歳をとれば、広々とした田舎で、好きな陶芸、木工、家庭菜園など、
たまには夫婦で鄙びた田舎の温泉につかって、のんびりと暮らせたら
いいのだが・・・・大阪市内、近郊の都市で生活している人が抱く夢
の一つでしょう。
1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月頃、
今から29〜34年ほど前は、経済が右肩上がりの時代で、俗にいう
バブル時代にあたり、当時40歳すぎの者にとっては、老後はバラ色・・
はちょっと言い過ぎですが、でも、少しは期待が持てたように思えました。
・・・・・
今の時代はどうでしょうか?
週休2日制が一般的になったとはいえ、朝5時に起き、夜8時、
9時帰宅が普通、土、日にも場合により勤務、くたくたになって過労死
になる寸前、雇用形態も終身雇用が前提から、派遣等の雇用形態が
広まりつつある不安定な状態(非正規雇用者が労働者全体の約40%) 、
年金は10年先、20年先にはどうなっているのやら? 本当に大変な時代
がやってきたようです。
・・・・・・
団塊世代が一斉に退職した時期から10年程が過ぎようとしています。
これから定年(一応は60歳、でも65歳〜70歳ぐらいまでは働く人も多い。
また、近い将来には、少子化がさらに進み、年金だけでは到底生活が
できなくて、否が応でも70歳ぐらいまで働くのがごく普通の時代になって
いるかもしれません。一昔前では高齢者といえば60歳以上、今では
75歳以上をいう時代です)を迎える50代の人達にとっては、これからの
人生をどのように展開すべか、考える必要もあるでしょう。
夫婦で命がけで家庭を築き、働いてきて、こどもの将来も見えてきた
、ここらで少しゆっくりして、手始めに週末の田舎暮らしをしながら、
残りの人生を趣味に没頭し、体力づくりに励み、精神の安定を保てたら
幸せだな、と思われる方もおられるでしょう。
一人で田舎暮らしをしてもつまらないものです。一番大切なことは、
夫婦、子供や孫達との家族の絆が高められる場であれば最高です!
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田舎の風景 |
中山間地域の農業 |
囲炉裏のある生活 |
都会人の憧れ |
耕作放棄地(手前) |
心が癒される |
下記は、「田舎暮らし」をしていくための留意点を
記載しています。
工房主の独断、偏見、私見もかなり入っていますので、そのことを
踏まえて、参考としていただけましたら幸いです。
*大阪市内、近郊から日帰り可能、1泊をすれば、相当満足できる
場所、
奈良県東吉野村、御杖村、曽爾村、宇陀市室生など
三重県名張市、松阪市飯高町、伊賀市など
標高400b〜600b程度の緑豊かな山間部(中山間地域)
での「田舎暮らし」を前提に記載しています。
(1)目的をはっきりさせることが、一番に重要です。
(a)自宅が手狭なため、木工、絵画、工芸、手芸、陶芸など
作品をひろげて制作する場(アトリエ)としたい
(b)家庭菜園がしたい
(c)高見山、三峰山などの登山、鮎つりの基地
(d)道中で食事をし、温泉につかって、のんびりする場
(e)2世帯で暮らしているので、たまには離れて過ごしたい
(f)避暑地として活用、バーベキューなど団欒の場
(標高400〜600bの山間部は、真夏でもクーラーは不要
で、都会暮らしをしていると、極楽の場です。
冬季は薪ストーブのふさわしい場所です。)
(g)その他
・鶏、山羊などの飼育
・陶芸
・仲間、家族でカラオケを楽しむ
・ピアノなど楽器の練習場所にする
・鉄道模型などの趣味の場とする
・大型テレビで、映画を思う存分に鑑賞など
目的をはっきりさせることが、有効活用につながります。
ログハウス、山小屋、民家などは、費用をかければ立派な
物が出来るのは当然のことです。でも、そこで何をする
のかが、 一番大切なことのように思われます。
バーベキュ−を2〜3回して、もう終わり。これでは、あまり
にも、もったいないことです。
(2)夫婦、家族で十分、話し合いましょう。幸せな家族づくりが、
一番の目的です。
(3)資金計画は余裕をもとう
田舎の土地、家を担保に融資を受けることは、現在では
困難(原則的に無理)です。
余裕のある資金計画をたてる必要があります。販売価格
(総額)だけでなく、登記費用、仲介手数料や築年数による
経年劣化で、それなりのリフォーム工事などの経費が必要です。
また、万一、売却したい時には、都会の駅前の土地、建物に
比較すれば流動性に劣ることは事実です。
物件を求められたお客様に、このことを説明しましたら、「十分
承知しています。高級車でも、10年経過すれば、評価額は、
ほぼゼロですね。そのように思って買います。これから10年、
十分、家族で楽しんで、元をとるようにします」と言われたこと
が、強く印象に残っています。
後々のことも考えて、「田舎暮らし物件」を購入するように
しましょう。
(4)目的によっては、中古物件で十分
高齢のため、活用していただける方に譲りたいという方
