白の幻想 大普賢岳
H17年2月19日〜20日
幻想の華咲く、白いアーチをくぐればその先はどこに続くのでしょう?雪の妖精たちに会えるのでしょうか?
そんな気がして迷い込みたい幻想の白い世界でした。

前夜の和佐又キャンプ場は雨になり雪がとけて水と雪でグチャグチャ状態、どこでテント張ろうかと物色していましたが、上にオートキャンプ場があり屋根のある炊事場があるからそこが良いだろうと、一人630円を追加してオートキャンプ場へと移動します。(水場、東屋、トイレあり、但し冬期は水は出ません)今夜はギョーザ、豚汁おそば入り(これはなかなかイケました)お寿司です。
夜半猛烈な風音、雪がテントに当たる音と不安でしたが・・・一夜明けると青い空とはいきませんが曇りながら明るい兆しでほんのり朝焼けの空を見ます。
雪の大普賢は厳しいけれど好き!です。たっぷりの雪に出会いたい、でも山頂にも立ちたい、で気合を入れて出発します。

和佐又キャンプ場から大普賢のピストンで私のお気に入りの個所がいくつかあります。
先ず和佐又のコルからしばらく続くブナとヒメシャラの林、どの季節もとても雰囲気の良い美林です。ここはルンルン気分で通過、大岩壁の裾を巻き笙の窟で一息入れます。いつもここで休憩させてもらいますがそのわりには一度もお参りしていないことに気づきました。そう言いつつもまだ行動食をほお張っています。
さてここからが正念場、気を引き締めて、と自分に言い聞かせます。トレースが細いので足を踏み外さないよう慎重に、後からピッケルは山側に、谷側の足を開いて歩くように、とリーダーの声。日本岳の稜線に出る直前で最初の急登(と思う)があり、先ずピッケルのトレーニング、この先かなりピッケルのお世話になりそうです。

日本岳のコルに出たところでアイゼンをつけます。石の鼻までにいくつかの梯子、鎖を通過します。
梯子は半分以上雪に埋まっていたり、鎖も埋まって凍りついていたり、ピッケルがきかなかったりしますが急斜面はキックステップで足場を確保、アイゼンの前爪を使うなどリーダーの指導があり緊張の場面も少なからずありました。
この石の鼻へ至る鎖場も私の好きなところ、石の鼻から大峰の大展望はいつも胸が熱くなるのです。今日は生憎の曇り空、何も望めないので通過します。

だんだん雪多く、樹氷も見事に白一色の世界をつくります。小雪が舞い始め雪にけむって物憂い白の幻想が漂います。
木が凍えています。空気もしんと張り詰めて全てが凍えているようです。



小普賢岳からいったん大きく下ります。かなり急な下りは膝を曲げてしっかりアイゼンを利かせます。下ったところで右に回りこんで鞍部に着きここから山頂まで最も緊張を強いられるところでもあり、高度感があり、本コースのクライマックスでもあり、実は最も好きなところ。


急斜面の登降、直登、雪もかなり深く1歩1歩慎重に確実に登ります。このトラバースで以前はピンとロープが張られていたように思いますが見当たりません。埋まっているのかな?最も高度感のあるところです。

最後に樹氷のアーチをくぐって山頂に立ちます。
雪雲に覆われ大峰の展望は叶いませんが、この深い雪の中、山頂に立てたことが先ずうれしくて、どこまでも白いこの幻想の雪に浸っていたいのです。
チラチラ小雪が舞ってきました。
下山はなお慎重に、いくつもある凍っている梯子は特に気をつけて後向きに降ります。
雪が降ってきてトレースが消えつつあります。時間にして2時間くらいです、それでももうトレースが薄くなって雪山の恐さをちょっぴり思いました。
笙の窟でアイゼンを外し、もう一度ブナとヒメシャラの美林を愛で雪の大普賢にお別れします。
数時間前のあの世界は何だったのでしょう・・・
夢・・・? 現・・・? 幻・・・?
コースタイム
キャンプ場 6:45→笙の窟 7:50→小普賢岳 9:10→大普賢岳 10:35⇔10:50→笙の窟 12:20→キャンプ場 13:30
歩行 約6時間45分