シークレット・セッション
(Secret Sessions)

★現象
☆Simon Aronson/クオドラプル・スペルバウンド…四枚のコインによるスペルバウンドです。
☆John Bannon/シェイク・ウェル・ビフォア・ユージング…リフルシャッフルをしますが、カードは赤と黒に分かれています。が、一瞬でカードは赤黒ごちゃまぜの状態になります。レギュラーデックで演じます。
☆Steve Bedwell/タイム・ファイルズ…観客の選んだカードがデックから消え、演者の腕時計に挟まれています。
☆Chris Buylla/スメル・ディス…観客が自分の匂いをしみこませたカードを演者が当てます。さらに…

☆Carl Cloutier/ザ・ミステリー・オブ・ザ・セカンドフィンガー…すばらしいワンコイン・ルーティンです。すごい。
☆Doc Eason/ザ・バースデイ・カードトリック…アンビシャスカード&カラーチェンジグカードです。クライマックスでは、観客の選んだカードだけ裏の色が変わり、かつ、その裏にはメッセージが書かれています。
☆Dan Garret/4カード・レイトレーション…四枚のカードのうち一枚を捨てますが、常に手元には四枚のカードが残ります。最後に一枚だけカードが残りますが、数字が4です。
☆Paul Gertner/ビー・アネスト・ワット・イズ・イット?…「Magic Farm」の「メモリー・テスト」とほぼ同じです。観客にハートとダイヤのKを持ってもらいますが、なぜかクラブとスペードの2になっていて、Kは演者の胸ポケットから現れます。

☆Giovanni/ディジット・ディセプション…指をはずして指輪を取ったあと、その指輪を手に載せてたたきつけると、また指輪は指にはまります。
☆Joe Givan/プレッツェル・ロジック…プレッツェル(輪状のお菓子)をつなげます。
☆Miguel Gomez/フラッシュ・ディサピアランス…デックのトップにあった、表向きの四枚のカードが、一瞬で消えます。
Lennart Green/ウィンドミル・ムーブ…トップのハートのキングを確認したあと、そのカードをテーブルに配ると他のカードになっています。

☆Dan Harlan/スタークル…紙ナプキンを折り、一部をちぎり取ります。残った部分を広げると、月のようにまん丸です。しかし、ちぎりとった部分を見てみると、星の形になっています。
☆Hiawatha/アブソーブション・トランスファー…カメラのフィルムケースのようなチューブにコインが貫通します。
☆Yoshio Hirose/リップ・イット・レボリューショナイズド…お札を折りたたみ、二カ所を円状に切り取ります。しかし、広げると元に戻っています。
☆Guy Hollingworth/アンフ!…「London Collection」に入っているトライアンフです。ただし、第一段の現象のみ。デックを表裏まぜてシャッフルしますが、観客の覚えたカードだけが裏向きになっています。

☆Bill Kalush/ザ・フィジェッシング・カード…観客の選んだカードだけが表向きになります。さらに、観客がそのカードを裏向きに持っていると、デックのカードがすべて表向きになります。
☆Seth Kramer/ザ・バニシング・エーセス…タイトルどおり、Aが一瞬で消えます。
☆Tom Ladshaw/スナップ・クラックル・トップ…指や首や腰をボキボキ鳴らします。手を開いたままでも鳴らします。
☆Mike McGivern/プッティング・ジ・エンズ・バック・オン…ロープの端を重ねると、端が取れてしまい、ロープは輪になります。取れてしまった端をロープに付けると、またロープは一本のロープになります。

☆Ray Mertz/フューリー・ローディッド…四枚のAを抜き出し、テーブルに置きます。すると、その下にコインが現れます。
☆Dave Neighbors/ジャスト・パッシング・スルー・アゲイン…コイン・スルー・ザ・テーブルです。三枚のコインを貫通させますが、最後はテーブルの上に戻ってきます。
Obie O'Brien/ザ・レジェンド…マジックの歴史のようです。
☆Amilkar Riega/オープン・プリディクション…最初に、自分の予言のカードをテーブルに置いておきます。観客に好きな数を言ってもらい、その数だけカードを配ります。出てきたカードは予言のカードのペアカードです。

