るだけ早い出発の方が良さそうです。
今日は八ヶ岳連峰中、最大の落差を持つキレット通過がありガイドブックでは先ず転落、滑落注意、鎖場、落石多し、急登下降、好展望とあらゆるマークがあり今回のコースではハイライトのはず、出来れば雨、風だけは避けたいところなのですが。
稜線に出ると風が音を立てて唸っています。風をやり過ごすところがなく重心を低くして避けます。ガスで先が見えないのも不安ですが、とりあえず足元に注意して慎重に下ります。ガスの中におぼろげに天狗尾根の大天狗、小天狗らしき光景が見えるのですが、小雨まじりのガスとあってはカメラも出せずとても残念です。
天狗尾根の頭をくさりとはしごで下ります。風に体が振られます。
下からの5人の若いパーティに出会いますが、テントと思える大きなザックが強風に振られて苦しそうです。
ここからはルンゼ状のザレ岩の下りです。浮石、落石に注意しペンキマークを外さないよう慎重に下ります。秋の花トウヤクリンドウが多く見られ、まだ可憐な花を残した小さなコマクサが風にゆれ、雨に打たれています。
岩から離れハイマツの稜線を下りきったところがキレット小屋、赤岳との標高差450m地点です。
少し上り返して赤岳展望がgoodな小ピーク、ツルネに、ここからは赤岳と天狗尾根のそそり立つ岩峰が絶景らしいです。
大好きな稜線の展望が今日は望めず残念ですが、この程度の雨風でまだ幸いかな?とも思えるし、こればかりは仕方ありません。
でもこのコースは絶対にもう一度挑戦したい、出来れば晴天に歩きたいコースです。
権現岳直下はまた岩場の急下降と転落、滑落注意の個所、長〜い、高〜い鉄はしごを四つん這いで上ります。途中で休憩したくなるほど長いはしごでした。
編笠山と三ツ頭の分岐に出て、1分で権現小屋、緊張の続いたキレットコースから離れて雨、風がまたきつくなってきたので小屋で一息入れます。入口にはボッカ中の札が出ていて無人の小屋で勝手に休憩させていただきました。
小屋から少し岩場の下りがあり、下りつつ???権現岳はどこに行ったのでしょう?(どこにも行かない!)
前方の展望がないのでよく分からないまま小屋の近くのはずと思いつつかなり下ってしまいました。あの三ツ頭分岐付近に違いないのですが。
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あとで偶然に(青年小屋で)権現岳小屋番のお兄さんに会って聞くと「バッカもの!今から行って来い!」と言われてしまいました。
分岐のところを三ツ頭方面へ1分の所だそうです。標識には何も書いてなかったのは確かですし、何も標示がなかったとムクレていたら、別のところに消えそうな字で三ツ頭方面へ1分と書いてあるのだそうです。
「権現を踏まないものは八つを語ることを認めない、今から行こう」と、大変ユカイなお兄さんでした。
それにしてもドジでした.
岩とハイマツ帯、樹林帯と下って広い草原状のところに出ると青年小屋です。ここもボッカ中で無人ですが、勝手に入らせてもらって(今日は予約を入れてあるので)濡れた衣服を着替え、火の気がなく暖かいものはありませんが取りあえずお腹を満たします。火が恋しいくらい大変寒いです。
ここまでのコースでは天狗の頭で5人の若者に出会っただけですが、小屋で休んでいると2人連れ、単独の方、家族連れと上ってこられ単独の方を除いては、観音平から編笠山の日帰りのようです。

小雨になったのを見計らって西岳へピストンします。西岳への源治新道は苔むす樹林の緩いアップダウンで全体的にはほとんど標高差なしです。山頂は南アの展望良しとなっています。夏の花はやや遅いですがたくさん咲いて楽しませてくれます。マツムシソウ、アキノキリンソウ、ウスユキソウ、ホタルブクロ、ミヤマオダマキ、イブキジャコウソウ、キバナイカリ、ハクサンフウロなど、山頂ではありませんが珍しい紅テングダケ(毒キノコ)も見ました。
小屋に戻るとボッカ中だった小屋番さんが出迎えて下さり、今日は多分3人だけですからと暖かい談話室でくつろがせていただきました。
一緒にボッカ中だった権現小屋のお兄さんとはここで出会った会話です。
ストーブ、コタツに火が入りお湯がシュンシュンと沸いて、夕食までもう一人の中年の方と山の話に花が咲きます。
雨は本降りになってきたようです。

青年小屋のステキな食堂です。今日は少人数なので暖かい談話室でat homeなおもてなしでした。
コースタイム
頂上小屋 6:15→キレット小屋 7:45→権現小屋 9:25→青年小屋 10:30(雨宿り休憩)12:05→西岳 12:52→青年小屋14:05
青年小屋〜編笠山〜観音平
昨夜の雨は強烈でまるで天の底が抜けたかと思えるほどでした。まさか山小屋が風で飛ぶとか雨に流されるなんてことはないだろうと思うけれど、今にもゴォーと地響きがしてどこかが崩れてくるのでは・・・と恐ろしくまた眠れない夜でした。朝までこんな調子だと先ず小屋を出られないし、止んだとしても下山道が滝のようになっていたらどうしよう等色々考えて眠れません。


ガスっていますが雨は殆ど止んでいます。朝食をいただいて出発します。小屋裏の巨岩が重なるゴーロをペンキマークを追って渡ります。ゴーロから樹林に入り少し上れば編笠山山頂です。山頂は風強く、雲の切れ間から青い空も覗き天気は回復の兆しです。


観音平への道をとります。樹林に入ると水を得た苔や草木が生き生きとしています。懸念した大雨の名残もなくここも広大な森がしっかり保水してくれているのでしょう。ただの1ヶ所も水があふれたり、流れたりする所はありませんでした。
小鳥達も目覚め、朝の挨拶をしてくれます。森の朝は別世界です。
観音平はササとカラマツ林で遊歩道も整備され散策も楽しめるようです。
町営の施設グリーンロッジがありここまでタクシーが入ります。
コースタイム
青年小屋 6:30→編笠山 6:56→雲海展望台 8:32→観音平 9:05
付録 小屋食です。
左 夕食 揚たてのアジフライ 具たくさんの豚汁 冷奴 野菜煮物 メロン オーナー手作りプチトマト
右 朝食 お味噌汁 スクランブルエッグ 海草サラダ 野菜煮物 オーナー手作りシュウマイ オレンジ
ここのお茶は大変美味しい緑茶でした(ティーバッグじゃなく茶葉です)
オーナーがお茶くらい美味しいのを飲んで下さいと多分オーナーがお茶好きなのでしょう。手作りのしゅうまいはバツグンに美味しかったです。それに加えて陶器の食器です。

