力抜いて・・・

僕の言葉のままに身体の力を抜いて横たわるにそっと口付けた。
殆ど力を入れず唇で唇を挟み込むように何度も何度も触れる。

少しずつ緊張がほぐれたのか、キスの合間に小さな声が漏れ始めた。

「・・・・・んっ・・」

舌での唇をなぞる。

「・・ぁ・・」

ほんの少し出来た隙間から進入し口腔内を舌でかき回すとも自分のそれを伸ばしてきた。
ぺちゃりと唾液が絡む音がする。
舌と舌がぶつかり合う生ぬるい感触といやらしい水音に気持ちが一層高ぶっていく。
もそうなのか、僕の首の後ろに手を回してきて二人の身体がより密着した。

「・・んっ・・ぅん・・はぁ・・」

その甘い声に誘われるように唇から耳元へ、顎のラインを辿って白い首筋に降りていく。

「あんっ・・」

くすぐったいと言わんばかりに身を捩る素振りをするが愛らしくて堪らなかった。
着ていたシャツを脱ぎ捨て、そのままの背中に手を回し下着の止め具を外す。
二つのふくらみが露になった。

「あ・・」

恥ずかしいのか咄嗟に隠そうと胸に当てようとしたその手をとってベッド貼り付けるように押さえる。

「は、恥ずかしい・・」
「そんなことない。綺麗だから・・」

顔を背けてどう振舞っていいか分からないを安心させるように言った。
だけど偽ってるわけじゃない。は本当に綺麗だった。

頂にあるピンク色の突起を口に含んだ瞬間の身体がぴくんと反応し、舌先で弄ぶように転がすとぴくり、ぴくりと身じろぎを繰り返した。

「・・・はぁ・・ぅん・・・・ぁっ・・」

押さえていた腕をそっと外し、もう片方の胸を優しく撫でる。
ピンクの突起は堅く小さくなり、は無意識に両腿を擦り合わせていた。

僕はズボンを下着ごと脱ぎ去りの腹部ヘ手を回す。
柔らかな丸みにそって腰の括れの辺りからゆっくり何度も手を往復させ少しずつ下肢へ触れていった。

下着の上からそっと指を充てがい、触れてるのかいないのか分からないほど緩やかに滑らせる。

「あ・・やだ・・ぁん・・」

声を出した後手で口を塞ぎそれを羞じらう仕草が余計に艶かしくて、もっと声を出させたいと淫らな欲望が這わす指に力を入れる。
レースを施された白い下着の上からそっと秘部に触れた。

「あぁっ・・・やぁ・んっ・・」

の声が上がる。
さっきまで押さえ気味に控えていた声が急に高くなり無意識に腰を持ち上げてきた。
求めるようなその所作に指との間にある一枚の薄い境界がどうしようもないもどかしさを感じさせ、性急なまでに一気に白い小さな下着を取り去った。

そっと柔らかな茂みに触れていく。
指に絡まったそれを掻き分けるように奥へと進めるとそこは既にあふれ出した蜜でねっとりとした湿り気を帯びていた。
蜜を絡め取るように指を滑らせ敏感の粒をそっと押さえる。

「あっ・・いやッ・・ヤダ・・ぁん・・。」
ふるふると内腿を震わせ僕を掴む腕にギュッと力がはいる。

「ここ・・感じるの・・?」
「あ・・わか・ん・・ない・・・あんっ・・やぁ・・」

の目に涙が薄っすら溜まっているのが分かった。
暗い部屋の中、頼りになるのは窓より漏れる月明かりだけ。
わずかな灯火に映るの表情にいつもの幼さはなく婀っぽいまでに女の顔をしている。




子供の頃、裕太とと3人でいつも一緒に遊んでいた。
大人しくて気が弱いはちょっとした事ですぐに泣く。
ガキ大将に絡まれてびーびー泣いている所、いつも裕太が助けに入って結局2人で泣いていた。
そんな二人を放って置けなくてずっと面倒見る羽目になっていたけど、『お兄ちゃん』って僕を慕う声を聞くたびにの笑顔を守りたいと思うようになった。
が笑ってるだけで心が温かいものに包まれて、それだけで僕は幸せだった。
天使―――まさにその言葉通りの存在。
その天使が僕の前で女になる。
男と身体を重ねる行為などおそらく初めてだろう。
だけど獣の本能とでもいうのか。も僕も理性や恥じらいはあっても、ただ感情の赴くままに互いを求め合っている。


あれはが中学へ入学する少し前―――

家の鍵を忘れたと雨の中を僕の家へ飛び込んできた。
身体に張り付いたシャツ、の肌が透けて僕の目に映る。
腰の辺りがやたら括れ、胸は薄っすら丸みを帯びて濡れたシャツを持ち上げていた。
母さんが慌てて大きなタオルでの身体をすっぽり隠すように包んだとき、僕や裕太とは違う何かを感じた。
・・・・・つまりは女なんだとはっきり意識した瞬間だった。

