海・・空・・風・・生きる力にかわるとき<<シナリオ>>

<第1部>

川野 「おだやかな 波やなあ」
上地 「あの島で見た光景と同じだわ。目を閉じると今もあの日の唄がきこえるの・・・」
川野 「みんなどうしてるかなー」
上地 「きっと、どこかで同じこの空を見ているわ・・・あの時、あなたに出逢えて、本当によかった・・・」

曲1 遠いあの日の子守唄

小西 「私は、ちょっと名の知れた小説家。しかし、このごろなぜか書けなくて・・・
    新しい出会いを求めて・・・いや、本当は編集担当者からのがれるためにふら〜っと旅に出た・・・
    海はしずかだ・・・それにしてもこの船にはいろんな人が乗っている・・・
    幸せそうなあの2人は新婚旅行かな?こちらのビジネスマンは、ひどく疲れているようだ・・・あの男の子、さっきからずっとお母さ     んに怒られているよ・・・
    私は、心のレンズをぐっと近づけながらそれぞれの人生ドラマを想像してた・・・
    と、その時・・・」


川野 「えーっ?!なんでー?!ここはいったいどこやねーん?!
    おいっ!おいっ!」
上地 「キャーッ!あなたは誰なの?!やめてーっ!こっちへ来ないでーっ!!」
川野 「おまえこそ 誰やねん?!」
尾林 「起きて!起きて!起きて!」
市原 「お母ちゃ〜ん・・・お母ちゃ〜ん!!」
矢野 「しょうご!!こっち、こっち!もう、アンタは・・・お母ちゃんから離れたらあかんって言うたでしょ!!」
和世 「ちょっとー!どうなってんのよー、みんなこけてはるやーん」
西池 「さっきと場所がちがうではないか。どうしたんだ!!せっしゃは俳優でござる!カメラはどこで回ってござるか!!」
和世 「ちがうがな、亀吉さん、ここ撮影現場とちがうわ!
    そや梅子は? 梅子!梅子!!」
中  「なに?!なに?!なんなのよー!!今、私は誰なのー!!
    顔・・・顔・・・つぶれてない?
    女優は顔が命なのーっ!!」
真治 「えらいことになってしもたー!!ほんまにすんまへんな〜
    ワシとこのまぐろ漁船とぶつかったんですわー」
松石 「すんまへーん」
川野 「それで海に放り出されて、ここまで流されてきたんかあー?!
    そや!携帯電話・・・ピピ・・あっかーん 通じへーん・・・」
山本 「OH MY GOD!!」
亀谷 「ジョ−ジ!ジョ−ジ!!Unbelievable!!」
上田 「わあ〜ん・・・ここはどこなの〜
    みんなどこにいるの〜 家もないよ〜 なんにもないよ〜
    ここは無人島だよ〜 わあ〜ん・・・こわいよお〜」
高橋 「みなさーん、落ち着いて下さーい!!」
田中 「あの人、TVでみたわ。世界的有名なマエストロ、Mr.タカハシよ!!」
中沢 「ボク達、新婚旅行の途中なんだ・・・あこがれのハワイ航路をゆくはずだったんだ〜なのに〜 とよこ〜 もうダメだよ〜」
田中 「あ〜 みのるさ〜ん・・・」
高橋 「あきらめないで下さい。♪ いつも〜 こころに〜 つばさがあれば〜 ♪
    さあ、みなさん、ボクのこのタクトについてきて下さい」

曲2 山鳩のように

江波 「あーあ、ぼくは翼の折れたエンジェルだ・・・」
中   「もう、何日ここにいると思ってるのっ!!あなたマネ−ジャ−でしょ、なんとかしな さい!!」
和世 「そんな怒ったらベッピンだいなしやでー」
中   「シャワ−も浴びてないのよっ!なんだかにおうのよ!
    なによ、ボサボサの髪をしてー。それに、ベッドがないと眠れないのーっ!!」
和世 「そんなんやから、わがまま女優って言われるねん!!
    あんたと仕事するより、ここにおる方がましやわ!!」
中   「私は女優、松竹梅子よ!!ヘリコプタ−をチャ−タ−しなさい!!」
和世 「地球は、アンタのために回ってんのんかっ!!」
江波 「お姉さん達、元気ですねー。あーあ、家で妻と子供が13人まってるんです・・・
    このまま会社に行けなかったらリストラ決定です・・・あ〜」
高橋 「元気を出して下さいよ。さあ、みんなで唄いましょう」
小田垣「こんな、なんにもないところで、どうやって唄えというのですかアー?!」
門内 「そうよ。ピアノもないし、マイクだってないじゃない!!」
高橋 「この青い海・・・小鳥のさえずり・・・つきぬけるような空からのスポットライト・ ・・これだけで充分だ!!ほらっ、手拍子もあるじゃな    いですか!!」
久保田「この島はなんだかおもしろそうだ。恐竜が生きてるかもしれない。
     こんな物がおちていた」
高橋 「ウーン・・・いい音だ・・・」
久保田「さすが、マエストロ。樽がドラムになってしまった。」

