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ログハウス、山小屋、古民家・・
囲炉裏のある生活で、心も体も暖まる・・
また、人生について考える・・ |
非正規雇用者が2040万人(全体の約40%)を超え、ますます加速する
格差社会、苛烈な市場競争のなかで、多くの企業はブラック化し、経営者が
富を独占する一方、従業員は消耗品として使い捨てられる。
雇われている者は「明日は、わが身」かと、毎日が疑心暗鬼になって、
生きなければならない時代。前途を悲観した若者は「就活自殺」。
長時間労働と低賃金にあえぐ労働者は、過労自殺や過労死に追い込まれる。
これからの時代、どのように生きて、どのように毎日を対処して
いかなければならないのか、真剣に考えなければならない時がきています。
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平成12年度「本屋大賞」受賞の、百田尚樹 著 「海賊とよばれた男」は、
2016年12月現在、上下巻累計では400万部にもなろうとしています。
著者の言動は、新聞、テレビ、雑誌などでいろいろと話題になりますが、
そのことは別にして、この本は、日本の在り方、我々日本人はどのような社会
を築き、どのような生き方をすれば良いのかなど、問題提起をし、我々に
考えさせるきっかけを提供しています。上下2冊、計742ページの大作ですが、
ストーリー性もあり、読みやすい本です。
・・・・
この本が多くの読者を引きつけるのは、我々に、社会の在り方や人生に
ついて考えさせることを多く示唆してからでしょう。
(1)海賊と呼ばれた男 あらすじ
主人公(田岡鐡造:石油元売り会社である出光興産の創業者、出光佐三
がモデル)は、神戸高等商業(現、神戸大学)を明治42年に卒業。当時では
卒業生の多くは、船会社や官僚になるのが普通の時代であったが、
思うところあり従業員3名の店の丁稚からスタートしている。夢は「将来、
機会があれば、中間搾取のない商いをしたい」であった。
奇遇で、ある資産家の応援を得て、運よく、3年後には国岡商店(現在の
出光興産)を立ち上げている。
先見の明と時代背景(第一次世界大戦など)、店主をはじめ、従業員の
死に物狂いの努力(海賊と呼ばれるくらい、商売に熱が入っていて、
「無茶なやり方だ」と揶揄されるぐらい)があってか、石油製品が国内、国外
(満州)で他社を圧倒するぐらい販路を広げた。
・・・・
1945年の敗戦により、鐡造は、海外の資産をすべて失い、膨大な借金のみ
が残った。公職追放、GHQ、官僚体制、既存の石油業界、困難が伴った
イランからの原油輸入問題などと対峙しながらも、戦後の日本経済の蘇りと
ともに、民族資本の会社を、従業員とともに盛り上げていく・・・
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壁面は、桧の角材90□ |
陶板焼き |
火吹き竹で火起こし |
4000㎜、170本使用 |
囲炉裏に合います |
ログ仲間より寄贈 |
(2)「マルクスが日本に生まれていたら:出光 佐三」の言葉より紹介
*以下は工房主の勝手なつぶやきに基づき記載しています。
カール・マルクス著「資本論」は、資本主義の生産様式や生成過程を明らかに
した全3巻(全3部)からなる大著で、20世紀以降の全世界に最も影響を
与えた書籍とされています。
*受験を経験した者であれば、書物名、著者ぐらいは誰でも知っている、
あまりにも有名な本ですが、読破するには、(工房主にとっては)超難解な本
でした。この程度の本は、と意気込んで岩波文庫全9冊を購入(当時は
セロハンでカバーがしてあり ました)するまでは良いのですが、
数ページ読んだだけで、一体何が いいたいんだ、ぐらいしか思いません
でした。それからは積読の状態で、最後は古本屋で処分する始末。
再度、資本論(岩波文庫版、現在では少々厚めの色カバーがしてある。)
を読破するのに、下記の超入門の手助けを借りて、おぼろげながら理解
しつつあるのが現状です。(でも難解です。)
*45年ぐらい前は、世の中、まだそれほど貧富の格差が目立たず(かなりの
累進課税でもあった、世界でも最も社会主義的な国では、ともいわれた)
努力をすれば、一所懸命に働ければ、それなりの生活ができたように
思います。
都市への人口流入、テレビなど電化製品の爆発的な普及、それに伴う