が好きだ――いつの間にか存在していた僕の中の漠然とした恋ごごろが急に生々しく揺れだした。
日増しに想いは増していくものの、反対に僕は自分のこの気持ちが不安で仕方なかった。

認めたくない。が綺麗になって少しずつ大人の女性に近づいていく姿を否定していたかった。
他の誰かに攫われる・・・。
本当はそんなことではなく、僕自身がに女を感じれば感じるほど優しい兄貴を演じる自信がなくなっていっただけなんだ。
いつか天使の羽をもぎ取ってしまうことが分かっていたから。
それが怖くて幼馴染と言う距離をどうしても縮めることができなかった。


だけど今、この腕でを抱きながら僕は初めて気付く。
彼女は天使なんかじゃない。生身の女だ。
僕を好きだと言った。そしてその感情だけで僕と一つになる事を望んだ。
他に何も存在しない。
躊躇いも、戸惑いも、過去も未来も何もない。
ただ今だけを求めて―――
そして僕はそんながたまらなく愛しい。
たった今この腕の中にいるにも関わらずもっともっと欲しくなる。
全て曝け出し、互いの禁域に触れ合い感じあう。感情が高ぶり抑制できずに貪りあう。
そんな行為は決して美しいものではない。
だけどそうやってを愛する事は彼女を汚すことじゃない。
愛しあって抱き合い、溶け合っていく。それはごく自然の事。

もう少し早く気付いていれば―――
をあんな目にあわさなくて済んだのかもしれない。





蜜で滑らすように指で撫で回し、もう片方の手の指で胸の突起をクリッと捻る。
そのまま再び唇を塞ぎ深い深いキスを交わす。
互いの唾液がどちらのものとも分からぬほどに舌を絡め合った。

「あん・・・っ・・はぁ・・あっ・・」

はあはあと息が漏れる音が僕の耳を支配する。
首筋、胸元、腹部と徐々に唇を降ろしていくと、その道筋を辿るかのように薄紅色の斑点が印されて、
ゆっくり足を広げ細い腿の内側にそっと舌を這わした時、の声が一際高く上がった。

「あぁんっ・・」


の腿を押さえ込んだまま敏感の粒にそっと唇を寄せる。
舌先を尖らせて円を描くように押し付けていった。

「や・・そん・・なと・こっ・・ぁっ・・ダメ ・・あんっ・・」

僕の頭を押しのけようと寄せた手もまったく力が入らないようだ。
僕は粒を含んだまま双方の丘に手を伸ばした。

「いや・・ぁっ・・・おかしく・・なっ・・ちゃ・・ぅ・・・・」

は恥らうことも忘れ大きな声で喘ぎだす。震える肢体が何度も撓る。
艶気を醸し出して乱れていくその姿がますます僕を翻弄していった。
もっと聞かせて、もっと感じて、君の全てを僕に見せて・・

そっと花弁を開き滴るほどに潤った泉に指を宛がうと、たっぷりの蜜に助けられ滑り込むように内に進入していく。

「んっ・・ん・・・」
「痛い?」
「大丈夫・・。でも・・なんかよく、わからない・・。」

容易に入り込んだ指を一度抜いて押し戻す。
ゆっくり何度も繰り返すうちの身体がぴくりと揺れた。

「ここ?」
の中で指の関節をぐいっと曲げる。

「あっ・・だめっ!・・あんっ・・」

が声を上げたポイントを強くかき回す。

「いやっ・・・・い・・やめ・・あっ・・」

くちゅくちゅと淫らな音が部屋中に響く。
それがまた欲望を一層高め、更に深く求めたくなる。
指の本数を増やし強引なまでに動きを荒らげていった。

「やぁ・・おにい・・ちゃん・・おね・・がい・・。」

悃願するかのように涙を浮かべて首を横に振る。
だけど僕はそれを押さえ込むようにもう一方の腕をの首の後ろに通し肩を抱え込んだ。
そして再び口付ける。
内部を探る動きとは反対に、出来るだけ優しく傷つけないようにゆっくりと、でも深く。
僕の腕の中で不安の糸がほどけたのか、次第に下肢に掛けた力が緩んでいき、身体を預けたまま何もかも忘れたように恍惚と内側の愛撫を受け入れだした。

「はぁっ・・あっ・・ぁん・・・あ・・」
僕の耳元で何度も喘ぐ。すでに自制や恥じらいなど微塵もなかった。

「気持ちいい?」
僕の問いかけに目を逸らすこともなく素直にこくりと首を縦にふる。
そんなが可愛くて、気持ちが逸りだす。
早く、自分のものにしたい―――。

指を一気に引き抜き、の両膝をぐいっと大きく割いた。                            
そして天聳る欲望を泉へと押し付ける。

「あんっ・・」

ゆっくり自分の身体を推し進めていく。

「っ・・・・ぁうっ・・」
さっきまでとは違う苦しそうな声。
僕の手首を掴んでいた力が一層強くなる。
は目をぎゅっと瞑って唇をかみ締め耐えていた。

「くっ・・・・・・・う・・」
漏れる声と声の間にはっはっと小刻みに息を吸い込んでるのは、が無意識に痛みを和らげようとしているのだと分かる。
苦痛を訴えることもせず、ただ堪えているを見て僕の心が躊躇いはじめた。
が欲しい・・でも自分の欲だけでこの愛しい人が苦しむのは不本意な事。

