工房すみれ 本文へジャンプ
家庭菜園の経験だけでも、
          農業の厳しい課題が見えてくる・・・
 大阪市内、近郊は、基礎的インフラが整備されているので、毎日の生活
は、この上なく便利で申し分ない場所です。ただ、欲をいえばきりがあり
ませんが、土と緑が、全くといってよいほど無いため、心の安らげる場と
は言い難いところでしょう。
 ・・・・
 「田舎暮らし」の雰囲気を少しでも味わうと、机上の論議だけでは見えない
経済、工業、農業など、日本の現在、未来の厳しい課題、そして、人間として
の「生き方」などが見えてきます。貴重な体験です。

(1)リンゴが教えてくれたこと
  映画が大きな話題になりました。シナリオは、下記参考図書(1)(2)を
 基にほぼ忠実に再現されています。ブログ等で賛否両論、フィーバーどころ
 か、炎上気味です。原作は大変読みやすい(ただし、論文ではないので
 科学的、農学的内容は期待できません。)ので、一読をお勧めいたします。
  映画:「奇跡のリンゴ」 
  主なキャスト 
   主人公:木村秋則(安部サダヲ:映画「舞妓Haaaan!!」 などに出演。
         はまり役。)
      妻:美栄子(管野美穂:テレビドラマ、CMなどで知られる。)
      義父:木村征治(山崎努:映画「おくりびと」などで有名。
          頑固一徹な役にぴったり)
(あらすじ)
  約35年前の青森県弘前のリンゴ農家が舞台です。三上家の次男
 (三上秋則)は集団就職で東京の電機関係の会社に就職。
  近所のリンゴ農家の木村家は、一人娘(美栄子)である。縁があって
 サラリーマン生活を辞め、木村家の婿養子となる。
   ある日、妻、美栄子の体に異変が生じる。年に十数回もリンゴの樹木
 に散布する農薬が原因で、体が蝕まれていたのだ。
   秋則は、妻のために無農薬、無肥料によるリンゴ栽培を試みるが
 それは当時、絶対に不可能であると言われていた。
  南方からの帰還者でもあった義父のあらゆる経済的な支援も受けて
 無農薬、無肥料栽培に挑戦するが、案の定、毎年、失敗を重ね家、田畑
 も借金の形に入り、毎日の食事どころか、娘の学資にも事欠く始末に
 なる。また、周囲の農家からも反発を受け、孤立していく。
 ・・・・
  10年近くの歳月をかけ、いろいろと試みたが成果が一向にあがらず
 ついには自殺を決意、一人でリンゴ畑のある岩木山麓に向かう。そこで
 偶然にもリンゴの実がたわわになった自生した1本の樹を発見、その樹の
 下の土の匂いを嗅ぐ、・・・これが奇跡の大逆転の糸口となる。
(2)減農薬、有機肥料
  農薬は、できるものなら使用しないほうが望ましい、これについては
 まず、異論はないと思われます。
  でも、実際に栽培してみると、家庭菜園で、週一回程度の世話では
 無農薬では当然のこと、減農薬でも、かなり厳しい結果になるでしょう。
 農林省のホームページで農薬に関する記載を見てみると
   農薬の効果
  専門家による結果からも、リンゴ、桃では、まず100%、無農薬による
 栽培は不可能、野菜でもキャベツ、キュウリなどの品目は、無農薬では
 困難であると記載されています。
   映画だから、少々の脚色もあり、目くじらをたてることもない と言えば
 それまでですが、「無農薬」に加えて「無肥料」となれば、栽培に関係
 する人にとっては、許しがたく、看過できない内容なのでしょう。

東吉野村「きのこ館」 東吉野村「尺八教室」 「工房すみれ」
きのこの生産・販売 生徒募集中です 仲間と囲炉裏談義。

減農薬でキャベツ 早期に収穫。 自家栽培で安心。
週1の世話では困難。 虫食いだらけ。 味は抜群!


 趣味での家庭菜園とはいえ、10年ぐらい体験すると、
おおよその原理、原則も理解できます。
  (ア)農薬の使用は必要最小限にとどめる。
  (イ)残留性の大きい農薬は使用しない。
     (市販品では、まず大丈夫でしょう。)
  (ウ)連作を避ける。場所が狭いため
     やむをえない場合も多いので
     接ぎ木苗を使用する。(値段は2〜3倍)
  (エ)肥料のやり過ぎを避ける。
     人間の食事と同様に考えると理解
     しやすい。
  (オ)適地、季節に応じたものをつくる。
     「工房すみれ」は、標高約450mに位置しています。
    ジャガイモ、なす、トマト、白菜では、失敗はありませんでした。
     玉ねぎ、ホウレンソウは、なかなか上手にいきません。
    11月〜3月まで寒冷、積雪で耕作不可の場所であることや
    土壌、気候などが影響していると思われます。
(3)「悪貨は良貨を駆逐する」ことがないように!
  道路沿いの店舗で、「地元産」、「無農薬栽培」、「自然食」など
 消費者の興味を引き付ける看板を、よく見かけます。
  日本語が曖昧なので、「地元産」「自然食」とくれば「安心」「安全」
 と考える人が多いのでしょう。
  ただ「減農薬」でなく、「無農薬」となると、「本真かいな」(大阪弁)
 と、つい考えてしまうのは「工房主」だけなのでしょうか?
  消費者は勝手なもので、安くて、見た目が良く、年中いつでも
 手に入れたい・・スーパーの販売コーナーで、消費者の行動を観察
 すると了解できます。
  生産者側も、生業(なりわい)である以上、理屈だけではやって
 いけないでしょう。ただ、あらゆる面で、まじめな生産者の努力が
 報われるようなシステムが必要であることは、いうまでもないでしょう。
 ・・・
  宅地建物取引では「重要事項記載事項」が一番大切になって
 います。野菜等では、原産地等の記載が「正直」であって欲しい
 ものです。(食品偽装などは、以ての外ですね。)

 *思索2
 *思索3    に続く。
 *思索4
 *思索5

  * 参考図書 (1)「リンゴが教えてくれたこと」 
                木村 秋則 著  日本経済新聞社
            (2)「奇跡のリンゴ」
                 石川 拓治 著  幻冬舎    
            (3)土(つち)の学校
                木村、石川 共著  幻冬舎
            (4)土と生きる 循環農場から
                小泉 英政 著  岩波新書
            (5)農のある人生
                瀧井 浩臣 著  中公新書






     ログハウス

  ウッドデッキから山小屋、ログハウスまで、企画・設計・製作・施工
     田舎暮らし物件、土地、家、建物、古民家の売買・仲介・管理
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