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  今こそ、「選択される地域」となるための
   知恵と工夫が問われる時代に
      ・・・「市町村消滅論」に向き合う。
待ったなし 急がれる「地方創生」への取組

(1)人口減少の真実
   2013年、国立社会保障・人口問題研究所は、「日本の将来推計
  人口」(12年1月推計)のデータを公表しています。これからは
   「2040年には地方が消滅する」可能性がある、とも読み取れ、
  大きな反響を呼んでいます。これをもとにして
    「週刊東洋経済」でも、特集記事として今後30年で女性人口が
  大幅に減る市区町村(2040年の人口が1万人以上が対象)
  として、宇陀市、五條市、御所市などを上位とし、分析しています。 
   *宇陀市の場合
     ・32、099人(2014.2.1現在) 2040年推定人口  19、169人
     ・2040年の20~39歳の女性人口減少率 61.7%(2010年比)
     合計特殊出生率(1.15) 
   人口の「再生産能力」を中心的に担う、20歳~39歳の「若年
  女性」が、地域から出ていかないような、魅力のある住みやすい町
  にする政策が、真剣に考える必要が出てきています。
(2)奥大和クリエイティブヴィレッジ構想
    奈良県でも、施策の重点項目として、地域の活性化が図られてい
   ます。具体的には、県東南部の人口減対策として 「奥大和クリエイ
   ティブヴィレッジ構想」事業があげられ、予算案に取り入れられ、
   平成27年度より施策として実行されています。
    ここでは、東吉野村など県南部と東部の4市町村をモデル地域
   として指定、各市町村が地域の空き家を改装し、移住者の受け入れ
   拠点を整備。都市部にいなくても地方で仕事が出来る「デザイナー」
   「ミュ-ジシャン」「家具職人」「芸術家」をターゲットに移住を呼び
   かけていき、拠点整備がされています。(東吉野村での事例が
   新聞でも紹介されました。)
    移住の需要がどの程度あるのか、認知度をどのように高めていく
   のかなど、課題は山積しているでしょう。
    地域活性化の起爆剤になればいいのですが・・・
豊かな自然にめぐまれている、古都、奈良。

中山間地域の活性化には、観光、農林業などの振興
     とともに、若い人達の感性が求められています。

たかすみ温泉(平野) ふるさと村(宿泊施設) 高見キャンプ場(木津)
東吉野村(高見山麓) 東吉野村大豆生 東吉野村(166号沿)