曲3 沈む夕陽と(アカペラ編曲)

上地 「ああ、なんて気持ちがいいの・・・生まれたての朝ってこんなにおいがするのねー。
    船長さん、そんな悲しい顔で自分ばかり責めないで。誰のせいでもないわ。
    みんな、ここで出会う運命だったのよ。ねえ、もう少し森の中歩いてみましょうよ」
          
曲4 散歩道

川野 「なーんもすることないなー」
山本 「イマ、ナンテ、イイマシタ?」
亀谷 「ワタシタチ、オオサカベン、ワカリマヘーン」
川野 「空って、こーんなに広かってんなあ。俺がうろついてたビルの谷間からは
    空が四角に見えててん・・・」
山本 「ナニガ、ナンダカ・・・」
川野 「おい!ボウズ。大きくなったら何になりたいねん?」
上田 「ぼくはねー。画家になるんだー!!」
市原 「ぼくはウルトラマンになるんだもーん!!」
上田 「ウルトラマンになんか、なれるわけないじゃん!!」
市原 「なれるもーん。空だって飛べるよー!!」
矢野 「しょうごー!!マ−くん!!やめなさーい!!」

曲5 青い空の下で

真治 「ケンちゃん、魚つりでもしよか?ヨッコラショ−。セ−ラ−マンってカッコええなあおんなじ船のりでもワシらと全然ちゃうわ、なあ、     松つあん!!」
松石 「痛いなー」
小橋 「僕なあ、ハワイに行きたいねん。大好きな彼女と2人っきりで・・・」

曲6 航海

小橋 「あそこの山の向こうには何があるのかなー」
久保田「そやなあ、何があるのかな?行ってみようか」

曲7 あの山の向こうに

                                

小橋 「見て、見て!大漁だ。今夜はごちそうだ!!」
金   「うまいこといかへんなー。いくら一流シェフのボクでも、こんなことはやったことが ない。レンジがあればチーンやのに」
尾林 「ちょっと、かしてみい。あかんなあ、きょうびの若いもんは。すぐ物にたよる。
    昔はこうして、つきっきりでゴハン炊いててんで。なんにもできへんとか文句ばかり 言うてるけど、昔はな、遊ぶのかて、ゴムひも    1本あったら何人でも一緒に遊ぶこと 出来てんよ。」
金   「明子さんと居たら、心が和むなー。故郷の母ちゃんみたいや。日本一のシェフになる まで、帰って来たらあかんって言われてるん    です。」
市原「お母ちゃん、こんなん家で食べたことないなあ?」
矢野 「なあ、しょうご。お父ちゃんとお姉ちゃん、どうしてるかなー?
    ちゃんと、ごはん食べてんのかなー?」

曲8 私のたからもの

久保田「あーっ!!船がこっちに向かって来てます!!おーい!こっちだ、こっちだー!!」F  「僕達は、世界を旅してるミュ−ジシャン     。煙が見えたので寄ってみたんです」
小橋 「僕達は、事故でここへ流されてきたんです。たすけて下さい」
F・T 「わかりました。みなさん、ファニ−タウン号にのって下さい」
金  「ちょっと待った!!せっかく、みんな縁があって、ここで出逢えたんだ。
    最後の晩さんをしよう」

曲9 夏の青い海と空
                   
曲10 All Right

川野 「おい、おい、おーい、船が離れていってるでー!!」
F・T 「しまったあー!!船をつないでおくの、忘れたあー!!」
全員 「あ〜あ」
F・T 「まあ、いいか。楽しくなってきたし。僕らもここにいよう!」

中  「すごーい!すごいわー!!星に手が届きそうよー!!」
阪口 「梅子、あかんって!そんなに回ったら目が回るでー!!」

曲11 星のかけら

小西 「私は長いあいだ、スランプにおちいっていました。でも、今、新しい小説が書けそうだ。あの星は、何億光年も向こうからの光が今     やっと届いてこうして輝いている。我    々の命も同じです。暗い海の底で息絶えることなく、又、大地に立つことができたん      です。この命を永遠に、ここで出逢って共に生きた輝きが永遠の未来につながるよう、私は祈りをささげよう」

曲12 夜空の星

<第2部>
曲13 今日の風 1番のみ

田中 「あなた、あそこにこんなものがあったの。何か書いてあるんだけど・・・へんな文字」
中沢 「どれ、どれ?これはすごいよ。古代のラブレタ−だ。
    ”君はそよ風のようだ・・・ぼくの心に夢を運ぶ風だ・・・”って書いてある」
田中 「さすが、稔さん。きっと昔、ここにいた恋人達が永遠の愛を誓って
    土の中にうずめたのよ」
中沢 「僕も君への愛を誓うよ。とよ子」

曲14 君はそよ風

山本 「オ−、ヘリコプタ−!!カモ−ン、カモ−ン!!」
全員 「カモ−ン、カモ−ン!!」
真治 「あれーっ?!ヘリコプタ−が回り出したーっ!!あぶないっ!!おちるーっ!!」
全員 「ウワアーッ!!」
                  
