ちょっと解説?

主にかっこうが小説を書く上で集めた資料をまとめてみました。より麗夢世界を楽しむための一助になれば幸いです。

草薙の剣

 上古、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した時にその尻尾から切り出したという剣です。元は天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)といい、天照大神が下界に落として失っていたのを八岐大蛇が呑んでいたそうです。草薙の剣の名は、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征し、火攻めにあってピンチに陥った時、この剣を振り回しただけで周囲の草がきれいに倒れ、尊の命を救った、との故事に由来すると言われています。ただ、古語ではくさなぎは蛇のことを示すとも言われており、そうなると蛇の剣と言う意味になります。研究者の中には、そこから推察して刀身が蛇の様に曲がりくねった姿だったのかも、という意見もあります。
 この剣は名古屋にある熱田神宮の御神体であり、朝廷が三種の神器として都に保管してあったのは、熱田神宮のレプリカだという話もあります。
 ところで、作品中の草薙の剣の形はちょっと・・・。剣は両刃でも片刃でも当時は余り区別なく剣と言ってみたり刀と言ってみたりしていたようなので、刀のような形は許容できるのですが、あの智盛が持っていた様な反りが刀身に生まれたのは、平安時代のこと。とても、歴代天皇家が伝えてきた三種の神器たる草薙の剣が反りを持っていたとは考えられません。平安時代になってから、熱田神宮の本物を平安風にアレンジして複製したのが伝わったのか、美衆家の言い伝えが間違っていたのか、ちょっと謎ですね。

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