姫石の湯(道の駅) 姫石の湯(玄関) 三季館(宿泊体験施設)
御杖村神末 職員の方、手作り作品 御杖村桃俣

お亀の湯(曽爾村) 曽爾高原 国立青少年自然の家
泉質が素晴らしい ススキで有名 曽爾村太良路

うだアニマルパーク 宇陀ふるさと元気村 うだメイプルパーク
宇陀市大宇陀小附 宇陀市室生(体験館) 宇陀市菟田野

(3)提言(私見です)
 (a)観光資源を生かす。
     奈良県南部の地理的な制約から、重厚長大な産業振興は困難でしょう。
    この20年間、大阪市内、大阪中部、南部の近郊都市よりの道路事情は格段
    に良くなっています。
      東西の166号線、369号線、南阪奈道、高田バイパス、中和幹線や
    南北の京名和道(一部工事中)など、それぞれに接続する県道の整備が
    あげられます。大阪市内、近郊からのアクセスは、格段に向上しています。
    豊かな観光資源を生かすべきでしょう。
 (b)癒しの場所
     大阪市内、近郊は、働く場所、交通、医療など生活していく上での
   インフラは格段に恵まれています。ただ、緑が少ない、密集しているため
   の圧迫感などの、負の側面もあります。
    定住までは考えていない人達であっても、週末、あるいは月に何回かは
   奈良に行ってみて、日頃の疲れを癒してみたい、そんな人達のニーズに
   あう場所であれば、奈良の良さが生きてくるでしょう。
    「道の駅」、温泉施設、観光施設などの整備促進で、近郊の人達を
   呼び込むことでの活性化も可能です。
    また、従来より、大阪市内、近郊都市の小中学生の宿泊学習の場所
   として活用されてきています。より一層の受け入れ態勢の整備、促進も
   大切です。
    地道な活動が、奈良県の良さが理解されることにつながるでしょう。
 (c)若い人の感性を生かす
    歳を重ねることの良さは当然にありますが、過去の慣例、経験を重んじて
   謙虚に他人の意見に耳を傾けない傾向も出てきます。
    プラス思考で、これからの日本、地域を支える30歳から40歳ぐらいの
   人達に、思い切った権限の移譲も必要です。
 (d)雇用の場の確保
     若い人たちを地域に呼び込むには、安定した雇用の場の確保です。
    中山間地域でも可能な農業、林業分野の開拓(付加価値を高める
    6次化、高度化)も欠かせません。また、中山間地域でも十分可能な
    職業分野の開拓も必要です。
 (e)コンパクトシティ  
    役場では、コミュニティーバス、乗合タクシーなど、高齢者などののため
   に、交通手段の確保に尽力されています。
   現状としては、買物、医療などに車が欠かせません。緊急時の
   危機管理のためにも、夫婦(家族)がともに車が運転できることが、
   「田舎」で暮らしていく上での、必要最小限の条件です。(万一、
   救急車を手配しても1時間はかかるぐらいの心づもりも必要です。)
    人口減少のため、小学校の統廃合がこの20年間にかなり進められ
   ました。小中学校までは、なんとか可能でも、それから先のことも
   考えると、30歳~40歳前後の方々の定住意欲が削がれる原因の
   一つかもしれません。高校生のバス通学への思い切った額の補助金
   支給など、最大限の努力をされていても、限られた予算の中で、すべて
   満足は到底無理なので、負のスパイラルに陥らないためにも、
   コンパクトな町づくりが求められています。 
 (f)農林業の高度化、公的機関の支援
    南部の人口減少の大きな原因は、主産業の林業不振です。 
   木材(丸太)の価格は、1㎥あたり 杉材で約1万円、桧材で約
   1万4千円程度(平成24年5月現在、丸太径、品質などによる
   価格差はあるが、27年度もほぼ同じぐらい)、この価格は、
   戦後間もないころの価格と大差がない状態です。
    約30年前のバブル期の高値は、杉材で3万8千円、
   桧材で約7万4千円程度で、それにしても価格の推移が異常で
   あるといえます。
        参考資料データ 木材価格推移 林野庁
    データから、木材の自由化などにより、国内産杉、桧材が外材に、
   相当量が置き換わっていることがわかります。
  (g)価格低迷の原因には、多量の外材流入以外にも
    (あ)工法の変化  
      約40年前では、総桧の家を町の工務店で普請するのが、それ
      なりのステータスであったが、現在では、外材の集成管柱に
      よるプレカット加工が一般的になっている。㎜単位の機械加工の
      ため、精度か格段に向上していて、耐震化にも十分対応した
      加工、組み立てになっている。
    (い)耐震性、均一性、を上げるためにも、無垢材より集成材が
      使用現場に適している。無垢材の柱、板材などを使用する
      時には、木材の製品特性を十分説明、理解する必要が
      あるます。
    (う)消費者のニーズに合っていない。(節、ひび割れなど、少しでも
      受け付けない など)、消費者からのクレーム対策からも国産
      無垢材を使用しづらい、 などがあげられるでしょう。
       *消費者保護の高まりとともに、生産、加工に携わる者は
     当然であるが、販売(仲介業者)側にも説明責任が
     重要になってきています。
    (え)木材の生産には、川上の山林労働者(かっては樵とも言われた)
       から川下のエンドユーザーである一般消費者の間には、林業、
      製材会社、輸送、木材加工、建築関係、電気、給排水設備
      住宅販売、登記測量(法律)、銀行など多くの職種が関係して
      います。
       *国の景気対策として、新築住宅の促進が重要視されてきた
        経緯が納得できます。
       2、000万~3、000万円もの住宅ローンを、夫婦で生涯にわたり
      抱える、一般消費者のニーズをとらえるマーケティング対策も、
      決して看過できないでしょう。
  (h)杉、桧材の長所、短所を活かしたした上での、製品開発が
       より一層望まれます。          
           *木材加工    を参照ください。 
  (i)公的な機関の支援(実際の取り組み例) には  
           *林業       を参照ください。

*上記は、「工房すみれ」の主たる営業区域、奈良県東吉野村、御杖村、曽爾村
  三重県松阪市飯高町などの、一般に言われる中山間地域を前提にして
  います。
*あくまでも、工房主の私見です。大阪市近郊に約30年在住(総桧材の注文
  住宅、小規模)、セカンドハウス(カナダ産 集成角ログハウス)として約22年
  大阪近郊(奈良)で大手住宅会社の建売住宅を購入しての実体験も加味
  して、記載しています。
*参考資料
  ・国立社会保障・人口問題研究所 
   日本の将来推計人口 推計結果の概要
  ・週刊 東洋経済 2014.2.22号 ”女子が消えていく”
  ・朝日新聞 奈良版 2014.2.20 奈良県一般会計当初予算案
  ・中央公論 2014年6月号 消滅する市町村523全リスト
      増田寛也、日本創生会議
  ・地方消滅  増田寛也 編著    中公新書
  ・里山資本主義  藻谷 浩介、NHK KADOKAWA
  ・地方消滅の罠  山下 祐介、ちくま新書 筑摩書房
  ・超インフラ論 藤井 聡
       地方が甦る 「四大交流圏」構想

     ログハウス

 ウッドデッキから山小屋、ログハウスまで、企画・設計・製作・施工
     田舎暮らし物件、土地、家、建物、古民家の売買・仲介・管理
       奈良県知事 (3)3883号
      (公社)奈良県宅地建物取引業協会会員
      (公社)全国宅地建物保証協会会員
        工房 奈良県吉野郡東吉野村平野1252-4
        事務所 奈良県香芝市高山台2-16-46
        TEL、FAX  0746-44-0146
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