山下 「痛ったあ〜!これは、なんなのでしょうか?
    八木さ〜ん・・・大森さ〜ん、2人ともどこへ行ったんですか〜
    八木さ〜ん・・・大森さ〜ん!!」
大森 「山ちゃ〜ん、ヘリコプタ−がこわれたみたい」
八木 「たいへんなことになってしまったよ」
山下 「そんなあ〜、わたし達どうなるの〜ここは、どこなのかなあ?
    あーっ!人がたくさんいる。みなさん、何をしてるんですか?」
中沢 「ここは、無人島です。誰も助けが来なくて、もう何ヶ月もここに。
    あのヘリで助けて下さい」
大森 「だめです。あのヘリはもう動きません」
八木 「そうか、じゃあ、帰れないね。しかたないねえ」
田中 「あなた達は、だーれ?」
山下 「知らないんですか?倉敷が生んだシンガ−、八木たかしとその仲間達。
    空を散歩していたら、落ちちゃった・・・んです。
    もう、帰れないんですねえ〜。でも、なんかきれいな所ですね・・・
    これは、これは、住めば都とはよく申したものじゃ・・・
    なんだか、ワクワクしてまいりました・・・唄でも唄いましょうかねえ〜」

曲15 何にもない空
曲16 あの頃

山下 「みなさん、そんなところで何やってるんですか?
    さあ、こちらでいっしょに唄いましょう」

曲17 メドレ−

上田 「きれいだなー。ほんとうにきれいだー。いっぱい描いて、お父さんとお母さんに
    見せよう!
    でも、困ったなー。海も空も大きすぎてボクの画用紙には入りきらないよーっ!!」
高橋 「君の心のキャンバスには、限りはないんだよ。息をいっぱいすいこんで
    無限の夢を描くんだ!!」
矢野 「この子達が大人になっても、この空も、海もこのまま残してやりたいなー」
和世 「梅子、今度のロケはこの島で決まりやなー」
中   「そうね!私、今までいろんな役を演じてきたけど、自分しか見えてなかったわ。
    ちがう所で生まれて、ちがう所で生活してきたみんなが、同じ時の中でいっしょに笑ったり、涙を流したりできるなんて・・・ここが熱    いわ・・・」
山本 「ミナサーン、アッタカイデース」
亀谷 「ココニキテ、ミンナトデアエテシアワセヨ!」
川野 「俺、今からでもやり直せるかなー。オッサン、俺もまぐろ漁船にのせてくれるか?」
真治 「よっしゃ!!そやけど兄ちゃん、そんなほっそい体ではあかんで。
    これぐらいにならんなー。」
上地 「私、最初あなたが怖かったわ。本当は優しさをかくしていただけなのね。
    私、箱入娘だったから、何も知らなくて、びっくりしてばっかり・・・
    でも、もう箱には入らない。自分の足で歩いていくわ」
金   「もう、誰かの助けだけを待っているのはやめよう!みんなで船をつくろう!
    ボクらの船をつくろう!まだまだ、人間の力は、こんなもんじゃないぞ!!」
江波 「元気が出てきましたよー。僕の人生、これっきりじゃありませんよね。
    未来が僕たちに近づいてきてますよー!!」
                                 

曲18 扉のむこう
曲19 季節

中沢 「ここに僕達の足跡を残していこう」
小橋 「みんなのこと、忘れないよ」
川野 「空は、ひとつしかないもんなー。それぞれの場所に帰っていっても
    みんな、どこからでもこの空、見えるよなあ。
    なーんにもない島やなかったなあー。この島は」
小西 「こうして目を閉じて、大地にしっかりと足を踏んばっていると
    伝わってくるんです。命の足音が・・・。
    耳をすましていると、きこえてくるんです、みんなの息づかいが・・・。
    この空も、海も、風も、緑も、みんなの声も、
    見るもの、きくもの、感じるものすべてが私の体の中で
    限りない力に変わっていこうとしています、限りない力に・・・。」

曲20 JOY
                                
市原 「船が出来上がったぞー!!」

全員 「ワアーイ!」「ヤッターッ!!」「バンザーイ!!」
亀谷 「オー、ワンダフル!!」
山本 「スゴイフネダ!!ハヤクイコウゼ」
田中 「みのるさーん、今度こそ帰れるわー!!」

曲21 僕にもできそうだ

高橋 「さあ、みなさん、陽が沈む前に船をこぎ出しましょう!」
中   「もう残ってる人はいませんかー?」
尾林 「なにやってるの?」
江波 「記念に土をもってかえるんです。13人の子供達に見せてあげるんです。」
尾林 「なんか、青春ドラマみたいですねー」
上田 「きれいな夕陽だなあー!!」

”フィナ−レ”

曲22 明日へ冒険
曲23 前へ


合唱団パンダの歩み

オリジナル曲の紹介(全146曲の曲名紹介)


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