スタイル FT817

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届いた!

単3電池8本で動作するオールバンドオールモード機FT817が発売になりました。情報を仕入れた直後に予約しました。発売日9月29日に展示機は販売店に届いたようですが、客注分が僅かしか来なかった様で、名南無線日進店のマスターに無理を言って展示機をわけて頂きました。
本体、マイク、アンテナ、ベルト、マイクハンガー、取説、保証書が入っていました。本体の小ささに感動しました。

小型化の為、調整コイル類が従来の1/3の厚みの特製品。パーツに懲りすぎてて品薄なのかな!?

聞いてみた!

超小型なので「受信音が悪いんだろうな」と、タカをくくっていました。2mSSBで運用する横でモニターとして音を出してみました。カチカチした素直な音が出てきます。ただ、中〜大音量にすると割れ気味(当たり前)!
付属アンテナの性能はイマイチです。6mコイルを付け長くしてFM放送の受信をしましたが、別で持っていた430専用ハンディーホイップの方が綺麗に受信できました。アンテナは高性能品を別途購入されとFBでしょう。

前後2つあるANT端子は、50・144・430・HFそれぞれで前後の選択が出来、便利になっています。

押してみた!

パンフレットで見ると多機能ですが、操作用ボタンが少ないのでどんな操作で扱うのかと、不思議に思っていましたが、ファンクションスイッチとセレクトツマミで機能選択メニューを選び、ダイアルツマミで変更する方法でした。
ハンディー機VX5(今年初め購入)の操作に良く似ている為、違和感無く操作できました。英語表示ではありますが、ディスプレイに表示される変更したい項目を選択する方式の為、慣れれば取説無しで全然心配不要です。

正直な処、慣れるまでは操作が大変だと思います。使っているうちに慣れちゃうと思いますよ!

触ってみた!

工場出荷時設定を自分用に変更。まずはCWモード。サイドトーン音量を下げ、ディレイタイムを10msに設定。10msはフルブレークイン感覚でQRV出来ますが、リレー音が少し気になります。でもIC706とあまり変わりません。
マイクゲイン調整は各モード50から35に下げました。IC706で聞きながらの調整では、大声の私はもう少し下げた方がいいかな?マイクは握り心地の良い大型で、LANコネクター大のマイク端子に差し込む方式です。

リグ手前の「箱」はシールドバッテリーです。カタログでは単三アルカリ8本で2時間弱。電源は別途で欲しいです。

のぞきこんだ!

FT817の背面には固定機並の端子があります。昔使っていたFT690・290には、照明、ノイズブランカのスイッチとアンテナ端子のみでした。キー端子、アース端子、電源端子、アンテナ端子。小さな機械でもパケットやRTTY機器を繋ぐ事が出来る事が常識になってくるんでしょうか?ACC端子、データ端子もあります。
両サイドには突起があり、各端子にケーブル等が刺さっていても本体を立てアンテナを垂直で使う事が出来ます。

6mでは山岳移動運用でRTTYを楽しまれている方もおられるとか...私もはじめてみようかなあ!

144MHzで使ってみた!

144MHzSSBでの交信にFT817を使ってみました。その日の「移動運用日誌」です。初め144.195MHzで出ていました。電話で中断の間に144.200MHzに強力な局がQRVすると、144.195MHzは被ってしまってNG。144.190MHzまで逃げたら大丈夫でした。IC706Gと比較すれば混変調には若干弱い印象ですが「困った」と思う程では決してありません。
送信音声は、各局から「自然な信号」「良い音」と、レポートを貰いました。マイクゲイン少し低めがFBな様です。

シガープラグ電源供給で長時間安定した5W出力を得る事が出来、送信時電流2Aの小ささを実感しました。

50MHzで使ってみた!

50MHz山岳移動にFT817を使いました。当日の「移動運用日誌」です。運用は祭日で、沢山信号が聞こえておりました。強力な信号が出ると20KHz程離れた周波数でモゾモゾ感があり、ビーム方向など工夫が要りそうです。
満充電状態12.5Vの6AHシールドバッテリーは、3時間以上最高出力5Wを維持する事が出来ました。終了直前には送信時電圧は10Vを切りました。自動で出力2.5Wに下がりましたが対応電圧範囲は広いおかげで、送信信号の劣化(USBをLSBで聞くような信号)がありませんでした。安心してバッテリー運用できるFT817に満足です。

電圧降下の変調異常は、送信側は気がつかないもので、FT90MK2以前の機種使用時は困りました。

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すばらしい贈り物「FT817」

アマチュア無線をはじめて間もない頃、YAESUから出ていたポータブル機「FT690」に巡り会いました。50MHzオールモード機、単2電池8本で動く弁当箱トランシーバです。当時、近所にあったダイエー芦屋浜店で荷役のアルバイトをし、せっせと貯めたお小遣いを握りしめて日本橋の無線屋さんに買いに走りました。手に入れたときの感動は10数年経った今でも覚えています。開局したての頃は、これを持って毎週のように六甲山系に登ってCQCQと大声を出したものです。楽しかった想い出がいっぱいです。

「FT817」の登場は、私にとってはアマチュア無線に明け暮れた青春の再来です。僅か2.5Wのパワー。飾り気のないデザイン。実用本位で、豪華な最新技術とは無縁の回路構成。でもそんなマシーンが好奇心旺盛だった頃の少年の心を沸き立たせてくれました。1回1回のQSOに驚喜したあの頃が戻ってきたかのようです。

ずっとずっと電池で動作するオールモード機の登場を待望しておりました。私も人並みに年齢だけはおっさんになり、自家用車であちこちうろつくようになりました。アマチュア無線市場ではコンパクトモービル機が幅を利かせ、山に登っての運用は重装備になってしまいがちです。その様な環境が、私の移動運用を中途半端なものにしていたように思います。また、世間一般の移動運用というジャンルは、敷居の高いものになっていたのではないかと思います。徒歩で小高い場所を目指して楽しむ純然な「移動運用」が気軽に楽しめるようになりました。モービル機やFMハンディー機だらけのラインナップに嫌気がさした。かといって大型機を入手してまで楽しもうとは思っていない。そんなアマチュア無線から遠ざかっていた人たちがたくさんたくさん戻ってくるような予感がします。

数年前まで、出る隙間もないほど賑やかだったV・UHFバンドから、信号が聞こえてくる事が希なほどシンとしてしまいました。愛好者人口の減少はいろいろ言われていますが、その一因は競争メーカーの動向を気にし過ぎ、同じ様なマシンばかり市場に出し続けてきたメーカーにもある様な気がします。なぜ今までFT817の様な個性的元々個性的では無いのだがアマチュア無線市場がそうしてしまったなマシンが出てこなかったのだろうか不思議で仕方ありません。アマチュア無線機器メーカーがFT817の追従を図って、そのうち新製品を投入してくるでしょうが、オリジナリティー満点で購買心をくすぐるマシンの登場を願います。メーカー各社へ オリジナルアイデアあります お気軽にご相談ください!

アマチュア無線を取り巻く市場環境は大変厳しい昨今。YAESUさんは素晴らしいプレゼントをしてくれたと思います。まるで私に「使ってくれ」と言わんがばかりの欲しかった機能が満載です。FT817は、私だけが欲しかったマシンでは決してありません。世のアマチュア無線家、アマチュア無線を志す人たちの多くが欲していたマシンです。FT817を手にした方々が、長く、楽しく、そしてオリジナリティー満点のアマチュア無線ライフを楽しんでいけることを心から願います。