御嶽山(3067m)

H17年7月23日〜24日
参加        24名

多分一昔前のことと思う、御嶽山の最後の階段を駆け上がって朝陽に染まる雲海を眼下に見たのは。
その場面だけを強烈に記憶している。私の中で山が「山並み」のような感覚から「鼓動する山」になったような気がする。

御嶽山は今も噴煙を上げる活火山で南北に3.5K、東西に1K、剣ヶ峰を主峰に6つの峰と5つの火山湖を持つ広大な独立峰です。(6つの峰は剣ヶ峰、摩利支天山、継母岳、継子岳、王滝頂上、飛騨頂上)
コニーデ式火山の特徴、円錐形の美しい山容を誇って、堂々と立ちはだかっています。
山友会24名の登山バスは近鉄筒井駅から出発です。
1日目  中の湯登山口〜覚明堂(9合目)
登山口はいくつかあるのですが今回は中の湯から濁河温泉へのコースです。
御嶽教発祥の山で、さすがに麓から宗教色濃く、林道の両側には祠や石像、鐘、大小の霊神碑がびっしりと並んで見慣れない者にはちょっと異様な雰囲気です。

中の湯からの登山口はそれなりの装束の方が登山準備中、私達も祠のある登山口から出発します。
樹林下の登山道は自然の横木が敷かれ歩きやすくなっています。老若男女の多数の信者がお参りしやすいように配慮されているのでしようか。山道は賑わっていてすぐにどこからともなく「懺悔、懺悔、六根清浄〜」の声が聞こえ、この人出では最後までこのかけ声と一緒の登山になりそうです。
ナナカマドが白い花をたわわにつけてオンタデが見頃です。

樹林を抜けると8合目、女人堂です。一気に展望が開けて様相が変わり、溶岩ゴツゴツの山容は近年(S54年)の噴火を生々しく思わせます。
お参りの信者さんが多いのでしょう、それぞれの休憩所はいわゆる山小屋よりはかなり大きいようです。女人堂は山頂部が望める大変展望の良い所、ここは森林限界で冷たい風が吹き抜けていきます。
足元にはキキョウやオトギリソウが色鮮やかに咲き、見上げると岩の間に今夜の宿泊所、覚明堂が見えています。

覚明堂前はこの道(黒沢口ルート)を開いたと言われる覚明上人が祭られ、岩にせり出すように建てられた展望の良い小屋です。おふとんの中からご来光が望めるらしいですが、それはお部屋によるのでしょうね、でもトイレからは確かにその方面の見晴らしは良かったようです。
石鹸は使用出来ませんが、お湯を使わせていただけるので順番に汗を流して、もちろんその後は乾杯ですね、その前から乾杯している人も約○名いましたが。

小屋付近には涼しげなイワツメクサが岩かげで楚々と咲いて、風にゆらゆら遊んでとても可愛いです。これが溶岩のみで小さなお花さへ育たないとすればどんなに恐ろしいでしょうね。この可愛いお花が咲いてくれるからこんなに心和んで優しくなれるっていつも思っています。ありがとう。
コースタイム
中の湯登山口 12:30→女人堂(8合目) 14:30→覚明堂 16:34
2日目 覚明堂〜山頂(剣ヶ峰)〜飛騨頂上五の池小屋〜濁河温泉

蒼暗い空に丸い月があやふやな輪郭で残っています。
この時間すでに山頂は賑わっています。夜を徹して上る方もあり延々とライトが繋がっていたそうです。
ご来光はおふとんからよりもやはり山腹から見たいもの、と早々に起き出して月明かりを頼りに少し上がったところで待ちます。ほんのり赤みがさして厚い雲海が少しづつピンクに染まって、小さなお花のつぼみのように太陽が顔を出し、見る見る大きくなるのです。山々の朝一番の呼吸を感じる時です。
地球の自転てこんなに早かったかしらといつも思います。
6時30分出発します。
一の池を右に見ながらひと上りで山頂です。これが3000mの山頂かと思うくらいの賑わいでそれ程広くはない山頂はごった返しています。

山頂から見る二の池は白い雪渓を残しコバルトブルーの魅惑の色をたたえ鏡のような水面を見せ、乗鞍岳は雲海にぽっかり浮かんで、遠景に大きな八ヶ岳がぼんやり霞んでいます。目を転じれば打って変わって地獄谷の噴煙と赤茶けた岩肌、奇岩、硫黄の匂い、この両極端の展望に目を奪われてしまいます。

奇岩の林立する地獄谷を通って岩場を通過します。この地獄の岩場では何とうらはらに可愛い花が次々と咲いてこれは感動ものでした。イワヒゲ、イワウメ、ツガザクラ、コケモモ等10cにも満たない小さなお花ばかり、この過酷な条件では岩を這うようなお花しか生きて行けないのでしょう。
岩を掴みながら目はお花を追ってなかなか楽しい行程でした。

続いて鮮やかな黄色のお花畑はミヤマダイコンソウ、シナノキンバイ達、白いお花畑は大群落を作るハクサンイチゲ、少ないけれどコマクサにも出会います。

花を楽しんでいるうちに賽の河原を過ぎて五の池小屋です。摩利支天の端整な姿が大きくのしかかるようです。
五の池から飛騨道に入るとコマクサの群落地がありますが登山道からはかなり離れた上方にたくさん咲いているようです。このあたりはさすがにロープが張られ間近に見ることは出来ません。白い砂礫地に濃いピンクのコマクサはやはり高山植物の女王と呼ばれるにふさわしいお花ですね。

ハイマツがだんだん高くなり、樹林に入ってどんどん下ります。上りもそうでしたが下りもアップダウンは少なく、ひたすらの上り、ひたすらの下りです。樹林下にはよく似合うお花、モミジカラマツ、ゴゼンタチバナ、マイズルソウ、ミツバオーレン、カニコウモリ・・・涼しげです。
お助け水でひと休み、といっても水はありません。
沢音がだんだん大きくなり、右に仙人の滝を見て(轟音のみです、滝壺へ降りる道あり)橋を渡れば濁河温泉にゴールです。
私は2度目の御嶽山ですが、冒頭に記したように初めて見る雲海があまりに美しく、ただ茫然と立ち尽くしていた記憶しかありません。
今回、あんなにお花が咲き乱れ、いくつもの神秘的な火口湖をめぐり、地獄谷の噴煙や壮絶な様を目の当たりにし、麓には豊かな森を抱くこの山の大きさ、深さ、偉大さを改めて感じた次第です。
御嶽山は花盛り・・・でした。
コースタイム
覚明堂 5:55→山頂 6:25→賽の河原 8:25→五の池 9:00→お助け水 10:20→濁河温泉 12:05
出合ったお花
モミジカラマツ・ゴゼンタチバナ・ナナカマド・オンタデ・セリバシオガマ・タケシマラン・オオヒョウタンボク・アオノツガザクラ・イワギキョウ・アキノキリンソウ・オトギリソウ・ホソバイワツメクサ・チングルマ・ミネズオウ・ミヤマダイコンソウ・ヨツバシオガマ・ハクサンイチゲ・シナノキンバイ・イワカガミ・キバナシャクナゲ・コケモモ・ジムカデ・イワベンケイ・シラネニンジン・コマクサ・マイズルソウ・カニコウモリ・ミツバオーレン・ツマトリソウ・イチヤクソウ