鉄山〜修覆山〜弥山〜頂仙岳
(1563m) (1846m) (1895m) (1717m)
H16年7月11日
参加 5名
弥山にはトンネル西口からのルートで何度かオオヤマレンゲの咲くこの時期に訪れている。
以来その潔癖なまでに白い花はずっと、ずっと心の中に咲き続けて欲しいといつも私は思っている。

鉄山ルートはいつか行きたいコースだったので、始発の電車にまだ眠い眼で乗り込む。
車1台を下山の熊渡にデポして大川口登山口から入る。橋を渡ってすぐ右の登山口には新しい看板が立てられ、「鉄山〜弥山のルートは一部のガイドブックでは最短コースと紹介されているが危険に付き入山禁止」となっている。
充分確認した上で、でも、でもルート経験者もいることだし・・・と。
←は登山口までの林道から見た鉄山、3つのコブになり地図によっては三塚山と書かれている。
樹林帯の急登から始まる。昨夜の雨で土が軟らかく水を含んで滑る、滑る。岩や木の根は尚滑る
小1時間ほどは急登に次ぐ急登で展望もなくひたすらの登り、幸い今日は気温が低くしのぎ易い。
しっとり森の香りと土の匂いに包まれて、私はこの雰囲気が好きで懐かしく心安らぐ。


笹原の明るい尾根に出ると、眼下に川迫川が白い帯のように横たわる。ガスがどんどん吹き上げて来て一瞬に山が見え隠れする。風が冷たくしばらく休んでいると寒くなって梅雨明け間近と言うのに秋風の様で早々に出立する。ガスの間に丸い鉄山がチラと、手が届きそうな近さに見えるけれど、この先はまだまだ手強いらしい。
笹原からは行者還岳、大普賢岳、稲村ヶ岳、バリゴヤの頭など大峰の名峰思いのままだが、生憎のガスで眼前は白いスクリーンしか見えず。


急坂がまだまだ続く、と言ってももうこのあたり登山道は木の根が絡み合って道というより木の根を踏んで歩くようになり、その間には枯葉が腐葉土のようになり踏むと沈んで揺れている。滑りそうになり、思わずつかんだ木が朽ちていて共倒れなんて、朝飯前といっても良いくらい皆体験したと思う。

倒木は朽ちて苔に覆われ、それは次世代を育てる大地の母にも見える。
長く伸びた巨木の根は複雑に絡み、立ち込めるガスが一層その表情を幻想的にする。急登をよじ登って手も足もドロドロになり、狭いピークの鉄山山頂に立つ。

修覆山へもヤセ尾根が続く。岩と木が絡む、苔が光る、倒木、一面のシダ、ガスがぼんやりかかりこの雰囲気に白いバイケイソウがよく似合う。途中また開けた笹原に出て、ここも大峰の絶好の展望と聞くが今日はその積りで頭に描くのみ。
テープが途切れがちになり、5人が眼を凝らして探す、Lが地形図とコンパスで方向を指示してくれる。
修覆山は標示板もなく、鉄山よりさらに狭いピークで展望もなく知らずに通り過ごしてしまいそうな所だが、Lが前回友人とGPSで確認していたので教えてもらう。
次は倒木帯になり、肥満者は通行不可のような細い樹が林立する中、立ち枯れが少し目立ってきて弥山が近いかなと思わせる。
ガスのため眼で確認することは出来ないが多分この先には弥山神社があるはずと言いつつ、木を跨いだり、くぐったり相変わらず格闘する。
その内、遠からず発電機の音が耳に届き弥山小屋も近いと眼をこらすとすぐ前に小屋の屋根がボンヤリ浮かんでいる。
オオヤマレンゲの時期とあって小屋前では今日始めて大勢の人に出会う。(多分トンネル西口からのルートはいっぱいだったのでは?)
狼平へと急ぐ、まだ残っているかも知れない清らかなオオヤマレンゲの花に早く会いたい!
単調な木道の下りに飽きた頃ようやく狼平に着く、覚えのあるオオヤマレンゲの下に急ぐ。
真っ白のオオヤマレンゲが数輪微笑んでいる!良かった!今年も会えた!

昼食を済ませて下山にかかると何故か急に足が重くなる。鉄山、修覆山とピークを踏み、原始の漂う尾根を心ゆくまで楽しみ、オオヤマレンゲに会い、後は下るのみ・・・と思うと途端に足が重くなるのだろうか?
前を行くLも後を歩くDさんからも同じ言葉が聞こえる。
その時Lがやにわに「頂仙岳に登りたくない?」 即「ハァーイ!」と挙手する私。
弥山からいつも間近に目にする際立つ三角形の頂仙岳は、まだ登ったことがなく下山の楽しみになる。
弥山川にかかる橋を渡り栃尾辻方面への道をとり、頂仙岳へは明確な標示はなくこのあたりと見当をつけて道なき道の一気登りをしてしまう。

わずか10分ほどの登りで山頂に立つことが出来、ここには小さな山名板がありしっかりカメラに収める。下りはやや北方向に少し踏み後とテープが2・3あって元の下山道に合流する。
時々陽もさすようになり、木の葉を輝かせるこもれびが柔らかく注ぎ、ブナの美林を快適に下る。

途中からルートを右にとり、広い斜面を下り、やがてブナの林から植林帯に変わる。白川八丁の白い砂が目にまぶしく沢音がだんだん近づいて熊渡へと下る。
弥山以外は始めてのルートで、あまり人の入らない、山がそのままの姿をたくさん残している深い大峰に久々に触れた気がする。
胸いっぱいに詰め込んだ森の香りは明日からの私の糧となる。
コースタイム
大川口登山口 7:45→鉄山 9:37→修覆山 11:05→弥山 11:55→狼平 12:35⇔13:05→頂仙岳 13:42→熊渡林道 15:30