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   丸太ログハウスといえば、
    ノッチ組みの知識が欠かせない、
      ログハウスの壁だけでなく
      ウッドデッキのフェンスにも、ふさわしい

1、「物づくり」は人生最高の「遊び」、自分で小屋(ログハウス)を建てたい!
  大阪市内、近郊の住宅地に住んでいると、チェーンソーや丸鋸機、電動カンナ
 などを使って、飛び散る木屑を全身に浴び、軽快なエンジン音、モーターの
 うなり音を聞き、額の汗をタオルで拭い、心地よい筋肉の躍動感を持ちながら
 丸太や角材、板材を思うままに工作するなんて、到底無理でしょう。
  小さいころから、ダンボールで小屋を作ったり、本棚や犬小屋を作ることは男の
 努め(?)でした。できるものなら「隠れ家」を自分の手で作り、そこで趣味に
 没頭できれば最高なのですが、昨今の厳しい経済状況、環境などから、
 叶わぬ夢かもしれません。
  でも、自分で「なんとしてでも小屋(ログハウス、山小屋)を作りたい」という
 夢は、いつまでも持ちたいものです。

2、ログハウスとは、どんな建物なのか。
  ログハウスには、大きく分けてハンドカットとマシンカットがあります。ハンド
 カットとは、下記の項目5の写真@、項目6写真24のように、手作業で原木の
 丸太の皮をむき、チェーンソーで加工したログ(丸太)を使って建物
 (ログハウス)を組み上げていきます。一般的には、項目6写真27のような、
 丸太材をハンドメイドで加工して組み上げたものを、狭義のログハウスと呼んで
 います。
  マシンカットとは、丸太(ログ)材を製材機で丸型や角型の断面をもった
 ログ材(写真29、30)に加工する工法で、合わせて丸太組み工法と呼ばれて
 います。
  〇狭義のログハウス
    ・丸太で水平に積み重ねて壁面を作り、コーナー部分をお互いの材を
     交差させながら組み立てたもの(写真27)
    ・丸太でなくて角材であっても、コーナー部分を交差させて組み立てた
     もの(写真30)
     *正倉院の校倉造りもログハウスといえます。(写真22、23)
  〇広義のログハウス
    ・ポスト&ビーム工法で建てられたもの。柱(ポスト)と梁(ビーム)に
     丸太がが使われた軸組工法のログハウスで、いわゆる日本の在来工法
     と同じ工法。ただし、写真29のように、少なくとも1階の下段に丸太が
     横積みされているもの。
  〇ログハウスの分類には入らないもの(工房すみれの分類方法)
     日本の古民家には、杉や桧で柱、梁を構成したポスト&ビーム工法で
     建築(在来工法)をよく見かけるが、これはログハウスにはなりません。
      (壁面が漆喰、土壁、板張りされている)
      写真28、31は、囲炉裏部屋として建築されたものです。
     在来工法で桧のの柱及び梁(杉)で構造部を作り、壁面は桧の90o角
     の角材をで横積みしています。ただし、これをログハウスと呼ぶのは
     無理があります。
      写真32のように、ポスト&ビーム工法でっても、丸太で柱、梁を構成し
     下段に丸太を3〜4段横積みしていたら、ログハウスと呼ぶことができる
     でしょう。

3、「ノッチ」があってこそ、ログハウス
   一本一本の丸太が積み重なって耐力壁(建物の構造を支える効力の
  ある壁)を構成するログハウスでは、下図の29、30などのように、丸太
  以外でも、いろいろな形状が編み出されています。それとともに、ノッチ
  (丸太と丸太とが交差する部分の加工形状)部分の処理も、大切な
  ポイントになっています。
   ログハウスが丈夫な建物であることは、正倉院の建物からも明白です。
  「ノッチ」があってこそ、ログハウスだ、ともいえます。

4、法的な規制
    丸太組み構法は、1986年(昭和61年)に、旧建設省(現在の国土交通省)
  告示第859号により制定された「丸太組み構法の技術基準告示」に則った
  工法が原点です。その後、延べ床面積300u以下、絶対高さ8.5以下、階数2階
  以下で、小屋根利用のみ、ノッチで囲まれる耐力壁は一辺の最大長さを6m
  までとする30u以下にするなどの安全基準が定められています。
   現在では、規則改正により、構造計算で安全性を高めることを条件(担保)
  にして、ログハウスの活用範囲が広くなっています。