製造業などでの十分な雇用(これが大きい)、高度成長、バブル、
イケイケ・ドンドンの時代、そして、バブル崩壊、超高齢化社会と、
めまぐるしく変化する時代・・・・
ついていくのも大変な激動の時代です。
*2~3年前より、(5)のピケティ「21世紀の資本」が学術的な経済書にも
かかわらず、世界的に読まれました。世界的な格差問題などから、
資本主義の在り方、いく末などが議論される契機ともなっています。
来日し、NHKテレビなどに出演し、世界的に有名な学者です。
r>g 資本収益率が算出と成長率を上回るとき、資本主義は
自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出すと、過去300年の
データをもとに分析した学術書です。所得の再分配の必要性を
訴えてます。
本文だけで608ページ、全部で706ページ、5500円(税別)もの本
が日本でも多く売れたのは、「格差問題」が深刻な社会問題になっている
ことをしめしています。
*出光の言葉より(約50年前の出版物より)
資本主義における資本家の搾取は否定するが、資本主義の能率的
なところを採っていく。社会主義、共産主義の働く大衆のためとか
社会全体のためとかを採る。ただ、非能率な国営とか教条的な
人間平等論は採らない。・・・資本主義、社会主義、共産主義を
咀嚼した、人間中心の国、人間を大切にする国・・・日本人は
日本人が日本人らしくやっていけば、資本主義、社会主義、共産主義
などとらわれず、平和に暮らせる社会が築けるはずだ・・・・。
(資本論などを十分研究していた結果にもとづく)
*人間生まれたときは、みんな裸、形の上では平等のはず。
(11)で書かれたようなことは、事実であったとしても絶対に
信じたくありません。
かって「みんな頑張れば100点がとれる」の趣旨の本がありました。
アメリカでは「アメリカンドリーム」を信じて多くの人が渡米しました。
でも現実は、格差、貧困がもたらす弊害が顕著にでてきています。
毎日、世界中で、トランプ大統領のツイッターに注目が集まって
いますが、意外にもトランプ信者が多いことは、「格差、貧困、分断」
問題が、抜き差しならないほど深刻になってきている左証でしょう。
(3)映画「海賊と呼ばれた男」
平成28年12月より全国で上映公開されています。大ヒットした
「永遠の0」につづく大人向け娯楽大作。
「出光」といえば、石油元売り大手として有名であり、また、テレビ
「題名のない音楽会」のスポンサーでも知られ、最近では昭和シェル
との合併問題で経済面によく出てくる会社です。
この映画は、出光興産の創業者(出光佐三)をモデルにした男の
一代記です。
<鑑賞記>
どんな困難にも決してくじけず、むしろ逆境をバネにして這い
上がる主人公のすさまじい生き様に感動し、役者陣の熱演、
コンピュータグラフィックスを駆使した素晴らしい映像とあいまって、
満足のいく娯楽作品になっているように思いました。
①原作を読んでから映画を見る。
②映画を見てから原作を読む。
2時間半という制限で、主人公の生き様「俺は、銭もうけだけで
事業をしているのではないぞ! 従業員、家族、お国のために
一生懸命働いているのだ!俺についてきてくれ」を描ききるのは
困難です。
一般的に②の方法が、お勧めであるといわれる理由が納得
いくでしょう。
参考図書
(1)海賊とよばれた男 上・下 百田 尚樹 講談社
(2)マルクスが日本に生まれていたら 出光 佐三 春秋社
(3)資本論 マルクス 岩波文庫 岩波書店
(4)マルクスの資本論 土肥 誠 日本文芸社
(5)21世紀の資本 トマ・ピケティ みすず書房
(6)女工哀史 細井 和喜蔵 岩波文庫
(7)蟹工船 小林 多喜二 新潮文庫 新潮社
(青空文庫に収録、ipad,又はネット上でも読むことが可能です)
(8)現代語訳 貧乏物語(河上 肇、佐藤 優)
(9)現代貧乏物語 橋本 健二 弘文社
(10)超入門 資本論 木暮 太一 ダイヤモンド社
(11) 言ってはいけない 残酷すぎる真実 橘 玲 新潮社
他 インターネット、新聞記載記事など
ログハウス
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(公社)奈良県宅地建物取引業協会会員
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