物語最初の夢魔です。文字通り人の夢に巣くい、人に悪夢を見せてその命を啜る悪魔という設定です。夢の中では上半身は人間体、下半身は絡み合ったタコの足、と言うか、植物の太い根のような触手が無数に絡み合った姿で、その下半身部分で豪徳寺美雪をからめ取り、いたぶっていました。全身緑色ですし、一応植物の化身のような設定なのかも知れません。そのままでも一種の超能力で戦うことが出来ますし、多数の下級夢魔達を従えており、集団で襲わせたりすることも出来ます。
ただ、この姿は人間の命を貪るためのもののようで、本気で戦闘する際には、ちゃんと2本の足で立つ、巨大な蛮刀をふるう筋肉質の巨人に変身します。化け物役なのに意外に美男子で、雄大に曲がりくねった二本の角も結構格好良く見えます。戦闘力もそれなりに大したもので、変身したアルファ、ベータをひとなぎで叩き伏せる位はでき、変身した麗夢に対して刀傷を負わせ、一事は優位に立ってもいます。ただ、気合いの入った麗夢の剣に自分の剣をはじき返された途端、戦闘意欲を失う辺り、案外だらしないもろさを見せます。多分これまで自分が不利になる場面を迎えたことがなかったのでしょう。それでも勝利への執念はなかなかのもので、自分が不利になった途端美雪を人質に取る卑怯な戦術に切り替える割り切りの良さで、ついに麗夢を捉えることに成功します。その後、夢を脱出した麗夢に誘い出されて夢から現実世界に姿を晒し、本性である巨大なドラゴンになって暴れるまでは良かったのですが、麗夢の拳銃に片目を撃ち抜かれ、謎の修行僧(円光)の投げつけた錫杖が首に刺さり、最後は麗夢の愛車の特殊装備であるグレネードランチャーの一撃にとどめを刺されました。かっこうが思うに、麗夢が脱出した後もぐっと我慢して美雪の悪夢に留まっていれば勝機もあったかも知れない、と思ったりしたのですが、出ていってしまったものはしょうがないですね。やはり経験不足と言うところだったのでしょう。
さて、一応「魔王」と名乗っている彼ですが、例えば死夢羅と比べたらどちらが強いでしょうね。ムックでは、死夢羅っぽい顔つきの魔法使いを配下に置いている設定もあったらしい魔王ですが、ただの自称「魔王」なのか、それとも死夢羅も一目置くほどの強者なのか、その辺りを考えてみるのも、同人的楽しみに活かせそうな気もいたします。
|