身体を引こうとした瞬間

「まっ・・て!やめない・で・・。いいの・・痛くてもいいの。私大丈夫だからそんな顔・・しないで・・。」
・・。」

苦しいくせに、目にいっぱい涙を溜めているくせに、必死で笑おうとする。

「お願い・・最後まで、抱いて・・。」

人を想う気持ちに限りはない。
を愛している。1分、1秒前よりもっと。今日より明日、明日より・・・永遠に深まっていく想い――。


「大きく息吸って。それからゆっくり吐いてごらん。」

は僕の言葉どおりに空気を吸い込んだ。そして吐き出すと同時にそれに合わせるように再び身体を進めていく。
の中は狭く内壁が僕自身に纏わり付いてこすり付けられる触感がきつく苦しかった。

「はぁ・・・」
ほっとしたように力を抜いた声が僕の耳に届く。
漸く一番奥に到達し、今まさに僕達は一つに重なった。

「お兄ちゃん・・。」
「ん?」
「熱い・・よ。お兄ちゃんがすごく熱くて苦しい・・。今、私と一緒ってことなんだよね。嬉しい。ありがと・・」

消えるような小さな声で『ありがとう』を言う。
また想いに愛しさが増した。

「もう少しだけ、我慢できる?」

はふっと笑顔を浮かべて目を閉じる。
そっと触れるだけのキスをして僕は前後に動き始めた。

「・・んっ・・うっ・・ぅぅっ・・」

再び苦痛の声が上がる。
内壁がねっとりと締め上げるように僕自身を飲み込んでいく。

「ぁっ・・くっ・・っ・・」

動くことも苦しい狭量な空間。受け入れる側はどれだけ辛いか。
分かって入るものの僕は自分を抑える事はできず激しく打ち付けていく。
華奢な身体もの痛みも気遣うことすら忘れて、ただ欲望のままに腰を進めた。

どれくらい時がたったのだろう・・・。

苦痛をひたすら噛み締めていたの声が明らかに変わる。

「あぁんっ・・そこっ・・あ・・やぁっ・・」

嫌だと首を振るを尻目に同じ所を何度も抉るように攻め続けた。

「ああっ・・んっ・・いや・・もう・・だ・め・・ああっ!」

薄い首を持ち上げ仰けぞった後、はぐったりと果てる。
ぷるぷると内腿が震え身体がひくつくように小刻みに震えていた。
僕を包む壁はぴくんぴくんと律動し、ますます締め付けてくる。
僕の限界も目前だった。

ぐったりしているの腰を持ち上げて強引に自分の方へ引き寄せる。
聞こえるのは腰を打ち付ける度響く振動、蜜を絡めながらくちゅくちゅと擦れあう淫らな音、
一度達して尚、与えられる刺激に対する悲痛なまでの喘ぎ。

「・・ぁっ・・・ぁん・・も・・う・・あぁ・・」

もう既にの意識もはっきりしなくなってきている。
だけど僕にはそれを思いやる余裕は全くなかった。
最深まで突き進め、一気に引き抜いてまた勢いよく埋めこむ。そんな行為を繰り返す。
の内壁は一層ひくつき僕を締め上げた。


「・・んっ・・ぁ・・・」
「・・・・・・・っ・・」


そして僕はの中で欲望を火花を散らした。




はだらりと横たわったまま呆然としている。
汗で額や頬に纏わりついた髪をそっとのけてやるとゆっくり僕に視線を移した。

「大丈夫・・?」
目の前でぐったりしている姿に、負担を掛けたことを思い知らされる。
は静かに「ん。」と首を縦に振った。

瞳に透明の雫が溜まり、まるでガラス玉のようにきらきらと揺れる。
そっと人差し指を当てると伝うように雫に濡れた。

その手の上からは自分のそれを重ね、愛おしむように頬に当てながらきゅっと力を籠める。

そしてゆっくり意識が消えていく中、

―――ごめんね・・。

の唇が微かに動いた。


手に籠めた力がなくなってとさりとシーツに流れ落ちる。


僕はまだ涙も乾かない瞼に唇をそっと寄せた。











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dear my angel5の最初に戻りますが、この続きは裏入り口のお花のアイコンの下からになります。





はずかし〜/////
ぬるいとは思うのですが、よくこんなもの披露するよな、私。内容がないだけに余計恥ずかしいです。喘いでるだけやな・・・(~_~;)
責任は取れませんが、ご気分害された方、すみません。