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   林業の活性化で「地方創生」をはかる・・・
     奈良県南部を元気にさせる
(1)吉野林業
   吉野林業とは、奈良県中南部の吉野川の上流(東吉野村、川上村
  黒滝村など)の地域で行われている林業のことで、良質な吉野杉の
  産地として、全国に知られています。歴史は古く、室町時代末期の
  西暦1500年頃に造林が川上村で行われたとのことです。
    敗戦後の建築再建の木材ブームで隆盛を極めたが、建築様式の変化
  や木材の自由化、バブル崩壊などのため、吉野材の価格は低迷し、また
  後継者不足などから、現在、林業そのものが、大きな岐路にたたされて
  います。
    *参考 東吉野村の人口 1970年(約45年前) 7,028人
       2018年7月1日現在では 1,582人と約4分1以下に、
       木材生産、加工の中心の町、吉野町は、16,419人から
       6,716人と半減以下に、
       川上村、黒滝村は、同様の期間で、それぞれ 6、020人
       から1,199人へ、2,009人から613人へと、
       約1/3から約1/4へと大きく減少しています。
    *人口減の主な原因として、主産業の林業の不振があげられる。  
(2)山から伐採、製品になるまで
  @葉枯らし より良い素材にするため伐採時期も重要で、杉では7〜
   8月、11月〜12月、桧では7月〜12月にかけて伐採され、材質の
   低下を防ぐことと、重量を軽くするため「葉枯らし」がされる。
  Aヘリコプターで搬送 急峻な山から切り出すには、かっては、ワイヤー
   を張り巡らして牽引し、運搬されていたが、現在ではヘリコプターが
   一般的で、8割から9割程度といわれています。
  B林道の整備 低コストで搬出するには、林道の整備が欠かせない。
    国、県からのより一層の支援が求められます。
  C奈良県下各地にあるが、桜井市内には原木市場、製材所が多くあり
   全国的に有名です。
  D無垢の桧材が今まで多く使用されていたが、現在の一般的な建築
    では、集成の管柱の割合が多くくなっています。
   *一般の消費者には、柱の節が「人の目」のようだ、「暑苦しい」、また
    「背割れ」は欠陥品だとクレームをつける人もいるようです。極端です
    が、柱に少しでも「ひび割れ」があれば交換してほしい、と建築会社
    に苦情が入ります。無垢材よりも強く、品質が安定していて、木の割れ
    などを気にする必要もなく、施工が楽で、大工の「個人的な能力や
    経験」に頼らなくてよく、消費者からのクレームの少ない集成材が多く
    使われるのは自然の流れかもしれません。
林業の振興が、中山間地域を元気にさせるでしょう

@伐採後の葉枯らし Aヘリコプターで土場へ B小規模林道
東吉野村 へ (拡大写真) 整備が欠かせない。

  
C土場より原木市場 D桧の角材 E杉の端材
製材所などへ 柱として、最高! 有効活用が必要

F割り箸製造風景 G間伐の丸太、有効 H桧の磨丸太製造
小規模工場 利用が求められる。 東吉野村

(3)林業振興への方策
 @貴重な木材資源は、すべてを利用してこそ、生業(なりわい)が成立
   します。Eの端材であれば、従来であれば下地材などに多く使われて
   いたのですが、現在では壁面の下地材では、パーティクルボードなど
   にとって代わられようとしています。(一番の理由は、安定した供給、
   価格と、品質が一定のため、施工者が使いやすい、工法の変化
   「壁面の左官仕上げからサイディング貼り」などがあげられます)
    木材資源の、より一層の活用範囲を広げる努力が求められます。
  *取り組み紹介(例)
    杉は、香り、色つや、木目の美しさ等、日本人に愛されてきた樹種で
   す。ただ、材質が柔らかくて、床材には不向きとされてきました。
     平成24年5月に、先進的な取り組みをしている木材加工会社
   「ホ−テック」社(奈良県大淀町)と奈良県森林技術センターとが共同
   で、杉板の表面を150°〜200°で加熱しながらプレス機で、
   約0.5o押しつぶした上で、表面に樹脂を浸みこませるコーティング
   技法の開発に成功させた、と報道されています。(毎日新聞他)
   (商品名 吉野杉ハードフローリング)
    価格も一般的に使われている広葉樹のナラ材に十分に対抗できる
   とのことです。
    伝統の継承とともに、先進的な取り組みも大切でしょう。
(4)日本一!奈良県
  木材分野では、
  ・集成材 出荷額 約221億円
   (建築の構造用部材、家具などに幅広く使われています)
   主な生産地として、五條市、大淀町、天理市、吉野町など
   *平成24年経済センサス、活動調査による
  ・割り箸 生産量 約2億3,000万膳
    国内生産シェアは約48%
    主な生産地 吉野町、下市町など
    *林野庁木材産業課調べ
    (奈良県産の割り箸の特徴は、杉や桧の端材を
     利用していることです。貴重な木材をすみから
     すみまで活用されています。)
 
   参考資料
   県民だより2014.12月号

       ログハウス 

   ウッドデッキから山小屋、ログハウスまで、企画・設計・製作・施工
     田舎暮らし物件、土地、家、建物、古民家の売買・仲介・管理
       奈良県知事(3)3883号
       (公社)奈良県宅地建物取引業協会会員
       (公社)全国宅地建物保証協会会員
        工房 奈良県吉野郡東吉野村平野1252−4
        事務所  奈良県香芝市高山台2−16−46
          TEL、FAX  0746−44−0146
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