もでてきています。平成2年から5年頃に建築された比較的、
管理の行き届いた物件で600万円〜900万円前後で手に
入れることも可能です。
(5)個人での取引、登記事務は、注意が必要です。
インターネットで、売り主、買い主ともに手数料が不要を
うたって個人が、自ら所有されている土地、建物を売りに出され
ていることがあります。宅地、建物の取引で、「業」として行う
こととは、@不特定多数の者を相手方として A反復、または
継続して行うことをいい、これ以外であれば、法律的には違反
ではありません。
ただし、一般的にいって、買い手側が極めて不利です。
とりわけ「田舎暮らし物件」は、土地、建物が持っている固有の特質
(瑕疵、欠点)を見極めること以外に、法律的制約などにも、
十二分に注意する必要があります。
完璧な物件は、まず無いと思えばよいでしょう。都市計画外で
建築確認申請、許可などの手続きが不要の物件があります。
法的に不適合のため、再建築不可の物件も市街地であっても、
珍しくはありません。また、定住を前提にしていないために、
簡素な基礎の建物もあります。
そのため、専門家の宅地建物取引主任士が行う「重要事項説明」
の記載内容を正しく把握する必要があります。
「重要事項説明」の説明が適切に行われた対価として、報酬が
支払われることになります。(手数料は、法律で上限が定められて
います)
登記事務も同様です。個人間で登記は可能です。親子などの
相続登記では、法務局でも無料相談にのってもらえ、インターネット
でも申請書式が公開されています。それほど難しくありません。
ただ第三者間での売買で、決済、登記をすることは、あらゆる
事態が想定され、一般的には避けた方が良いでしょう。
専門家の宅地建物取引主任士、司法書士や、必要に応じて
土地家屋調査士、行政書士などに委ねるのが、無難です。
「絶対に法的トラブルは避ける」、の気持ちが必要です。
*命に次いで大切な宅地建物の取引では、細心の注意を払って
ください。
「餅は餅屋」の諺が参考となります。
*世はインターネットの時代ですが、不動産取引をすべてインターネット
で完結させるのは無理です。信頼できる地元の取引業者にも
相談されるのが無難です。
(6)基礎的生活基盤の確認を十分にしましょう。
「田舎暮らし」が目的とはいえ、道路、鉄道、電気、水道、通信
などの社会的 生活基盤(インフラ)の確認を十分にしましょう。
とりわけ、 「水」が一番重要です。
都会の物件と同じで
@南向き
A平坦
B進入路の道幅がある
C周りの環境、周囲の景色が良い
D70〜100坪程度の土地
E隣との間隔がある。
F公的水道の敷設が可能
G浄化槽が可能
Hケーブルテレビ、インターネットが可能
I携帯電話が可能
その他、条件はいろいろとあるでしょう。
「田舎暮らし物件」で、これらの条件を完全に満足させる物は、
まずありません。特に、隣家と離れていて、広々とした所には、
公的水道が不能のため、井戸、谷水に頼らざるを得ない場合
が多く見られます。
井戸では、水量に限りがあること、谷水の場合、水量が
不安定のため管理に手間がかかることを承知しておく必要が
あります。
*井戸水、谷水は、直接の飲用は不可です。
井戸水、または谷水のみの場合、定住は不適です。
特に標高400b以上の寒冷地では、冬季の「凍結」を防ぐ
ための「水抜き作業」も必要となってきます。
*月に2〜3回程度使用のセカンドハウスと、毎日生活
する定住の家では、「水」の重要度が大きく異なります。
定住の場合は、公的水道が敷設されている(可能)
物件を強くお勧めします。
(7)夫婦ともに運転免許があるとよい
バスの便があっても本数がわずかで、「緊急時」のためにも
車が必需品です。
定年後といえば、60歳を超えていますので、体力差が大きく出
てきます。 夫婦ともに免許があれば大変心強くなります。
(8)「週末、田舎暮らし」セカンドハウスとしての活用が無難。
大阪市内から、従来の西名阪に加えて、南阪奈道、高田バイ
パス、中和幹線の利用で、2時間程度で楽に行けます。日帰り
でも十分に可能で「週末田舎暮らし」「セカンドハウス」として,
ふさわしい場所といえます。
*完全移住の場合は、2〜3年セカンドハウスとして
経験を積まれてからをお勧めします。
標高400〜500m前後にもなれば、夏は極楽の地ですが
逆に、12月〜2月では極寒になり、都会生活しか経験
のない人には、こんなはずではなかった、となりかね
ません。都会の家をセカンドハウスにする、ぐらいの
余裕が必要と思います。
(9)出来るものなら、50歳前後から「田舎暮らし」体験を
初めて欲しい。
定年は60歳。でも年金は65歳、否が応でも65歳から
70歳ぐらいまで働かざるを得ない時代になっています。
子育ての目途もたち、体力的にもまだ十分余力がある
50歳代から「田舎暮らし」体験を始めるのが良いように
思われます。10年、20年はあっという間に過ぎ去るものです。
(10)定住する場合は寛容な心を!
