(仏道要集)
二、四種法界
『華厳経』に四種法界(ししゅほっかい)という世界観が説かれている。事法界(じほっかい)・理法界(りほっかい)・理事無礙法界(りじむげほっかい)・事事無礙法界(じじむげほっかい)である。
事法界とは、現象の世界である。すべて現れている通りのすがた・現象が事法界、事象の世界である。
理法界とは、真理の世界である。言葉では表せない体験そのものの世界である。
理事無礙法界とは、現象として現れている世界と真理の世界は別々のものではなく、現れている世界そのままが真理を含んでいる。つまり真理と現象とが隔てがない、障りがないことをいう。
事事無礙法界とは、華厳宗で説く究極の世界である。すでに現れている事象が真理を含んでいるので、その事象が互いに無礙であり、隔てがない。言いかえれば、ありとあらゆるものが互いに交わりながら生滅転変しているということである。このことを重重無尽法界縁起(じうゅじうゅむじんほっかいえんぎ)という。
この説を具体的に説くと、上下四方八方が全部鏡でできている部屋の中に一本のロウソクを置くと、ロウソクが無限に重なり合いながら鏡に映る。このようにありとあらゆるものが果てしなく重なり合っていくことをいう。
また、この伝授会一人一人異なった所から様々な手段で参加されている。私一人がここで話しても集まりとはならない。部屋も机も照明もはたらいている。このようにとらえると、ありとあらゆるものがこの伝授会に力を与えてくれているということになる。これが重重無尽の縁起である。縁起そのものに善い悪いはない。それぞれがはたらいていて共に影響を与えていることが縁起である。そうすれば縁起でないものはないといえる。
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