☆Hiro Sakai/E-Zトンネル…二枚のジョーカーをデックの上に載せます。観客に一枚のカードを選んでもらったあと、ジョーカーをデックに対して垂直に載せると、その間から観客の選んだカードが現れます。
☆David Solomon/4・フォー・4…スペードの1〜4を抜き出し、デックのトップに載せます。その四枚のカードをテーブルに並べ、その上に数枚のカードを載せて、束にします。しかし、1〜4はそろってでてきます。
☆Juan Tamariz/ザ・ポーカー・デモンストレーション…デックをシャッフルしたあと、二人分のポーカーハンドをくばります。観客のハンドは7のフォーカード、しかし演者のハンドはKのスリーカードです。これをAのフォーカードに変えてしまいます。
☆Hippie Torrales/ザ・ラーニング・タワー・オブ・パストボード…デックに手を触れていないのに、一人でに動きます

☆Yuji Wada/ワダ・ワイルド・カード…観客に一枚のカードを選んでもらいます。演者は四枚のブランクフェイスカードを取り出し、その上に観客の選んだカードを重ねます。すると、ブランクフェイスカードが観客の選んだカードになってしまいます。
☆Michael Weber/シンキング・ア・スリー・オーバー…タバコを皿の上にたてて、ストローで円を描くようにおまじないをかけると、タバコは倒れます。

★解説
 収録時間約2時間半。
いろんなマジシャンの一人一ネタレクチャーDVDです。
かつてビデオで販売されたものですが、現在、ビデオ版はほとんど出回っていないようです。

正直なところ、これだけたくさんの人がいろんなネタをしていれば、興味がまったくそそられないネタもありました。
が、それ以上に「これはいいな」と思わされるネタも多くありました。
費用対効果はかなり高いと思います。

その中でも、気になったものをいくつか。

「シェイク・ウェル・ビフォア・ユージング」は目を疑いました。てっきりギミックデックを使っているのでは、と思ってしまったのですが、
完全にレギュラーデックです。難易度は高めのような気もしますが、人によってはそんなに苦しまないでできてしまいそうです。

「タイム・ファイルズ」は腕時計に挟む挟まないはともかくとして、技法として勉強になりそうです。

「ザ・ミステリー・オブ・ザ・セカンドフィンガー」はその見事さに目を奪われました。
しかし、ワンコイン・ルーティンはなぜかあまり非手品人にウケがよくないような気もします。

「スメル・ディス」は観客の匂いをかぐ部分があります。
演者のキャラによってはウケるでしょうが、逆に、すごくいやがられる場合もあるでしょう。
クライマックスはどういう理屈がついてるのか、早口でよくわかりませんでした。

「ザ・バースデイ・カードトリック」は「Magic Farm」にも類似演技があります。
が、こちらの方がシンプルでいいかも。好きずきですが。
「ビー・アネスト・ワット・イズ・イット?」も、こちらの方がいいかもしれません。
少なくとも、観客を混乱させることはないと思います。ただ、その分シンプルすぎるきらいがないでもないですが。

「ウィンドミル・ムーブ」は、Green師の動きがなんとなく硬いように見えました。
なので、ちょっと魅力に欠けます。
あと、今年出たDVDよりも少しやせてるようにも見えました。
小熊。

「スタークル」は、個人的にこのDVDの中で最高のトリックです。
他がカードばかりだからそう感じたのかも知れませんが。
誰かと食事をしているときに、これだけをさりげなく演じたら、すごく恰好良いような気がします。

「リップ・イット・レボリューショナイズド」は、我らがジョニー広瀬師です。
不思議ですし面白いんですが、ただ、日本円でやるのはちょっと難しいかもしれません。

「アンフ!」は、「London Collection」に入っているものとは、厳密には異なります。
一部、演じやすくなっています。

「ザ・フィジェッシング・カード」は大変に不思議です。
第一段と第二段は、正直あまり惹かれないのですが、オチが最高。

「スナップ・クラックル・トップ」は賢い解決策です。
ボディー・モーフィン』に類似のものがありますが、こちらのほうが一歩進んでます。

「フューリー・ローディッド」は、油断していたらやられました。
解説を見て二度びっくり。

「E-Zトンネル」はヒロ・サカイ師の手順です。
なんていうか、「賢い」の一言に尽きます。こういう何気なくあっさりしたことをする人は大好きです。
と、わたしに褒められても師は嬉しくないでしょうが。

「ザ・ポーカー・デモンストレーション」はなかなか面白いです。
が、どういう演出で演じたものか、悩みます。

「ワダ・ワイルド・カード」はよくできたワイルドカードです。
あっさり終わるあたりがすばらしいです。

2004.12.20

★価格帯

DVD

店名 価格 所在地
G’sファクトリー 5500円 大阪
THE MAGIC WAREHOUSE $31.00 アメリカ
Hank Lee $31.95 アメリカ

★評価

鑑賞 ★★★★☆
実用 ★★★☆☆
難易度 ★★★★☆