霞沢岳(2645.6m)
島々谷〜徳本峠〜霞沢岳〜徳本峠〜上高地
H17年9月23日〜25日
参加 6名

日本アルプスの父とも言うべきウェストンさんがここを歩いた時も、今も、この淙淙たる流れは変わっていないのでしょうか?青い水も変わっていないのでしょうか?姿を変えて激しく、緩く、時に轟音になり、優しい調べになり、鳥のさえずりと共に未来永劫変わって欲しくない古き時代そのままの島々谷でした。
23日 島々宿〜岩魚留小屋〜徳本峠
前回は交通事故による高速道路通行止めのため行く先変更を余儀なくされ、リベンジ霞沢岳です。また同じように駒ケ岳SAで仮眠し5時出発します。
島々宿から林道に入り(徳本峠への標識があります)進むにつれかなり悪路、この辺にするか、と発電所前に駐車します。天気予報は曇りベースでしたが、とんでもない、秋晴れを確約する高い空に白い雲でいざ出発〜!です。
沢沿いは何と涼しくさわやかなのでしょう、まだ紅葉には早い、緑深い谷です。

二俣から少し入ると時代を語るかのような炭焼き窯がそのまま残っています。1回の生産量約40Kで山村の貴重な収入源であった・・・と記されていました。
いいですね、こういうのは残しておいて欲しいものです。

(炭焼き窯)
桟橋の下は激流、白くはじけています。
岩、倒木、苔、こもれび、緑、その中を清流が脈々と流れ、終始心地良いリズムが谷いっぱいに響きます。


いくつも桟橋を渡ります。殆ど苔むして朽ちかけて、一人づつ渡るように立て札があります。ピカピカの白木でない、赤い鉄の桟橋でないところが、この渓流にはピッタリなのです。古を偲び、先人も多数歩いたであろう長い歴史をそこここに感じています。


(岩魚留小屋 岩魚留の滝)
これもまたこの渓谷にふさわしい岩魚留小屋です。北アルプスの人気コースや八ヶ岳などではもうお目にかかれないでしょうね。(今日は閉まっています)小屋横の巨大な木が何百年の来し方を物語るようです。小屋に水はふんだんにあります。小屋のすぐ上には岩魚を足止めしたと言われる三段に落ちる岩魚留めの滝があり絶え間なく真っ白い飛沫をあげています。

(展望台から明神、穂高)
そろそろ沢を離れます。力水は徳本峠までの最後の水場で水を補給します。ここからはつづら折りに高度を上げます。殆どが傾斜の緩い渓流歩きからコース中最大の上りになり、角を曲がる度に小屋が見えないかと上を見上げます。人の声が聞こえてまもなく徳本峠です。おつかれさま〜と峠に立つと幕が切って落とされたように明神、穂高が迫ります。峠から45秒の展望台で大画面に見入ります。前穂がひときわ鋭角に空に向かい常念から大天井への縦走路が長いラインを描いています。吊尾根が、前穂が、西穂がと確認して一番うれしい時です。
テン場に帰り今夜はキムチ鍋、前回韓国に行ってキムチかぶれした訳ではありません(メンバーからリクエストがあったので)お餅もラーメンも入れてごちそうさま〜
夜空には大きな星が輝いて、明日もきっと晴れますように〜
コースタイム
駒ケ岳SA 5:00→島々谷発電所前 6:00⇔6:25→二俣 7:25→岩魚留小屋 9:45⇔10:05→力水 12:03⇔12:25→徳本峠 13:50
24日 徳本峠〜霞沢岳ピストン〜小梨平
明日の天気が気になるので早めの出発とし、出来れば今日中に上高地に下りてしまおうということで5時30分出発します。昨日と違ってサブザックの背はとても軽く楽々です。

(スタジオジャンクションから)
樹林に入りますがスタジオジャンクションや樹間から穂高の朝を見ます。まだ雲海は眠って、漂っています。茜色には染まっていませんが青白い雲海は大海原のようで島のように山が浮かんでいます。

ゴゼンタチバナがたくさん赤い実をつけ、シラタマノキは真っ白い実をつけて秋のお顔になりました。
ジャンクションピーク(2428m)の地点を過ぎここからがアップダウンの多いところ、これは帰路もいやな予感です。根っ子がからみ、ぬかるんで滑ります。かなり下って湿地帯を過ぎ、いくつかの大きなガレ場もあり島々谷が見えています。

(雲海と霞沢岳)
K1が頭上に大きくかぶさってきました。急峻なルンゼ状、浮石、落石とキツイのぼりでした。でもほんのりとブナやダケカンバが黄色味を帯び高い空に浮かぶ雲ももう秋の風情です。

(K1からK2への道)
あえいで上りきったK1は素晴らしい大展望です。穂高連峰がグッと近く、眼下には上高地一望です。白い梓川と帝国ホテルの赤い屋根が童話のような優しさを添えています。目を上げれば端整な姿の笠ヶ岳、西穂山荘から丸山、独標、西穂、ジャンダルム、ロバの耳、奥穂、前穂、吊尾根……3000mの壁です。

(山頂から焼岳)
K2を越えて霞沢岳です。焼岳の小さな噴煙まで見える位置です。北アの全望ほしいまま、初秋の風と穂高連峰と過ごす時間です。時を止められるものなら…止められないなら、ここだけゆ〜っくり通って下さい〜!

ほのぼのとしてフワフワでマシュマロのような時間が過ぎて、下山します。昨日の水が豊富な沢と違って全く水場がなく、持ってきた水が少なくなりちょっと寡黙になります。徳本峠に戻り時間も早いのでテントを撤収して上高地へ下ります。
明神館で軽く乾杯し小梨平でテントを張ります。いつも素通りする、夏には賑わい、テントで埋まっている小梨平ですが小さなテントがポツポツとあるのみで、緑の林の下静かなテント場です。
今夜のメニューはうなぎ丼、サラダ、お味噌汁。うなぎと香り高い山椒は食がすすみ好評でした。
コースタイム
徳本峠 5:30→スタジオジャンクション 6:13→ジャンクションピーク 6:37→K1 8:45→霞沢岳山頂 9:32⇔10:00→K1 10:30→ジャンクションピーク 12:20→徳本峠 13:05⇔13:30→明神館 14:55→小梨平 15:58
25日 小梨平〜上高地〜島々谷(車回収)
河童橋前の喫茶店でモーニングカフェをいただきながら山行を振り返ります。朝霞みの梓川と穂高連峰が霧の中にぼんやり浮かんで、こんな時間もとてもうれしいです。

(朝霞みの梓川)
歴史の重みを充分感じた島々谷から徳本峠、心洗われる清流と緑でした。迫る明神、穂高、朝の雲海、K1、K2ピークと霞沢岳の大展望、梓川の朝、どれもこれも素晴らしく満足の山行になりました。
上高地からタクシーで島々谷へ(¥10600)車を回収し一路奈良へ帰ります。
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昨年、足の不調とケガで休会だったメンバーがテント山行復帰で盛り上がったお祝い山行になりました。
おめでとうございます!