槍〜穂高縦走
新穂高〜双六〜槍ヶ岳〜北穂高岳〜涸沢岳〜奥穂高岳〜岳沢〜上高地
H18年8月11日〜15日
参加 5名

新穂高〜鏡平〜双六小屋
深夜到着にも関わらず無料Pはかなり混んでいてどんどん奥まで入ってやっと駐車出来ました。素早くテントを張りわずかに仮眠します。
硫黄の匂い立ち込める、快晴の新穂高から出発します。
蒲田川に沿って林道(約5k)を行きますが、途中何ヶ所か雪渓が崩れ落ちていて迂回します。
ワサビ平小屋では美味しそうな果物が冷水に浮べられて、いただきたいのはヤマヤマですが、一応自分の行動食を減らさなければ〜。
小池新道に入り、暑さと睡眠不足で苦しい上りになり、個人的には先月不注意に転倒して右膝を痛め、不安いっぱいの膝をかばいながらで、食欲もなくかなり不調でした。
秩父沢は手が切れるほど冷たい水で水量たっぷり、一息入れて喉をうるおし水分補給します。冷たい風と美味しい水で生き返る心地です。
イタドリガ原、シシウドガ原を過ぎてだんだん傾斜がきつくなります。
その内ポツポツ小さな雨が落ちてきます。鏡平小屋につくかつかないかで急に本降りになって風も出て寒くなり、またまたカミナリです。先週弥山川で落雷を目の当たりにした恐怖が蘇えり小屋の中で休ませてもらいますが、小屋でうずくまっていても(上に1枚羽織っていても)寒くて、恐くて震えそうでした。カミナリと雨の止むまで2時間ほどの雨宿りでした。(小屋先は満杯状態でした)

(弓折乗越から西鎌尾根〜槍ヶ岳)
さて、雨の後はスカッと晴れ渡り槍へと続く西鎌尾根、槍、穂高、壮絶な岩稜の北鎌尾根、大キレット、ジャンダルムと北アの大展望です。そして色を競って咲き乱れるお花たちです。北アルプスの魅力満載、疲れが吹っ飛ぶとまでは言えないですが、どんなに愉しませて癒してくれることでしょう。

弓折乗越はお花畑広がる絶好のビューポイントです。ユラユラ揺れてアルプスに遊ぶお花たちと爽やかなアルプスの風を胸いっぱいに詰め込んでもう動きたくなぁ〜い心境です。

ここまではひたすらの上りでした。今日の行程15k、標高差1460mの大半は過ぎ、双六のテント場までもう少し、緩いアップダウンを頑張ります。でもテント場の色とりどりのテントが見えてからも長かった〜です。
3日間のテント縦走+ロングコース+”危”マーク付きなので食担としましてはただ、ただ軽量を心がけ今日はフライそばとポテトサラダ(マッシュポテト利用)おつまみの乾き物です。
コースタイム
新穂高温泉 6:30→ワサビ平小屋 7:40→秩父沢 9:20→鏡平小屋 11:55〜13:25→弓折乗越 14:25→双六テント場 16:00(歩行9時間30分)
双六小屋〜樅沢岳(2755m)〜槍ヶ岳(3180m)〜南岳小屋
3時半起床 5時出発。
樅沢岳への上りで不思議な色の朝焼けです。

雲が多いようですが、すぐに青空になり山頂では青空と大展望です。裏銀座の山々も勢揃い、花の稜線西鎌尾根の向こうには天をつく槍、穂高の岩稜です。今日はあの槍を越えて南岳まで。うゥーん!武者震いですゥー。

千丈沢乗越までは花の稜線歩きです。クロユリにも出合い、イワギキョウ、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、トリカブト、ウサギギク、ウスユキソウ、ヤマハハコ、フウロなどなど百花繚乱のお花畑が続きます。


乗越を過ぎると正念場、ガレ場の急登です。見上げるとため息です、槍までずっと険しい岩場が続いていますが思ったよりは早く槍ヶ岳の肩に到着出来ました。多分リーダーのリードが良かったと思います。(ゴマ、ゴマ)

(千丈沢乗越から槍、子槍)

(北鎌尾根)
この時期にしては槍ヶ岳は数珠つなぎではあるけれど○○分待ちはなさそうです。飛騨側から見るとかわいい子槍がくっついています。
膝に不安があるので私とおむすびコロリンさんはテラスで休憩し、360度のアルプスにどっぷり浸って楽しみます。

(雲上の縦走路へ)
いよいよ3000mの縦走です。槍のテント場を過ぎて飛騨乗越は日本一高い峠(3020m)続いて大喰岳(3101m)中岳(3084m)南岳(3033m)と雲上の縦走路です。中岳から下ったところに雪渓の水場があり手の切れるような氷水がふんだんでした。夕食用の水2Lをポリタンに詰めます。重いですぅ〜〜〜。