定住して、大阪市内まで通勤されている方もおられます。
村の方々は、親切で心優しい方ばかりで、村の集落を維持
するために、地域あげて大変な努力をされています。
それだけに、都会とは違った習慣が少しぐらいあっても、寛容
な心で受け止めるようにつとめましょう。
また、進んで集落の共同体としての行事に参加するなど、
「いいとこ取り」と思われないよう気配りすることなどが、
失敗しない「田舎暮らし」につながるでしょう。
*give and take , win-win-win 「もちつ、もたれつ」
「お互いが、皆、良い思いをする」、格言の「三方よし」
このらのことを心がければ、きっと歓迎されるでしょう。
*山間部でも、携帯電話、タブレットなどが可能になりつつ
ありますが、幹線から、奥になると通信不能、不安定
不能地域も、まだかなりあります。緊急時の時のためにも固定電話
が必要となる場合があります。
*救急車を手配しても、場所により、1時間はかかる覚悟が
いります。設備の整った病院搬送までなら救急依頼してから
2時間かかる場合もありえます。
単独での行動、危険な作業は避けた方が良いでしょう。
*テレビはケーブルテレビに加入すれば、視聴可能です。
(吉野地区、宇陀地区(こまどりケーブル株式会社)
セカンドハウスの場合、申請して許可されれば、減免措置が
受けられます。
*ただし、インターネットを導入したときには、減免措置が受けら
れない等の条件がつきます。詳しくは、会社までお問い合わせ
ください。
(11)定住希望の方は、当該の市町村、「空き家バンク」にも
相談してください。
「工房すみれ」にも、定住希望の方より問い合わせをいただきます。
土地勘の無い方は、不安になられるのも無理ありません。
セカンドハウスと定住ではおおきなハードルがあります。当該の
市町村の担当課、地元の方にも相談されることをお勧めしています。
また、物件については、ログハウス、山小屋は、一般的に、間取り
設備など定住仕様ではありません。基礎、建物構造などで簡素なもの
も見られます。(物件により差が激しい)
夫婦、家族で十分検討してから前にすすめるようにしましょう。
田舎暮らしで、いつまでも元気溌剌・・・ こうあって欲しいですね。 |
吉野町の津風呂湖畔にある、のぼり窯。
退職後、趣味の陶芸にご夫妻で専念されています。
登り窯は、本格的な構造になっていて、出来上が
った作品は、展示室で見学することができます。 |
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東吉野村鷲家にあるガス窯。趣味で陶芸に励んで
おられます。近くには、電気がまの窯が設置されて
いる山小屋があります。陶芸は熱意と研究心があれ
ば、小規模の設備でも十分可能です。 |
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ログハウス
ウッドデッキから山小屋、ログハウスまで、企画・設計・製作・施工
田舎暮らし物件、土地、家、建物、古民家の売買・仲介・管理
奈良県知事 (3)3883号
(公社)奈良県宅地建物取引業協会会員
(公社)全国宅地建物保証協会会員
工房 奈良県吉野郡東吉野村平野1252−4
事務所 奈良県香芝市高山台2−16−46
TEL、FAX 0746−44−0146
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