5、ウッドデッキのフェンスなどで挑戦するのも良い
  丸太の運搬、加工、組み立ては、材が重く、嵩張る為、個人(素人)では
 困難です。手始めの挑戦として、直径15センチ前後の杉丸太材(桧材は杉材
 より1.5倍ほど重い)で、ウッドデッキのフェンス(写真@〜21)で挑戦するのが
 良いでしょう。
  「ノッチ加工」でも、ログハウスづくりの雰囲気を味わうことができます。

6、ノッチ加工の試作例(サンプル) <写真1〜21>
@皮剥き(かわむき) A原木の切断 B作業台、工作には
カマ、ヘラで剥ぐ チェーンソー使用 工具、治具等が重要

C試作のため D鉈で半割(ハーフログ) Eノッチ曲面加工
径200×L1000丸太 普通は帯鋸機を使用 チェーンソーで粗仕上げ

Fノッチ凸部、ヤスリや G凸部の採寸 H型どりゲージ使用
曲面カンナ等で加工 歯型をとるイメージ アナログ的作業?

I丸太の中心測定 J凹部の型どり K凹部カット作業
水平器つきが良い これで十分です。 チェンソ−で粗加工

L写真Fの凸部に M凹部の着色部を Nハーフログを逆にして
着色して型どり カットする(茶色部) 微調整加工

Oノミ、木工ヤスリ Pハーフログの上に Q@〜Pの作業で
などで隙間なく加工 丸太ログを重ねる 所要約3時間

R径300oの丸太ログ Sチェーンソーで 21ログ壁加工(太い)
フェンス加工 丸太凹部加工 一人では困難


7、ログハウスに関連する写真
22 正倉院 23 正倉院 校倉づくり 24 原木の皮むき
東大寺にある宝庫 最古のログハウス 高圧水を使用

25贅をつくした美、施主 26 稀少物件です 27 ウエッジノッチ
と大工の共同作品 これがログハウスだ! 美しい仕上がり

28 桧角材(90o角) 29 ログ壁(ウオール) 30 角ログハウス
心材を入れている メーカーにより工夫が有 2枚合わせに加工

31 囲炉裏(壁面桧材) 32 薪ストーブ 33 ドーマ(白い所)
工房事務所 東吉野村ログハウス 東吉野村ログハウス

〇ログハウスに関する用語(主なもの)
 ・ログ 丸太のこと
 ・グループ  丸太と丸太の重なりが良くなるように、丸太の底面に、U字型
         やV字型W字型などの溝をつくっている.。
 ・セトリングスペース  セトルダウンに対応するため、開口部の上部に
         開けるスペース(余裕)のことを指す。これがなければ
         ドアや窓が、経年と共にスムーズに開閉しなくなる。
 ・セトルダウン ログの乾燥等による収縮・沈みのことを指す。ログの乾燥度
          により、セトルダウンの大きさは異なる。
 ・ドーマ 丸太組み構法は、壁面に開口部を多くとることができないため
      採光等の向上を図るために、屋根部分につけた出窓のことをいう。
      (写真33参照)
 ・ノッチ ログとログの交差する部分に施す加工のことをさす。
 ・ログウォール ログハウスの耐力壁
 ・ロフト  屋根裏

参考図書、資料など
 @ハンドメイド・ログハウス入門   菅井康司 編集
   ログハウスを自分でつくるための完全ハンドブック    山と渓谷社
 A実践ログハウス読本  アドリュ編集  ルゾン出版
 B小さなキットハウス 超入門 「夢の丸太小屋に暮らす」 編集部編
                              株式会社地球丸
 C吉野中央木材(株)ホームページ
   http:/www.homarewood.co.jp/lumbermill-document-5.html
   木材全般、製材等に関して、詳しく、わかりやすく記載されています。
   さすが、実践をともなった専門家(プロ)です。
 D財団法人 菊葉文化協会 パンフレット など
    ログハウスに関しては、多くの書籍が出版されています。  


      ログハウス

   ウッドデッキから山小屋、ログハウスまで、企画・設計・製作・施工
     田舎暮らし物件、土地、家、建物、古民家の売買・仲介・管理
       奈良県知事(3)3883号
     (公社)奈良県宅地建物取引業協会会員
     (公社)全国宅地建物保証協会会員
       工房 奈良県吉野郡東吉野村平野1252−4
       事務所 奈良県香芝市高山台2−16−46
         TEL  0746−44−0146
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