南岳テント場にテントを張って夕暮れの大キレットを見に行きます。強烈にキレ落ちたその先、とてつもなく大きな岩稜の最先端、最上段に北穂の小屋の灯りが見えて、壮絶な岩場に揺らぐ一点の灯りがとても暖かく、優しく、恋しく感じられます。陽が落ちて穂高の山も刻々と闇に落ちて行きます。

(大キレットと北穂高)
今夜はアルファー米+寿司太郎、麻婆春雨、玉子スープ。
コースタイム
テント場 4:55→千丈沢乗越 8:30→槍ヶ岳山荘 10:10(槍ヶ岳ピストン、昼食)11:50→大喰岳 12:20→中岳 13:10→南岳テント場 14:55(歩行約10時間)
南岳小屋〜北穂高岳(3106m)〜涸沢岳(3110m)〜奥穂高岳(3190m)〜紀美子平〜岳沢ヒュッテ
今日は”危”マークの難所が待ち構えています。小屋から一段上ったところからキレットの激下りです。梯子や急な岩場をルートを外さないよう下ります。足の届かないところが何度もあり、何とか足場や手がかりを探し、急なところは後向きにおりたり、とにかく、絶対に三点確保を確実に守ります。

空をピンクに染め、雲海にアルプスの山々が浮かんで、穏やかな朝。対照的に行く手に立ちはだかる巨大岩峰、キレットの厳しい姿。
1歩も1手も細心の注意で、もし外したら確実に滑落につながります。浮石、落石も絶対許されません。岩にザックを引っ掛けないよう、また行き違い時も必ず三点を確保するようリーダーから注意があります。

激下りのあとは激上りが待ち構えています。ゴツゴツの急登をよじ登ると長谷川ピーク、またその下りが厳しいところ、ナイフエッジの岩稜がこれでもか、と続き1歩も気を抜けないところです。こんなに厳しい岩場にも鮮やかな花たちが咲いてくれます。

目前で誰かが転倒してザザーと落石崩壊の音がしました。大したことはなかったようですぐに立ち上がり大丈夫のようですが、もしあの下方に誰かがいたらと思うと恐ろしくますます気を入れ直してピリピリ緊張しました。その人は少しルートを間違えたようです。

場所にゆとりが無かったり、落石の危険があったりで休憩する個所は限られ、北穂からの登山者も多く行き違いにも気を使います。
もうすっかり足も手も疲れてしまいますが、まだまだ長い急な梯子やロープが連続します。最大の難所、足場の悪い飛騨泣きを過ぎて余りにも遠い高い北穂小屋のテラスまでまるで天まで上るような感覚です。(A沢のコルから北穂山頂まで326mの上り、鉄杭、鎖、梯子だらけ)
北穂のテラスは大好きなところです。ここからの展望は雲湧く大キレットと槍ヶ岳、奥穂高に前穂高、吊尾根、明神岳、涸沢カール、雪渓といつまでも浸っていたい絶景です。
涸沢岳への上りも浮石の多い苦しい所、ここまで来ると穂高岳山荘は一下りです。緩やかな階段状の下りにほっとします。
奥穂高山頂は混雑しています。西穂からも大勢の人がやって来ます。ジャンダルム越えの人も私達大キレット組も好天で満足の山行に賑やかな声が飛び交っている山頂です。
少しガスがあがってきたのと予定より時間がかかったため前穂高の登頂は諦めて紀見子平から岳沢へ下ります。こちらも激下りで長い梯子、鎖の連続です。森林限界を過ぎて樹林の中に入ると、途端に気が緩んでしまいます。ナナカマドの白い花が咲き、さくらの花咲くテント場に着いた時はもう1歩も歩きたくない…。
岳沢ヒュッテは雪崩のため全壊で現在テント場、売店は営業(トイレ有)していますが建物は基礎の段階です。
3日目の夕食は五目御飯、春雨とわかめの酢物、お味噌汁。(だんだん貧相です)
夜、満点の星空、吸い込まれそうな夜空に流れ星を皆で数えました。
コースタイム
テント場 5:00→北穂高岳 8:25→涸沢岳 11:00→穂高岳山荘 11:30〜12:00→奥穂高岳 12:50→紀美子平 14:50→岳沢ヒュッテ 17:05(歩行約12時間)
岳沢テント場〜上高地

朝焼けの霞沢岳、焼岳を眺めながら上高地へ。4日ぶりに街のファッションのヤング達に出会い、そう言えば山男と山女にしか出会わなかった〜と改めてむさ苦しい姿が気になります。山中では当り前と思っていますから。
河童橋のいつものオープンカフェでモーニングコーヒをいただき下界人になりました。
タクシーで新穂高まで、温泉でゆっくり足を休めて人心地、やっと普通の人間になりました。(山中では人間じゃなく猿だった???)
コースタイム
岳沢テント場 6:00→河童橋 8:00
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私達が大キレットを通過した前日に滑落死亡事故があり、26日にも長谷川ピークから滑落、死亡の事故がありました。
ロングコース、”危”コースで緊張の連続でしたが無事に楽しい山行が出来ましたこと、メンバー始め全てにただただ感謝するのみです。
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